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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2006/08/23 因幡晃

  vol.44   富澤一誠のフォークが好き!  
因幡 晃/「わかって下さい」
別れの気持ちを“女言葉”で綴った「わかって下さい」

因幡晃に初めて会ったのは1976年11月のことだった。そのとき私は「GORO」という雑誌にレコード大賞の内幕を暴くという記事を書くために取材していたのだが、その取材でどうしても彼に会わなければならなかったのだ。というのは、「わかって下さい」が60万枚以上の大ヒット曲になっていたにもかかわらず、レコード大賞の新人賞にすらノミネートされていないのはおかしいと思ったからだ。初対面にもかかわらず、彼は本音を聞かせてくれた。
「レコード大賞なんか欲しくない。ぼくは自分の生きざまなり考えなりを、自分で詞を書いて曲をつけて歌っている。その意味では、自分の歌だという誇りがある。それをポーズばっかりつけている歌謡曲歌手の人たちと一緒に評価して欲しくない」

 彼は75年10月の<第10回ポプコン>に自作の「わかって下さい」で出場。最優秀曲賞を受賞し、さらに同年11月の<第6回世界歌謡祭>でも見事に入賞した。それがきっかけとなり、76年2月に「わかって下さい」でデビューした。この曲を作った頃、彼は鉱山技師として働いていた。この曲ができた背景を彼は説明する。
「あの頃、美しい女子大生と出会い、恋に落ち、そして突然の別れがやって来た。あの人と別れた後、別れがもたらした様々な心の衝撃を書きとめておかずにはいられなかったんです」

 こうして生まれたのが“名曲”の誉れが高い「わかって下さい」だが、この歌は“女言葉”で歌われているのも特徴だった。
「あの人と別れてから、あのときこのときのあの人の気持ちを、自分勝手な想像ではなく、できるだけ正確にとらえ直してみた。そうしてとらえたあの人の気持ちを詞にとどめたんです。あのときのあの人の気持ちはこうじゃなかったのかなあ、という詞だから、それは当然女言葉になるんです」
 また、彼はデビューしても東京には住まないで故郷・秋田県大館市に住む“故郷主義アーティスト”の先駆者でもあった。

 
因幡 晃/「わかって下さい」
TRACK LIST

因幡 晃
「わかって下さい」
1976 Release
ダウンロード価格
トラック \210(税込)

アーティスト詳細へ


   
   1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東京大学文科V類に入学。その後、現状にあきたらず、大学を中退。71年、音楽誌への投稿を機に音楽評論活動に専念。現在、ジャパニーズ・ポップス専門の音楽評論家として、独自の人間生きざま論を投影させ、広く評論活動を展開。
 著書は、ベストセラーになった『松山千春──さすらいの青春』『さだまさし──終りなき夢』『俺の井上陽水』をはじめとして、『新宿ルイード物語』『俺が言う@』『俺が言うA』『フォークが聴きたい』『Mの黙示録 ミリオンセラーは教えてくれる』『フォーク名曲事典300曲』『フォーク検定』など全56冊。
 【WEEK-END PARTY〜forever young〜】(FM NACK5/毎週土曜深夜0時〜3時)【SPIRAL OF MUSIC】(TOKYO FM/毎週金曜夕方5時〜5時30分)【ミュージック・ゼミナール】(STAR digio/毎週土曜夜11時半〜0時)【DAY BREAK FRIDAY富澤一誠 青春のバイブル】(JFN系列27局ネット/第一金曜日深夜3時〜5時)などのプロデューサー&パーソナリティーとしても熱いメッセージを送り続けている。全国的ヒットとなった『MOTER MAN』のSUPER BELL"Zを始めとして、骨骨先生、K-SAMA☆ロマンフィルム、yumirose、ミス・ゴブリン、さくまひでき、熊猫xiongmaoなどのプロデューサーとして、新しい才能を発掘・育成もしている。と同時に、評論家生活を通じて収集した膨大な量のプレスシート、パンフレット、アナログレコードなどを展示した<MUSIC & ARTIST DATA BANK フォーク&ニューミュージック資料館>を2005年春より公開、エルダー・マーケットの開拓にも力を注いでいる。
ブログ公開中(http://tomisawaissei.blog72.fc2.com/)。




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