総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き!> 2006/03/08 小椋佳(3)
布施明がうたってミリオンセラーになった「シクラメンのかほり」は1975年度の“日本レコード大賞”を受賞した。これによって、この曲の“作詞作曲者”である小椋佳は大きくクローズ・アップされた。 布施明に曲を作るという話が持ち込まれたとき、小椋は“ゲーム”感覚で楽しみながら作ったと言う。 「人生の最終結論をなんとか描きたいという気持ちはあるけれども、結局人間ってそれが片づかないまま、時間は間違いなく確実に過ぎて行ってしまう。その気持ちをうたおうとしたんです。だから、“時が二人を追い越してゆく”あの一行だけなんです。本当に言いたいのは。それを聴こえのいいように、愛の歌とか恋の歌に変えたんです」。そう言って、小椋は実に興味深い“秘話”を話してくれた。 「(エルビス・)プレスリーの歌で、一番の始まりが“朝見る君ほど素敵なものはない”、二番が“昼見る君ほど素敵なものはない”、三番が“夜見る君ほど素敵なものはない”という歌があるんですが、その構成を持ってきたんです。“ものはない”というやつね。それから言葉は北原白秋全集全六巻を読んでる最中でしたから、北原白秋全集のちょっとおいしいなというところは全部黄色いマーカー引いて、それを集めてきて…。それをちょっとアレンジしてはめ込んでいるんです。それで恋の始めから終わりまでの構成にして、うそ臭いって自分は思い始めますよね。どうせうそ臭いなら聴く人もみんなごまかしちゃえと。だけど、うそをついてますというのはどこかで言っておきたいということで、タイトルにわざわざ『シクラメンのかほり』って、においのない花ににおいをつけて、三番の“うす紫のシクラメン”って、ありもしないのを持ってきた。そういう遊びをふんだんに入れて、あの歌は作ったんです」。 ちなみに「シクラメンのかほり」が大ヒットしている間中、小椋は日本にいなかった。銀行の研修のために渡米していたからである。