総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き!> 2006/02/22 小椋佳(2)
「白い一日」は小椋佳にとって大切な曲だ。大切といえば──「白い一日」は井上陽水にとっても欠かせない曲である。こんなふうに書くと、「“白い一日”は小椋佳の曲なのになぜ陽水にとっても大切なのだ…」と不思議に思う人も中にはいるかもしれない。しかし、実は“オリジナル”という意味では陽水の方が早いのだ。「白い一日」を陽水はアルバム『氷の世界』(1973年10月1日発売)に収録している。一方、小椋の方は、74年1月21日にシングルで発売し、同年7月21日に発売されたアルバム『残された憧憬〜落書〜』にも収録している。なぜ同じ曲を異なるアーティストがうたっているかというと、「白い一日」は小椋と陽水の共作、つまり小椋が作詞して陽水が作曲したふたりの共同作品というわけだ。 なぜふたりが共作するようになったのだろうか?田中裕さんは語る。 「当時、陽水も小椋も担当プロデューサーは多賀英典さんだったんだけど、そのころ、陽水も小椋も次代を担うホープという感じだった。もちろん、うちの会社にとっても…。それでふたりをより大きくさせるために、あえてコンビを組ませたんだと思う。小椋の視点の鋭い詞と陽水の日本人の心情をえぐる比類なき叙情派メロディがうまく融合したら、素晴らしい歌ができあがるに違いない…。陽水と小椋の組み合わせを初めて聴かされたとき、ぼくはそんなふうに期待しました」 できあがってきた「白い一日」は田中さんの期待に違わないものだった。かつて陽水と小椋はそれぞれ次のように語ったものだ。 「小椋さんの大局観のある視点。奥の深さに触発されました」 「陽水さんの心のヒダを震わせるパーフェクトなメロディ。すごいメロディ・メーカーだと思う」 ふたりの良さがうまく融合された「白い一日」。歌の方も、陽水の叙情性と小椋の包容力と、それぞれにえがたい味わいがある。聴き比べを勧めたい。