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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き!> 2005/11/24 葛城ユキ

  vol.26   富澤一誠のフォークが好き!  
今回のPICK UP!>>葛城ユキ/ボヘミアン
 
堅実な活動が実を結んだ一曲
 

「木曾は山の中」という曲で葛城ユキがデビューしたのは、1974年11月のことである。同年の世界歌謡祭入賞曲であり、“大型シンガー”の前評判が高かったにもかかわらず、さっぱり売れなかった。
  シティ派ポップスの興隆期だった。ユーミンこと荒井由実が登場し、ニューミュージックという言葉が使われ始めた頃である。フォークとも演歌ともつかないような「木曾は山の中」は、完全に時代の流行からとり残されていた。
  その後もまったく鳴かず飛ばず。レコードを出す話も立ち消えになり、歌う場所といえば、ヤマハに所属していた関係で、合歓の郷やつま恋にあるヤマハ直営のホテルのミュージックサロンが確保できる程度だった。ミュージックサロンというと聴こえはいいが、バーやクラブのような、酒を飲ませる場所であり、彼女の歌はあくまで、酔った客のBGMにすぎなかった。
「苦しい思い出ばっかりですよ」
  模索が始まった。やがて、自分に一番合うのはロックだと思い始め、いわゆる“シャウト唱法”を身につける。叫ぶようなその歌い方は、自分の歌を聴いてくれなかった客への、精一杯の自己主張なのかもしれない。
  1980年、「哀しみのオーシャン」でラジオシティレコードより“再デビュー”。以後5枚のアルバムを作り、こまめにライブ活動を続けてきた。相変わらず、酔っ払い相手のパブなどが多かったが、彼女は負けなかった。負けないどころか、逆に闘志を燃やし、“ライブハウスの女王”と呼ばれるまでになった。
  地味ながらも堅実な活動が、「ボヘミアン」大ヒットの下地を作ったのである。当時、彼女が私のインタビューに答えて語ってくれた言葉を今でも鮮明に記憶している。
「信じてたんです、自分が大器だってことを。“大器晩成なんだ。ほかの歌手とは違う。こんな所でやってる自分は、ほんとの自分じゃない”。自分にそう言い聞かせてきました。そう信じるしか、なかったんです」

 
葛城ユキ/ボヘミアン
TRACK LIST

ダウンロード価格
トラック \150(税込)
 01. ボヘミアン  >>試聴

   
   1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東京大学文科V類に入学。その後、現状にあきたらず、大学を中退。71年、音楽誌への投稿を機に音楽評論活動に専念。現在、ジャパニーズ・ポップス専門の音楽評論家として、独自の人間生きざま論を投影させ、広く評論活動を展開。
 著書は、ベストセラーになった『松山千春──さすらいの青春』『さだまさし──終りなき夢』『俺の井上陽水』をはじめとして、『新宿ルイード物語』『俺が言う@』『俺が言うA』『フォークが聴きたい』『Mの黙示録 ミリオンセラーは教えてくれる』『フォーク名曲事典300曲』『フォーク検定』など全56冊。
 【WEEK-END PARTY〜forever young〜】(FM NACK5/毎週土曜深夜0時〜3時)【SPIRAL OF MUSIC】(TOKYO FM/毎週金曜夕方5時〜5時30分)【ミュージック・ゼミナール】(STAR digio/毎週土曜夜11時半〜0時)【DAY BREAK FRIDAY富澤一誠 青春のバイブル】(JFN系列27局ネット/第一金曜日深夜3時〜5時)などのプロデューサー&パーソナリティーとしても熱いメッセージを送り続けている。全国的ヒットとなった『MOTER MAN』のSUPER BELL"Zを始めとして、骨骨先生、K-SAMA☆ロマンフィルム、yumirose、ミス・ゴブリン、さくまひでき、熊猫xiongmaoなどのプロデューサーとして、新しい才能を発掘・育成もしている。と同時に、評論家生活を通じて収集した膨大な量のプレスシート、パンフレット、アナログレコードなどを展示した<MUSIC & ARTIST DATA BANK フォーク&ニューミュージック資料館>を2005年春より公開、エルダー・マーケットの開拓にも力を注いでいる。
ブログ公開中(http://tomisawaissei.blog72.fc2.com/)。




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