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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き!> 2005/05/25 堀内孝雄


 
vol.14
  富澤一誠のフォークが好き!  
今回のPICK UP!>>堀内孝雄/あいつが死んだ晩
 
“第二の男”を開花させた危機
 

涙の誓い」が大ヒットしている最中の1978年4月28日──アリスは大宮市民会館でコンサートを予定していた。いつものようにリハーサルが始められた。しかし、谷村新司は声が出なかった。前夜から違和感を感じていた彼のノドは熱くはれあがっていた。コンサート終了後、彼は病院に直行し、そのまま入院してしまった。膵臓をやられ、3ヵ月の静養が必要と診断された。

アリスは谷村抜きで、堀内孝雄と矢沢透のふたりでコンサート・ツアーを続けることを余儀なくされた。ふたりにも“男の意地”はあった。堀内は言う。

「やっぱりふたりじゃダメかと言われないようにしよう…ただそれだけでしたね」

同じころ、レコード制作において重大な事が起きていた。というのは、資生堂のキャンペーン・テーマの依頼がアリスに来ており、それをやることに決定していたのだが、谷村が病気静養ということで、どうしようか、とスタッフ間で論議がなされていたのである。橋場正敏ディレクターは「もう時効だと思うから」と言って打ち明ける。

「資生堂のキャンペーン・テーマはやれば絶対に売れるから、どうしてもやりたかった。でも、アリスでということで依頼が来ているのを、谷村が病気だからといって堀内のソロでといって通るかどうか…。でも、一か八かいってみたら、病気だったらしかたがないということで堀内のソロでOKになったんです。これはラッキーでした」。

君のひとみは10000ボルト」は'78年8月5日に堀内孝雄のソロ・シングルとして発売され、50万枚の大ヒットとなった。これによって、“アリスの第二の男”だった堀内は谷村と並ぶ“アリスの看板”となった。その意味では、谷村の病気という危機感が、堀内をうまく刺激して、結果的に大きなプラスをもたらしたと言える。まさにピンチがチャンスである。

 
堀内孝雄/あいつが死んだ晩
TRACK LIST

 01. 君のひとみは10000ボルト
 02. あいつが死んだ晩
 03. 旅はいいもんだ
 04. わが子よ
 05. 俺 由美子 孝洋
 06. 家を出てゆきたい
 07. 故郷には帰りたくない
 08. あの日の青い空
 09. 真赤なアカシア
 10. 少年時代

   
   1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東京大学文科V類に入学。その後、現状にあきたらず、大学を中退。71年、音楽誌への投稿を機に音楽評論活動に専念。現在、ジャパニーズ・ポップス専門の音楽評論家として、独自の人間生きざま論を投影させ、広く評論活動を展開。
 著書は、ベストセラーになった『松山千春──さすらいの青春』『さだまさし──終りなき夢』『俺の井上陽水』をはじめとして、『新宿ルイード物語』『俺が言う@』『俺が言うA』『フォークが聴きたい』『Mの黙示録 ミリオンセラーは教えてくれる』『フォーク名曲事典300曲』『フォーク検定』など全56冊。
 【WEEK-END PARTY〜forever young〜】(FM NACK5/毎週土曜深夜0時〜3時)【SPIRAL OF MUSIC】(TOKYO FM/毎週金曜夕方5時〜5時30分)【ミュージック・ゼミナール】(STAR digio/毎週土曜夜11時半〜0時)【DAY BREAK FRIDAY富澤一誠 青春のバイブル】(JFN系列27局ネット/第一金曜日深夜3時〜5時)などのプロデューサー&パーソナリティーとしても熱いメッセージを送り続けている。全国的ヒットとなった『MOTER MAN』のSUPER BELL"Zを始めとして、骨骨先生、K-SAMA☆ロマンフィルム、yumirose、ミス・ゴブリン、さくまひでき、熊猫xiongmaoなどのプロデューサーとして、新しい才能を発掘・育成もしている。と同時に、評論家生活を通じて収集した膨大な量のプレスシート、パンフレット、アナログレコードなどを展示した<MUSIC & ARTIST DATA BANK フォーク&ニューミュージック資料館>を2005年春より公開、エルダー・マーケットの開拓にも力を注いでいる。
ブログ公開中(http://tomisawaissei.blog72.fc2.com/)。
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