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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > DJ19のレコ麺 > 2008/03/05 UP シール亭

DJ19のレコ麺
今回のPICK UPシール『System』
シール『System』
TRACK LIST
Album
シール
『System』
2008 Release
ダウンロード価格
アルバム¥1,500 トラック¥150(共に税込)

アーティスト詳細
 敬愛するトレヴァー・ホーンが最も長きに渡ってプロデュースを手掛けてきたアーティスト、シールを今回はピックアップします。しかしながら、姉さん、事件です(『ホテル』風に)。4年ぶりとなる新作『システム』では、スチュワート・プライスがプロデューサーに起用されているんです。となるとシールのハスキーなボイスと相性のいいアンダ・ダドリーの流麗なストリングスも聴けなくなるわけで、ちょいと危惧したわけですが、マドンナニュー・オーダーでいい仕事を連発しているスチュワート・プライスだけにその辺はノー・プロブレムでした。

 もともとシールは、’90年に全英No.1に輝いたアダムスキーの「Killer」というハウス・クラシックにフィーチャーされて脚光を浴び、トレヴァー・ホーンの運営するZTTと契約に至りました。そうしたこともあり、サウンドが幅広くなっていきながらも、常にリミックスが周到に用意され、クラブ系の人にも根強い人気を誇っているのです。ちなみに、引っ張り出した当人であるアダムスキーの方は、その後ZTTからアダムスキーズ・シングとL.a.z.y.というユニットを稼働させましたが、 現在は離れてアダム・スカイとして地道に活動しています。

 本題に戻りましょう。『システム』は、’04年のベスト盤『ベスト1991-2004』(輸入盤はトレヴァー先生プロデュースによる全編アコースティック・バージョンのディスクが付いた2枚組)で一区切りを付けたシールが、原点である’91年のデビューアルバム『SEAL』風を装いがらも、進化した形を見せつけてくれるアルバムに仕上がっています。リードシングルである「Amazing」なんて、ソロデビュー作である「Crazy」を再現しているかのようです。テクノロジーとソウルの融合を念頭に置きながら、決して単なるノスタルジックだけで終わらせないのは、DJ的感覚が鋭いスチュワート・プライスの手腕といえるでしょう。ご存知の方も多いでしょうが、この名前ではプロデューサー的活躍を見せていますが、ジャック・ル・コント名義ではDJ活動をし、『FabricLive』などのMIX CDも出しているのです。また、もともと世に出て来たのは、WALL OF SOUNDからのレ・リズム・ディジタル名義でした。このときも、弱冠二十歳過ぎの人間が80年代への敬愛をサウンドに乗せていて度肝を抜かれたのですが、その後もズート・ウーマンにマン・ウィズ・ギターなど何個プロジェクトを稼働してるんだという働きっぷり。ちなみに「Amazing」をエディットしているシン・ホワイト・デュークも同じで、この名義はフェリックス・ダ・ハウスキャットの「Silver Screen Shower Scene」のリミックスなどで使っていました。

 シールの最新アルバムながら、どこか昔に聴いたような懐かしさを覚えるのは、レイドバックしたサウンドを得意とするスチュワート・プライスが、プロデュースだけでなく、楽曲制作にも大きく関与しているからなんですね。あと、もうひとり重要なのが、実に5曲もの作品に共作者として名を連ねているエリック・シャーマーホーン。もともとザ・ザに参加していたギタリストで、実際に「Rolling」でシールとともにギターを弾いています。これは、今回のアルバムにおける作曲が、ギターをベースにしていると言い換えることも出来るでしょう。あと「Wedding Day」でデュエットしているハイディは奥方であります。個人的に一番好きなのは、リミックス映えしそうな「The Right Life」ですかね。

 あと、日本盤には「Amazing」のカスケードとビル・ハメル・リミックスが収録されているのも見逃せません。というのも、フロリダのビル・ハメルは、マドンナニュー・オーダーなどメジャー・アーティストのリミックスを数多く手掛けているんですが、シールの「Get It Together」でグラミーのベスト・リミックスにノミネートされたこともありますからね。

 さて、アーサー・ベイカー(ニュー・オーダー亭参照)を夢見ていた少年=スチュワート・プライスは、シールを手掛けたことで、本当に80年代のアーサー・ベイカーのように、いや以上の存在になってしまいました。もちろん、それはシールという本質が優れているからに他ならないんですがね。
INFORMATION
レーベル主宰や国内外のイべントでのDJプレイなど多岐に活躍するDJ 19のブログ「ナイナイナイ(ナインティーンの)恋じゃない」がスタート!!クラブ・シーンの第一線で活躍する彼が、最新のパーティのことや日常の些細なことを徒然なるままに書き綴ります。
DJ 19 ブログはこちら

PROFILE
Profile of DJ19(ディージェィ ナインティーン)
様々な側面を持つ、ジャパニーズ・クラブ・シーンのパイオニア。倖田來未、globe、S.E.N.Sといった著名アーティストのリミッ クスだけでなく、これまでにTHOMAS PENTON、STEVE MAY、C-JAY、KRIECE、AUSTIN LEEDSなど世界各国のアーティストとオリジナル作品を制作し、海外レーベルにオリジナルとリミックスも提供。DJとしても、海外のビッグ・パーティーである『BEDROCK』、国内でも『FUJI ROCK FESTIVAL』などに出演し、自身では『PLASTIC SEX』『PARK』をオーガナイズしている。19BOX、PARK LIMITED MUZIK、19BOX LIMITEDという3つのレーベルを運営し、クラブ向けトラックを制作しながら、これまでに20作以上ものMIX CDを国内外でリリースした実績を持つ。同時にダウンテンポ/チルアウトの作品にも力を入れ、様々なレコード会社から毎年チルアウト・コンピレーションをリリースし、AMBROZIA名義(www.konami.jp/music/ambrozia)でも3枚のアルバムを発表。Hiroki-mode ebisuにて『R』という大人のためのチルアウト・ラウンジも毎月第一木曜日に開催している。ラジオ番組も海外でレギュラーを持ち、ベルギーのTOP RADIOで毎月第3日曜日に『ROTATIONZ』(www.rotationz.be)、アメリカのPROTON RADIOで毎月第4火曜日に『EAST ENDERS』(www.protonradio.com)を担当。また、ジャーナリストの側面も持ち、田中“19”裕之名義で、クラブ系の作品を中心に多数のライナーノーツを手掛けている。最新CDは『PARTY 4 THE WEEKEND』。 DJ 19 オフィシャルサイト www.19boxrec.com (PC・携帯共用)




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