プロジェクト・ネームだったり、DJネームは、本人達の意思を込めたものだけでなく、影響を受けたもの、例えば、音楽・映画・漫画などのタイトルや登場人物からとってきたり、それこそそのときたまたま目にしたものを名乗ったりと様々です。日本が世界に誇る企業、ブリヂストンの場合は、創業者の石橋正二郎氏の「ストーン」(石)と「ブリッジ」(橋)を逆さにして出来たものです。なので、今回紹介するスウェーデンのハウス・プロデューサー=ストーンブリッジの名前を初めて目にしたとき、車好きで、ブリヂストンのタイヤでも履いているのかと思ったんですが、単に名前と偶発的な出来事の語呂合わせで付けたようでした、はい。
それにしても、ここ数年のスウェディシュ・ハウス・アーティストの台頭はすさまじいものがありますが、もともと北欧はメロディアスが信条な地域。ポップス界で大成功を収めているだけに、必然的だったのかもしれません。とはいえストーンブリッジの場合は、かなり早くから名前が知られた存在で、世界的にリリースされたスウェーデン系のアーティスト、例えばドクター・アルバン、レイラK、DaYeeneなど、80年代終盤からクレジットで確認できたのでクラブ・ファンにはお馴染みでした。特に、スウェーデンのDEF
MIX(フランキー・ナックルズ、
デヴィッド・モラレス、サトシ・トミイエ)を意識したSWEMIXをニック・ナイスと組織し、スウェーデン出身であることをクラブ・ピープルに広くアピールしました。一般的に大ブレイクしたのは、ロビンSの「Show
Me Love」のリミックス以降となりますが、今やメジャーアーティストを大量に手掛ける売れっ子であります。
もともとディスコ系のサウンドを得意とし、そのためアメリカのフィルター・ディスコ・キングであるマイアミのロビー・リヴェラなんかともタッグを組むこともしばしばありました。実際、ストーンブリッジの場合はソウルフルな歌もの路線を得意とするので、日本人には馴染みやすいかもしれません。最近、巷でハウスのタグが付く作品は、リズム隊よりもメロディを重視した
4つ打ちのフォーマットという感じが多いんですが、ストーンブリッジを聴けば、同じハウスでも骨格もしっかりしていることに気付くでしょう。
さて、本『
Music
Makes Me』は、HE KANDIからの『Can’t Get Enough』に続いて昨年リリースされた2ndアルバムとなります。あれだけの作品量がありながらまだ2ndということが不思議なんですが、1stがコンピ的体裁が強かったので、かなり流れのあるいいアルバムに仕上がっています。ここから既に、「
SOS」、「
You
Don’t Know」、「
Close
To Heaven」の順でシングルがカットされています。ちなみに「
SOS」でリードを取っているERIREは、ダニー・ハウウェルズとディック・トレヴァーが組んだ「Dusk
Till Dawn」や「Breathe」でお馴染みのシンガーです。個人的には女性ボーカルが好みなので、特にスウェーデンのシンガー・ソングライターであるYOTAの参加したオープニング・トラックの「
Music
Takes Me」(もう一曲「
All
I Can Think Of Is You」に参加)が、ストリングス・アレンジ同様に胸キュンものです。あと、「
Take
Me I'm Yours」もシングル希望曲。というのも、ボーカルのタラ・マクドナルドはアーマンド・ヴァン・ヘルデンの.「My
My My」やアクスウェル 「Feel The Vibe」でお馴染みの人なんですね。あと、日本盤にはボーナス・トラックとして
ボーイズ・タウン・ギャングの「
君の瞳に恋してる/Can’t
Take My Eyes Off You」(
フランキー・ヴァリのカバー)がありますが、ちょっと仕事がやっつけっぽいかな(笑)。
実際問題として、アルバムを通しで聴けるハウス・ミュージックは数少ないので、シングルに特化して聴かないのであれば、こういうハウスもいいですよ。