街中がクリスマスのイルミネーションで彩られていますね。僕が、一番嫌いな季節がやって参りました(笑)。というのも、自分の誕生日がまさにクリスマスなこともあり、何かこういうイベントごとを素直に喜べないんですよね。だから、大半のクリスマスソングは駄目で、どこかから流れてくると遮断してしまいます。そんな中でも、純粋に好きな楽曲が幾つか存在しています。今回紹介するクリス・レアの「
Driving Home For Christmas」は、まさにそんな一曲です。で、本来は、この作品を含む’88年リリースの『ベスト・オブ・クリス・レア/New Light Through Old Windows』というベスト盤(といいつつ実際はニューレコーディングという異質作品)をピックアップしたかったんですが、ここにないようなので、’94年リリース(デジタル’05年)の『
ザ・ベスト・オブ・クリス・レア』をご紹介しましょう。
クリス・レアの魅力は、なんといってもそのブルージーな渋い歌声。1951年3月4日にイギリス、ミドルズバラ生まれのナイスミドルであります。個人的に好きな理由に、彼がアメリカに背を向けてといったら変ですが、マイペースに好きな活動をし、イギリスを代表するアーティストになったこともあります。そんな人物なので、’05年にはCD11枚+DVD1枚のボックスセット『Blue Guitars』というブルースに対する情熱を詰め込んだ意欲作もリリースしています。ソロデビューは’78年で、
エルトン・ジョンを育てたことでも知られるガス・ダッジョンによる強力なバックアップのもと、アルバム『何がベニーに起こったか?/Whatever Happened to Benny Santini?』をリリース。「
Fool(If You Think It’s Over)」は全英では30位ですが、全米では12位を記録します。しかし、前述のように、その成功を捨て、自分の好きな道を進むことになります。というわけで、イギリスでも80年代後半までは、かなり厳しい道を歩むことになり、チャート上では、『ベスト・オブ・クリス・レア/New Light Through Old Windows』までは、’87年の「
Let’s Dance」で12位、「On The Beach Summer ‘88」で12位といった目立ったヒットがある程度。しかしながら、ベスト盤を機にブレイクし、続く’89年のアルバム『レインボウ/The Road To Hell』と’91年の『オーベルジュ』は全英No.1を獲得し、「
The Road To Hell(Part II)」で初の全英トップ10ヒットを生むまでに至りました。しかしながら、日本では、やはりAOR的なテイストの強い、ギタリストとしての側面もある初期作品が好まれていて、『シャムロック・ダイアリーズ』から愛娘の名を冠した「
Josephine」(’85年全英67位)、『オン・ザ・ビーチ』からの「
On The Beach」(’86年全英57位)、デビュー・ヒットの「
Fool(If You Think It’s Over)」あたりの人気が高いです。一応、1stベスト以降で、今回の2枚目のベストアルバムまでには、『オーベルジュ』から「
Auberge」が全英16位、ここには収録されていませんが、’92年の『ゴッズ・グレイト・バナナ・スキン』から「Nothing To Fear」という9分10秒もあるシングルが’92年に16位になったり(長いんで、代わりにといってはなんですが、全英31位の「
God's Great Banana Skin」を収録)、’93年の『エスプレッソ・ロジック』から、もうひとりの娘に捧げた全英18位の「
Julia」などが選ばれています。また、
エルトン・ジョンが’93年にリリースした豪華なデュエット・アルバム『デュエット・ソングス/Duets』から「
If You Were Me」がピックアップされているのも嬉しいです。
というわけで、このベストアルバムにて、あたたかみのある声を感じつつ、洩れてしまった「
Driving Home For Christmas」は別途にダウンロードし、クリスマスシーズンに向かって準備をしてみて下さい。