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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > DJ19のレコ麺 > 2007/10/17 UP マッシヴ・アタック 亭

DJ19のレコ麺
今回のPICK UPマッシヴ・アタック『Blue Lines』
マッシヴ・アタック『Blue Lines』
TRACK LIST
Album
マッシヴ・アタック
『Blue Lines』
1992 Release
ダウンロード価格
アルバム¥1,500 トラック¥150(共に税込)

アーティスト詳細
 今年3度目のロシアから戻って来ました。テレビの音効さんなら、こういう映像のときテレックスの「Moscow Discow」あたりを選ぶと思うんですが、少しヒネるとモロコなんかも面白いですかね。ロシア語でミルクの意味なので。そんなモロコのロェシーン・マーフィーも新作『Overpowered』を出しましたが、まだこちらではシングルのみの配信なので、今回はモロコらを生む下地を作ったともいえるトリップ・ホップ(死語ですね)の元祖、マッシヴ・アタックの衝撃的な’91年のデビューアルバム『ブルー・ラインズ』をピックアップします。
 イギリスのブリストルに目を向けさせ、この地から後に多くのアーティストを排出する契機となったのがマッシヴ・アタックなわけですが、この地は、レゲエ・インフルエンスが特徴的で、そのため独特の音楽性を持った人が多く出てきています。当然マッシヴ・アタックも、その色が濃く出ています。元々、ダディーG、DJマイロ、ネリー・フーパー、クロード・ウィリアムス、3D、マッシュルームによるザ・ワイルド・バンチという前身があったっんですが、この名義ではオリジナルを「Friends And Countrymen」しか残していません。にも拘らず名前の認知度が高いのは、ザ・ワイルド・バンチを離れたあとのネリー・フーパーが、マッシヴ・アタックより一足先にブレイクを果たすソウル・トゥー・ソウルに全面的に関わり、大プロデューサーとなっていくからなんですね。また、日本ではマイロがMAJOR FORCEとの関係が深かったこともあり、コアな人には知られる存在だったわけです。
 では、マッシヴ・アタックとしてはどうかというと、ダディーG、3D、マッシュルームの3人で、スミス&マイティを共同プロデューサーに迎え、のちにソロデビューを果たすカールトンをフィーチャーして「Any Love」で’88年にデビューします。続いて「Daydreaming」が’90年全英81位を記録するんですが、この作品から3曲続けてシングルは全て同じゲストボーカリストになります。それが「Friends And Countrymen」収録のバカラック&デヴィッドの「The Look Of Love」を歌っていたシャラ・ネルソンです。のちに彼女も当然のようにソロとなりますが、彼女の声があったからこそ、ダークな音像のマッシヴ・アタックに色を与えたのです。そして事件が起こります。時は’91年、そう湾岸戦争です。シャラ・ネルソンをフィーチャーした「Unfinished Sympathy」が、ユニットの名前が刺激的という理由で、レコード・スリーヴにマッシヴと明記されてしまいます。当時のことは今でも覚えていますが、イギリスの『DJ』誌を読んでいて、このニュースを知りました(今みたいにインターネットが無い時代)。なので、このレコードは今でも僕の大事なコレクター・アイテムの1つになっています。閑話休題。そんなことで、逆にニュースになったマッシヴ・アタックは、この曲で全英13位を記録しました。余談ですが、この曲はティナ・ターナーにもカバーされています。もう1曲、シングルカットの際、ネリー・フーパーが手掛けたことがクラブファンに話題となった「Safe From Harm」が’91年全英25位になっています。
 さて『ブルー・ラインズ』はシングル曲以外にも聴き所は満載なのですが、細かいところに触れれば、のちにマッシヴ・アタックが運営するMELANKOLICからもアルバムを出すホレス・アンディが「One Love」「Five Man Army」「Hymn Of The Big Wheel」に参加していたり、ウィリアム・デ・ヴォーンのカバーである「Be Thankful For What You’ve Got」があったり、何気にいろんなサンプリング・ネタがあったり…キリがありませんが、最後にもう1つ。「Hymn Of The Big Wheel」にネナ・チェリーの名がクレジットされているのですが、詳しい話は長くなるのでネナ・チェリー亭を読み返して下さい。
 ’92年には「Massive Attack EP」として「Hymn Of The Big Wheel」「Home Of The Whale」「Be Thankful For What You've Got」「Any Love」という4曲(ネリー・フーパーを含むリミックス系)をまとめた作品がカットされ全英27位になっていて、結局アルバムの実質半分以上がカットされた形になりました。
 表現上では、ダウンテンポのブレイクビーツにヒップホップらのエッセンスを昇華させたトリップホップは、ブリストルという土地に根付いた音楽=レゲエ、つまりダブの手法を用いたからこそ完成し、マッシヴ・アタックというアーティストがいたからメジャーになったわけです。『ブルー・ラインズ』はそうしたトリップホップの原点となるアルバムです。ベスト盤ではなく、このデビュー作で、当時イギリスに起こった新たな音楽の息吹を感じて下さい。
INFORMATION
レーベル主宰や国内外のイべントでのDJプレイなど多岐に活躍するDJ 19のブログ「ナイナイナイ(ナインティーンの)恋じゃない」がスタート!!クラブ・シーンの第一線で活躍する彼が、最新のパーティのことや日常の些細なことを徒然なるままに書き綴ります。
DJ 19 ブログはこちら

PROFILE
Profile of DJ19(ディージェィ ナインティーン)
様々な側面を持つ、ジャパニーズ・クラブ・シーンのパイオニア。倖田來未、globe、S.E.N.Sといった著名アーティストのリミッ クスだけでなく、これまでにTHOMAS PENTON、STEVE MAY、C-JAY、KRIECE、AUSTIN LEEDSなど世界各国のアーティストとオリジナル作品を制作し、海外レーベルにオリジナルとリミックスも提供。DJとしても、海外のビッグ・パーティーである『BEDROCK』、国内でも『FUJI ROCK FESTIVAL』などに出演し、自身では『PLASTIC SEX』『PARK』をオーガナイズしている。19BOX、PARK LIMITED MUZIK、19BOX LIMITEDという3つのレーベルを運営し、クラブ向けトラックを制作しながら、これまでに20作以上ものMIX CDを国内外でリリースした実績を持つ。同時にダウンテンポ/チルアウトの作品にも力を入れ、様々なレコード会社から毎年チルアウト・コンピレーションをリリースし、AMBROZIA名義(www.konami.jp/music/ambrozia)でも3枚のアルバムを発表。Hiroki-mode ebisuにて『R』という大人のためのチルアウト・ラウンジも毎月第一木曜日に開催している。ラジオ番組も海外でレギュラーを持ち、ベルギーのTOP RADIOで毎月第3日曜日に『ROTATIONZ』(www.rotationz.be)、アメリカのPROTON RADIOで毎月第4火曜日に『EAST ENDERS』(www.protonradio.com)を担当。また、ジャーナリストの側面も持ち、田中“19”裕之名義で、クラブ系の作品を中心に多数のライナーノーツを手掛けている。最新CDは『PARTY 4 THE WEEKEND』。 DJ 19 オフィシャルサイト www.19boxrec.com (PC・携帯共用)




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