たまに、自分の原点である
ポール・ハードキャッスルの音源を聴きたくなるときがあります。この間ファースト・ライトというユニット時代の曲を掘り起こしていたら、この頃は似たようなサウンドが多くあって、パッと思い浮かんだのがルース・エンズの「
Hangin’ On A String」でした。そういえば、ここではまだルース・エンズを紹介していなかったですね。彼らがいなければ、のちの
ソウル・トゥー・ソウル(以前『レコ麺』でピックアップした
ソウル・トゥー・ソウル亭参照)の成功もなかったかもしれません。そんな
ソウル・トゥー・ソウルのブレイクに触発されて発表したのが今回紹介する'90年の『
ルック・ハウ・ロング』というアルバムです。
ルース・エンズ(結成当初はルース・エンドでした)は、スティーヴ・ニコル、ジェーン・ユージン、カール・マッキントッシュの3人により’80年に結成されます。そしてVIRGIN初のブラック・アクトとして売り出され、実際にアメリカのR&Bチャートにて「
Hangin’ On A String」が’85年1位、「
Slow Down」が’86年1位、「
Watching You」が’88年2位という成功を収めました。母国イギリスでは「
Hangin’ On A String」と「
Magic Touch」が特に人気が高く、それぞれ’85年に全英13位と16位という結果を残しています。この2曲は様々なコンピレーションにフィーチャーされていて、’92年にはリミックス・バージョンで再度チャートに登場したくらいです。
そんな3人ですが、アメリカでの成功によって逆にメンバー間に亀裂が生じ、アメリカ志向のスティーヴ・ニコルとジェーン・ユージンに対し、結果としてカール・マッキントッシュは新たなルース・エンズ、それはイギリスのストリート・ベースのサウンドをコンセプトにしたプロジェクトを結成します。そうして発表されたのが、オリジナルとしては5枚目となる『
ルック・ハウ・ロング』でした。この時期、カール・マッキントッシュはソウル・トゥー・ソウルから羽ばたいたキャロン・ウィーラーのプロデュースなどを手掛けており、サウンドは完全にグラウンド・ビートです。当時、UKのアイデンティティがこのサウンドに象徴されていたことがよく分かります。アルバムからは「
Don’t Be A Fool」が先行カットされ’90年全英13位、そのあと「
Love’s Got Me」が全英40位という結果に。アメリカではもう1曲「
Cheap Talk」がR&Bチャート入りしました。個人的には、完璧にソウル・トゥー・ソウルな「
Don’t Be A Fool」と、女性ボーカルが胸キュンな「
Love Controversy, Pt. 1」がお気に入りです。
この後、カール・マッキントッシュは、ポーリン・ヘンリーや
ビヴァリー・ナイトらのプロデュースを手掛けましたが、最近ではあまりクレジットで見かけることが少なくなりました。ちょっとした話題になったのは、’98年にピート・ロックが、オリジナル・メンバーをフィーチャーして「Take Your Time」をリリースしたことぐらいでしょうか。リミックスアルバム『
Tighten Up Vol. 1』と謳いながら、『Vol.2』は出ていないこともあり、なんとかまた元気な姿を見せて欲しいですね。