オシャレなフュージョン系サウンドといえば、80年代はシャカタクで、90年代は
ポール・ハードキャッスルのジャズマスターズだったのではないかと個人的に思っています。両者ともインストが主体であり、あくまでもボーカルはサポートの役割で、簡素なリフレイン。特にシャカタクは’86年の『男女7人夏物語』、’87年の『男女7人秋物語』で大々的にフィーチュアされたこともあり、日本で絶大な人気を誇り、今でも日本から作品をリリースしていて、今年も『
エモーショナリー・ブルー』を発表しています。
今回紹介する『
ビューティフル・デイ』は、’05年にリリースされたもので、結成25周年を記念するアルバムでもあります。つまり結成は’80年。そもそもシャカタクはキーボードがいなかったノーザン・ライツに、トラックスの
ビル・シャープが参加したことで、二つのバンドが合体して出来たものです。しかもトラックスには、ロジャー・オデルとキース・ウィンターだけでなく、なんとトレヴァー・ホーンもいたというから驚きです(『レコ麺』では毎度のように出てきますが、意図せずになので余計怖いです)。この当時、数多のジャズ・ファンク・バンドが存在したということは以前
インコグニート亭にて拙文を書いていますが、シャカタクが異質なのは、トーキング・ピアノでメロディを奏でていたことに尽きます。誰しもが、「Night Birds」や「Invitations」のピアノにヤラれたものです。しかも、デビューアルバムが『Drivin' Hard』というくらいでしたから、ドライブBGMとしてもシャカタクは人気アイテムだったわけです。
シャカタクが最初にチャートに入ったのは’80年の「Feels Like The Right Time」(全英41位)ですが、爆発的な人気を得るようになるのは’81年の「Easier Said Than Done」(全英12位)から。特に’82年の「Night Birds」(全英9位)と’84年の「Down On The Street」(全英9位)は彼らにとっての二大ビッグ・ヒットです。
こんな言い方をすると身も蓋もないのですが、シャカタクの音楽は金太郎飴のようにスタイルをずっと維持していて、期待を裏切りません。それは、ある程度の心地の良さを求めたBGM的な聴かれ方を想定しているからで、だからこそ奇をてらったものでなくても、長く愛されるのではないでしょうか。ということで『ビューティフル・デイ』でも演っていることは基本変わりません。個人的な好みをあげるとすれば、
AMBROZIAの1stアルバムである『
Velvet』の特典として2枚目に付けたチルアウト・コンピレーション『
Velvet Mode Collection』でもピックアップした「Now Summer's Gone」は、このアルバムからのセレクトです。
過去にナイジェル・ライトが在籍した時代もあって、その辺はかなり影響を受けているんですが、今やグラミー賞に2回もノミネートされる御大なので、そちらはまた別の機会に取り上げることが出来ればと思っています。