今回はガブリエルをご紹介、といってもロイ・ディヴィス・ジュニアではありません(このギャグが解った人はかなりのハウス通。そうでない方は右から左へ受け流して下さい)。ハスキー・ボイスで90年代のUKフィメール・ボーカリストを代表するといっても過言でない、ガブリエルこと本名ガブリエル・ルイーズ・ボブのデビューアルバム『
ファインド・ユア・ウェイ』をピックアップします。
ガブリエルには過去、「
Dreams」(’93年)に「
Rise」(’00年)という2曲の全英No.1ヒットがあります。そして前者の「
Dreams」は、デビューシングルにして1位という快挙に加え、歌詞の冒頭にある“
Dreams Can Come True”を自ら実現してしまったから更に驚きです。これこそ正真正銘のシンデレラガールですね。
もともと「
Dreams」はVICTIM RECORDSという超マイナー・レーベルからリリースされていたんですが、
トレーシー・チャップマンの「Fast Car」のギターを勝手にサンプリングしていたものでした。そこで、この曲を気に入ったGO! DISCSの担当者が、許可を取って正式に大々的に発売しようとしたんですが、結果的にOKが出ず、再度レコーディングし直すことに。そんなこんながありながらも、モニー・ラヴらを手掛けたリッチー・ファーミーをプロデューサーに迎え、新たに生まれ変わった「
Dreams」は、先述したようにNo.1を獲得します。続く「
Going Nowhere」も’93年全英9位。そして本作『
ファインド・ユア・ウェイ』を発表し、こちらもトップ10ヒットを記録します。
アルバムからは、その後も「
I Wish」が’93年26位、「
Because Of You」が’94年26位という結果を残しています。
全体的には、単にクラブやハウスという部分からは片足はみ出す感じで、フォーキーなテイストを貫きながら、当時でいうグラウンド・ビート・タイプのサウンドで纏める感じに仕上がっています。手掛けているメンツも、当時の大人気グループで、のちのボーイズ・グループの先駆けとなった
テイク・ザット(昨年から再始動中)らを手掛けたS&Pジャヴィヤー、車のCMでお馴染みの「She Drives Me Crazy」が有名なファイン・ヤング・カニバルズのアンディ・コックスとデヴィッド・スティール(彼らは変名でハウス・プロジェクト=トゥ・メン・ア・ドラムマシーン・アンド・ア・トランペットも稼働していた)、ポップ・ウィル・イート・イットセルフらのプロデューサーとして知られ、数多くのリミックスもこなしているボイラーハウス、かつて
ザ・クイックというユニットで活動したジョージ・マックファーレンなどが手掛けています。
季節的に、これからの暑いシーズンを乗り切る、軽快なある種のチルアウト・サウンドと今では言えるかもしれません。’04年を最後に活動があまり聞こえてこないんですが、夏のビーチに生で歌声を聴いてみたいものです。
ところで、こうしたサウンドが聴けるラウンジが西麻布にオープンしました。僕がサウンド・プロデューサーを手掛けていて、土曜日には、僕かDJ YU-TAのどちらかが生でプレイしていますので、お時間のあるかたは是非いらして下さい。お店の名前は
ON@OFF-COMPLEXです。