男性でありながら、男性を好きになってしまった場合、今でこそカミングアウトしても受け入れられる土壌が昔に比べて出来ましたが、このアルバムが出た当時はかなりショッキングでした。しかも、グループとしてそうした色を前面に打ち出していたこともあり、メディアでセンセーショナルに取り上げられました。今回紹介するのは、のちにソロとしても活躍するジミ・ソマーヴィルが在籍した
ブロンスキ・ビート’84年のアルバム
『Age Of Consent』です。
ブロンスキ・ビートは、スティーヴ・ブロンスキ、ラリー・ステインバチェック、ジミ・ソマーヴィルの3人から成ります。当時、数多(あまた)のエレポップ・ユニットがありましたが、ジミ・ソマーヴィルの特異なファルセット・ボイスとマッチングし、デビュー曲である「
Smalltown Boy」は、いきなり’84年全英3位を記録。しかも悲哀に満ちあふれたサウンドは、曲の持つメッセージとともに心に染み込んでくるようでした。もし「
Smalltown Boy」のビデオ・クリップを観る機会があるならば、彼らの境遇がかなり理解できると思います。同じ心情を吐露したものに、のちにジミ・ソマーヴィルが結成するコミュナーズの「Victims」という曲があります。
2ndシングルは「
Why?」。アルバムのオープニング・トラックとして“Tell Me Why?”と高々に歌い上げていますが、こちらは全英6位となりました。そして本作となるわけですが、
『Age Of Consent』とは法的に認可された年齢、例えばたばことか車の免許の取得といったときに使用するんですが、ここでは、男性間のホモセクシャルを認める年齢を意味しています。アルバムのスリーヴには、当時の世界各国での状況が列挙されています。このアルバムからは、「
It Ain’t Necessary So」が’84年全英16位となった他、
ドナ・サマーをカバーした「
I Feel Love / Johnnie Remember Me」がシングル・カットされた際に「Love To Love You Baby」を挟み込んだメドレーとなり、
ソフト・セルのマーク・アーモンドも参加して’85年全英3位を記録しました。
好調なスタートを切った
ブロンスキ・ビートですが、ジミ・ソマーヴィルは脱退し、前述したようにコミュナーズというユニットをリチャード・コールズと結成します。一方残った2人は、新たに
ジョン・ジョンを迎え入れ、新生
ブロンスキ・ビートとしてすぐさま活動を開始しました。メッセージ性よりもダンス性を打ち出すことで、ダークなテイストを払拭し、かなりポップなイメージを得ることに成功します。そのため、生まれ変わった
ブロンスキ・ビートは「Hit That Perfect Beat」で’85年全英3位をいきなり記録し、それぞれ別々の道を歩みだすんですが、その後の経過は、本作を気に入った方が追えるように触れずにおきます(笑)。
そうである方もそうでない方も、是非機会があれば聴いて欲しい一品です。