ずっと制作をしていると、マンネリ化を防ぐため、冷静になる時間を設けるようにしているんですが、今、何故かハイエナジー/ユーロビート的なサウンドを引っ張りだして落ち着く日々を送っております。そんな中、ふと聴きたくなって取り出したのが、今回紹介する姉妹デュオの
メル&キムです。
といっても、この名前でピンとくる人の絶対数はかなり限られてしまうでしょう。本来ならもっと名前を知られるべき存在だったんですが、活動しようにも、片方のメルが’90年にこの世を去ってしまったのです。活動形態もサウンドも異なりますが、日本では、のちに
DOUBLEに同じようなことが起こりました。もちろん、
DOUBLEのその後の成功はいうまでもありませんが、イギリスの
メル&キムの場合、キムの方がキム・アップルビー名義でソロ活動したものの、結果的にアルバムが1枚しかリリースされなかったこともあり、前述したような状況になっているのです。
とはいえ、80年代を制覇したといっても過言ではないストック/エイトキン/ウォーターマン(以下SAW)の肝煎りです。’86年「
Showing Out」で鮮烈デビューし、イキナリの全英3位を記録しています。SAWがリック・アストリーや
カイリー・ミノーグを手掛ける前の話ですね。しかも面白いのが、時代的に、ハウスに色目を使いだしたサウンドが色濃く出ていて、デビュー曲「
Showing Out」のB面「
System」に、ハウス・ミックスという名称を早くも使用しています。
そんなことはさておき、’87年に入って「
Respectable」をリリースして全英No.1、続けて本作『
F.L.M.』で3位、そしてアルバムからタイトル曲である「
F L m 」がカットされ全英7位という風に、イギリスでは大ヒットと呼ぶに相応しい成功を収めました。余談ですが、アルバムが出た当時、「
From A Whisper To A Scream」という曲を発見し、ハイエナジー・ファンとして、ボビー・Oのカバーかなと期待し、同名異曲だったのでガッカリというか、肩すかしをくらったのを記憶しています。どうでもいいというか、細かすぎて伝わりませんよね。話を戻しましょう。他にアメリカでは「
I’m The One Who Really Loves You」もカットされていて、のちの
C&C ミュージック・ファクトリーがリミックスを手掛けていました。
本作を発表したあと、’88年に「That's The Way It Is」をリリースして全英トップ10ヒットとなるんですが、この曲を最後に、メル&キムとしての新曲は二度とリリースされることがありませんでした。本当に残念でなりません。
追記。フェリー・エイドというチャリティー・プロジェクトがリリースした「Let It Be」に、ホリー・ジョンソン(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド)、
ボーイ・ジョージ、
バナナラマ、リック・アストリー(敢えてロック以外の人の名を連ねました)らと姉妹で参加しています。