毎年3月に、世界中からレーベルやDJらの音楽関係者が集い、マイアミにてダンス・ミュージックの祭典『WMC』というものが開催されています。ここで注目を浴びたものが、その年のイビサ・ヒット、ならびに動向を左右する重大なイベントだったんですが、ここ数年、特に9・11のテロ以降、敢えてマイアミまで行かず、インターネットを使用して世界中の人々とコンタクトが可能になったこともあり、『WMC』自体が衰退し、目に見えたヒット傾向というものが見えにくくなっていました。そんな中で、’04年に誰もが口を揃えて取り上げた楽曲がありました。それが今回取り上げる
ザ・シェイプシフターズの「
Lola's Theme」です。
ザ・シェイプシフターズは、サイモン・マーリンとマックス・ライクから成り、ディスコ系の素材を生かしたハウスを主体とするコンビで、特にマックスの方は、これまでにもフューズド、グライダー、最近ではカール・ライデンと組んだポーカー・ペッツもヒットさせているヒット・クリエイターでもあります。今回はその
ザ・シェイプシフターズのデビュー・アルバムである『
Sound Advice』をピックアップします。そのまま英語表記したのは訳があり、実は日本でのリリースが見送られ、国内盤としてはリリースされていないのです。まぁ、そんなことは置いておいて内容を。
シングルとしては、’04年全英No.1に輝いた「Lola's Theme」を筆頭に、’05年に全英トップ10ヒットとなった「
Back To Basics」、’06年に入ってからは「
Incredible」に、シックをサンプリングした「
Sensitivity」をリリースしています。シングルに顕著ですが、ストリングスを全編に配したディスコ・エラな雰囲気を再現しながらも、今風のチューンに仕立て上げているので、年配の人も安心なダンス・ミュージックと言えるでしょう。余談ですが、「Lola's Theme」のローラとは、サイモンの奥さんの名前です(笑)。
耳慣れたアッパーなヒット・チューンもいいんですが、個人的にプッシュしたいのは、「
Over Me」「
Beautiful Heartache」「
Instead Of Falling」の3曲で聴けるダウンテンポなスタイルです。古い表現ですが、ちょっぴり胸キュンなメロディがグッときます。実は、この夏、特にお気に入りのチルアウト・ナンバーだったりします。
さて、今回のアルバムはEMI系のダンス・レーベル、POSITIVAからリリースされていますが、大元は、彼らが運営するNOCTURNAL GROOVEというレーベルになります。今回のアルバムが気に入った方は、レーベルの方にも目を向けてみたりしてみてはいかがでしょうか。