今回は“南国音楽”にスポットを当ててみました。特に“南国音楽”というジャンルがあるわけではないのですが、夏に聴きたいリゾート・ミュージックとして“南国音楽”をひとつのキーワードに、トロピカルな音楽、異国情緒のある音楽を紹介していきたいと思います。
“南国音楽”というイメージからは、やはりカリブ海系のレゲエやカリプソ、プエルトリコのサルサ、キューバ音楽、トリニタード・トバゴのスティール・パン、マルチニーク諸島のフレンチ・カリビアン系の音楽などが頭に浮かびます。日本でも80年代にズークが流行り、カッサヴやマラヴォア、カリなどが南国情緒を醸しながら踊れる音楽として人気がありました。ラテン音楽に共通する情熱的なパーカッションや独特のシンコペーションするリズムは、先住民(もしくは植民したスペイン人、ポルトガル人)たちの音楽と、奴隷として連れてこられたアフリカ人の音楽が融合された、民族の交わりの歴史でもあります。
カリブ海とは海を隔てたハワイの音楽も、日本には馴染み深いものがあります。カリブ海のノリノリの音楽と比べると、ゆる〜いバイブレーションが特徴で、スティール・ギターやウクレレの音ものんびりとして気持ちがいい。どちらの音楽もアクアブルーの海と真っ白な砂浜、ぬけるように広がる空を連想させます。
ここでは、南国音楽を系統だててアカデミックに紹介するわけではありませんが、ロック/ポップスで南国的雰囲気をもつものや、ニューオーリンズやメキシコ風音楽、ラテン・ロックからジャム・バンド系の音楽まで幅広く紹介しています。どちらかと言うとポップスファン向けに、こんなリゾート・ミュージックで気分をリフレッシュしてはいかがでしょう、というご提案です。ちょっぴりモンドな異国情緒もあわせて楽しめば、自分だけの“音楽の楽園”が生まれるはずです。
(Text/遠藤哲夫)