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総合TOP > 連載 > ジャンル虎の穴 > Vol.30 プログレッシヴ・ロック特集

ジャンル虎の穴/さまざまなジャンルがはびこる洋楽の世界。このジャンルってどんな音楽?「ジャンル虎の穴」は、毎回ひとつのジャンルをセレクトして、そのジャンルの成り立や、代表アーティストからマニアックな裏名盤までを紹介するコーナー。これであなたも音楽通に!
Vol.30 プログレッシヴ・ロック特集
めくるめくプログレの世界へようこそ!
意識の拡大と超絶テクニックによる表現の彼岸への旅。
ピンク・フロイドからノイ!まで、美と狂気の迷宮へとご案内!!
代表アーティストおすすめアーティスト[イギリス]おすすめアーティスト[ドイツ/イタリア]

日本では、ピンク・フロイドイエス、キング・クリムゾンが“プログレ3大バンド”と呼ばれ、そこにエマーソン・レイク&パーマージェネシスが加わり“プログレ5大バンド”となるのが一般的だ。日本ではじめて“プログレッシヴ・ロック”という言葉が使われたのは、ピンク・フロイドの『原子心母』(70年)である。

プログレッシヴ・ロックを狭義に定義づけるとしたら、「60年代終わりから70年代にかけてイギリスに現れた、ジャズやクラシックからの影響を取り入れた芸術性の高いロック」ということになるだろうか?「progressive」という言葉自体は、「進歩的」「先進的」といった意味で、アルバム全体のコンセプト重視や高い演奏技術、複雑な曲構成などの共通項を持ったグループがプログレッシヴ・ロックと呼ばれることが多い。

プログレッシヴ・ロックはキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』(69年)に始まったとする説もあるが、トータル・アルバム(コンセプト・アルバム)としての原型はビートルズの『サージェント・ペパーズ〜』(67年)やムーディー・ブルース『デイズ・オブ・フューチャー・パスト』(67年)にすでに見られるし、ムーブメントとしてはサイケデリック・ロックやビート文学の流れから生まれてきたピンク・フロイド、ソフト・マシーンあたりが最も古いグループといえるだろう。

いわゆる王道プログレの他に、ソフト・マシーンやキャラヴァンなどのカンタベリー系や、カンやノイ!タンジェリン・ドリームなどのジャーマン・プログレ(クラウト・ロック)、PFMやアレアなどのイタリアン・プログレなどが大きなサークルを形成しており、その周辺のマグマやフォーカス、アフロディテス・チャイルドなどユーロ諸国のプログレ、アメリカン・ハード・プログレなども含めて、プログレッシヴ・ロックは音楽表現の可能性を追求してきた。

80年代以降、ジャンルとしての「プログレ」は、音楽の商業化やパンク・ロックの出現などで次第に形骸化していく。ピンク・フロイド『ザ・ウォール』(79年)で、プログレッシヴ・ロックは終わったとする人も多い。だが、クラフトワークやカンなどのクラウト・ロックがニュー・ウェイヴ以降の音楽シーン、現在のテクノ/ハウスにも大きな影響力を持っていることや、ヘンリー・カウやディス・ヒートの流れを汲む人脈が音響派(ポスト・ロック)に与えた影響など、新たな革新性を持ってプログレッシヴ・ロックは時代の先を見据えている。

(Text/遠藤哲夫)

代表アーティスト

ピンク・フロイド

『狂気(Dark Side Of The Moon)』

[ジャケット画像]

Album

1973年 Release

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おすすめトラック

タイム 試聴
狂人は心に 試聴
原子心母 試聴
エコーズ 試聴
狂ったダイアモンド 試聴

ビルボードチャートに15年以上に渡って居座り続けた、プログレッシヴ・ロック史上最も売れたアルバム。“日常に潜む狂気”をテーマにしながら、非常にわかりやすい構成で、優れたSF映画を見るようにその世界に引き込まれる。シド・バレットの呪縛から解放された『炎〜あなたがここにいてほしい』リリース後は、徐々に重苦しさを増し、「壁」の中でもがいていた印象も強い。

[ジャケット画像]

『The Wall』

1979年 Release

[ジャケット画像]

『Atom Heart Mother』

1970年 Release

イエス

『危機(Close To The Edge)』

[ジャケット画像]

Album

1972年 Release

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おすすめトラック

危機 試聴
同志 試聴
シベリアン・カートゥル 試聴
ラウンドアバウト 試聴
スーン(シングル・エディット) 試聴

シンフォニックで緻密なサウンド、変拍子でも一糸乱れぬアンサンブル、ジョン・アンダーソンの透明感に満ちたボーカル、その独自の音楽世界の頂点に位置するのが『危機』である。モザイク状に組み合わされた大作「危機」「同志」の荘厳さ、牧歌的な響きは、どこを取っても一音の無駄もない。イエスはその後、激しいメンバーチェンジを繰り返しながらも第一線で活躍する。

[ジャケット画像]

『Yessongs』

1973年 Release

[ジャケット画像]

『Ultimate Yes: 35th Anniversay Collection』

2004年 Release

エマーソン、レイク&パーマー

『恐怖の頭脳改革』

[ジャケット画像]

Album

1973年 Release

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おすすめトラック

聖地エルサレム 試聴
トッカータ 試聴
キエフの大門 試聴
ラッキー・マン 試聴
永遠の謎 パート1 試聴

ムソルグスキーの作品をアレンジした『展覧会の絵』で世界的な人気を掴むが、EL&Pの最高傑作となると2作目の『タルカス』か5作目の『恐怖の頭脳改革』を挙げる人が多い。キース・エマーソンの凶暴性が渦を巻くような「悪の教典#9」は30分にも及ぶ組曲で、力技を交えながらも圧倒的な展開を見せる。グレッグ・レイクの幻想的なボーカルを堪能するなら『トリロジー』がおすすめ。

[ジャケット画像]

『タルカス』

1971年 Release

[ジャケット画像]

『展覧会の絵』

1972年 Release

ジェネシス

『フォックストロット』

[ジャケット画像]

Album

1972年 Release

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おすすめトラック

Supper's Ready 試聴
Watcher Of The Skies 試聴
The Cinema Show 試聴
The Lamb Lies Down On Broadway 試聴
Afterglow (Live) 試聴

ピーター・ガブリエルを中心に67年に結成。フィル・コリンズとスティーヴ・ハケットが新たに加わった『怪奇骨董音楽箱』(71年)で、彼等のシュールでオカルティック、シアトリカルな音楽路線が確立され、この『フォックストロット』では更に演奏力がアップし、23分の大作「サパーズ・レディ」で迷宮のような世界を構築した。ガブリエル脱退後はポップ・バンドへと変貌。

[ジャケット画像]

『Seconds Out』

1977年 Release

[ジャケット画像]

『Turn It On Again - The Hits』

2007年 Release

ルネッサンス

『Novella』

[ジャケット画像]

Album

1977年 Release

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おすすめトラック

Can You Hear Me 試聴
The Sisters 試聴
Midas Man 試聴
Mother Russia 試聴
Island 試聴

ヤードバーズ解散後にキース・レルフが結成したバンドが第1期ルネッサンス。新たなメンバーで72年に再出発した第2期ルネッサンスは、アーニー・ハズラムのトラッドの香りのするボーカルとドラマティックなサウンドで人気を掴む。『燃ゆる灰』や『シェラザード』と並ぶ傑作がこの『お伽噺(Novella)』で、叙情的なメロディに感極まる「The Sisters」をはじめ名曲多し。

[ジャケット画像]

『Turn Of The Cards』

1974年 Release

[ジャケット画像]

『Renaissance』

1969年 Release

おすすめアーティスト[イギリス]

[ジャケット画像]

キャラヴァン

『グレイとピンクの地』

1971年 Release

カンタベリー派の源流であるワイルド・フラワーズから生まれたのがソフト・マシーンとキャラヴァン。デイヴ・シンクレアのオルガンの響きと、淡いボーカルが白日夢のようなまどろみの世界へ誘う。ポップさとジャズ・ロック風アプローチが見事な調和を見せた最高傑作。

おすすめトラック

Nine Feet Underground試聴
Winter Wine試聴

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キャメル

『A Live Record』

1978年 Release

アンディ・ラティマー(g,vo)とピーター・バーデンス(key)を中心に、憂いのあるリリカルな作風で人気を集めたキャメル。小説を題材にした『スノー・グース』が代表作とされるが、「Lady Fantasy」と「Never Let Go」は是非聴いてほしい名曲なので、このライブ盤を。

おすすめトラック

Lady Fantasy 試聴
Never Let Go 試聴

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ムーディー・ブルース

『Days Of Future Passed』

1967年 Release

早くからメロトロンを導入し、アルバム・コンセプトや幻想的なジャケットからプログレッシヴ・ロックの範疇に入るが、本質的にはメロディアスなポップ・バンドであろう。本作は“プログレ”以前の67年に制作されたクラシカル・ロックの名作で、「サテンの夜」は永遠の名曲。

おすすめトラック

Nights In White Satin試聴
Dawn: Dawn Is A Feeling試聴

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カーヴド・エア

『Air Conditioning』

1970年 Release

ヴァイオリン奏者のダリル・ウェイを擁し、ロックとクラシックの由緒正しき融合を試みたカーヴド・エア。ソーニャ・クリスティーナの美声の中に漂う妖艶さもどこか謎めいて、英国的な気品の高さに神秘的な要素を加えていた。このデビュー作には初期の名曲「Vivaldi」を収録。

おすすめトラック

Vivaldi 試聴
It Happened Today 試聴

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ジェスロ・タル

『Aqualung Live』

2005年 Release

フルート奏者のイアン・アンダーソンの強烈な個性と、コンセプチュアルなアルバム作りに見られる演劇性などで、どこか難解なイメージもあるジェスロ・タル。一時休業時期もあるがほぼ現役で活動し、本作は71年の名盤『アクアラング』を再現したチャリティ・ライブ盤で、演奏は完璧。

おすすめトラック

Crosseyed Mary (Live) 試聴
Wond'ring Aloud (Live) 試聴

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ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイター

『1st Generation』

1989年 Release

ピーター・ハミルを中心に結成されたアート系プログレッシヴ・ロック・バンド。哲学的な歌詞とドラマティックなボーカルで圧倒的な存在感を示した。本作は初期の3作(ファーストを除く)からの編集盤で、黄金期の名曲が詰まっている。ナルシスの塊のようなハミルは後にソロ活動へ向かう。

おすすめトラック

Killer 試聴
Refugees 試聴

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ハットフィールド&ザ・ノース

『Hatfield & The North』

1974年 Release

元キャラヴァンのリチャード・シンクレア、元マッチング・モウルのフィル・ミラー、そしデイヴ・スチュワート、フィル・ミラーというカンタベリー最高のミュージシャンによるスーパーバンド。出来ればセカンドの『ロッタース・クラブ』を聴きたいが、このファーストの緻密さも捨て難い。

おすすめトラック

Calyx 試聴
Shaving Is Boring 試聴

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ブランドX

『Unorthdox Behaviour』

1976年 Release

フィル・コリンズがジェネシスのサイド・プロジェクトとして立ち上げたジャズ・ロック・バンド。アメリカのフュージョンへの回答とも取れるが、イージーリスニング的な部分よりも、ロック色を打ち出した超絶テクに痺れまくり。パーシー・ジョーンズのフレットレス・ベースが凄い。

おすすめトラック

Nuclear Burn 試聴
Running On Three 試聴

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ジェントル・ジャイアント

『Gentle Giant』

1970年 Release

英国プログレの中でも異端的なイメージがあるジェントル・ジャイアント。超絶テクニックを誇りながらも、カンタベリー系とも違うミクスチャー感覚があり、後にアメリカで受けたのも頷ける。本作は彼等のデビュー作で、すでに変幻自在なサウンドを展開。7作目『フリー・ハンド』あたりが最高作か?

おすすめトラック

Giant 試聴
Alucard 試聴

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フリップ&イーノ

『The Essential Fripp And Eno』

1994年 Release

キング・クリムゾンの総帥、ロバート・フリップがイーノとコラボレイトした『ノー・プッシーフッテイング』(73年)に続く2作目が『イヴニング・スター』。本作はその2枚のアルバムからのセレクト(1作目はまるまる収録)に未発表曲「Healthy Colours」を加えたもの。アンビエント・ファンは必聴!

おすすめトラック

Evening Star 試聴
Wind On Water (Live) 試聴