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総合TOP > 連載 > ジャンル虎の穴 > Vol.35 mods特集

Featured Artist : mods

加藤ひさし(ザ・コレクターズ)が語る、これが“俺モッズ”! モッズ・カバー・アルバム『Biff Bang Pow』からモッズの魅力を探る。


50年代後半から60年代にイギリス・ロンドンで大流行したモッズ・ムーブメント。そのモッズやネオ・モッズに大きな影響を受けてバンドを始めたザ・コレクターズ。今回は、ザ・コレクターズのリーダーである加藤ひさし氏に、画期的モッズ・カバー・アルバム『BIFF BANG POW』のことや、主要モッズ・バンドやブリティッシュ・ビート・バンドについてお話を伺うことができた。


◇モッズとは?

1958年くらいからモッズが生まれてくるって言われてるんですけど、ModsってModern Jazzの“Modern”が短くなったっていう説があって、その頃はまだカルトな音楽だったモダン・ジャズを最初に聴きあさったからモッズだって。50年代のモッズってポップスではなくて、ジャズを聴いてたことになるんですよ。その後、時代とともに、例えばビートルズが出てきたりするとポップ・バンドも聴くようになって、それの最終形がザ・フーだったりスモール・フェイセズだったり、ブリティッシュのロック・バンドになるんですね。
だから、50年代のジャズを聴いてたモッズと60年代のロックを聴いてたモッズでは、同じモッズでも全然違う。いろんなモッズがいる中で、僕の好きなモッズのスタイルがこれなんだよね。

◇『BIFF BANG POW』というアルバムについて

例えば他の連中、それがオルガン中心のバンドだったら、ジョージ・フェイムとかが入ってくるだろうけどね。コレクターズの場合はギター・バンドだから、ザ・フーだったり、スモール・フェイセズだったり、スウィンギング・ロンドン時代の頃のモッズが一番好きなのね。あとは、ザ・ジャム以降のネオ・モッズといわれる連中の中から出てきた、1979年から1982年くらいまでのロンドンのアンダーグラウンドなネオ・モッズ・バンド。これがリアル・タイムだったんで、影響を受けた連中をピック・アップしたんです。
そこに、自分がやってたザ・バイクっていう陽の目を見なかったモッズ・バンドの曲を入れてみたり、マジェスティック・フォーっていう、これはコレクターズの変名バンドなんですけど、英語詞で歌ってるので、これはものすごいネオ・モッズを意識した作りなんですよ、「プラグ・ミー・イン」っていう歌はね。そういう、自分達もモッズだったっていうのを照らし合わせてモッズ・カバーにしたんですけど。ギター・モッズ・バンドっていうのか、そういうのを中心に選んでみました。

◇日本でモッズ・バンドっていうとスモール・フェイセズやザ・フーがすぐに名前が出てきますが・・・、クリエイションやアクションも多少は知られてるかと思うんですが、シークレット・アフェアとかメイキン・タイムとかムード・シックスとかはほとんど知られていないですよね?

この辺のバンドは、ネオ・モッズ・バンドで、自分が20歳くらいの時に一番アンテナ張ってる頃だったから、当時のロンドンでもほとんど知られていないモッズ・バンドばっかり聴いてた。その中で一番いい曲をベスト・チョイスしたつもりなんですよ。これは60年代のモッズとネオ・モッズがごちゃ混ぜになった“俺モッズ”なんです。

◇苦労した点は?

苦労したところは一点だけ。カバーって許諾をとらないといけないんですよ、歌詞を変えるのに。日本語に訳して歌っているので、その訳した日本語をまた英語に直して確認してもらわないといけないんですよ。本人OKじゃないとダメなところもあるから、マスタリングの日までに間に合うかどうか・・・。ポール・ウェラーが遅かったんです(笑)。「プリティ・グリーン」はもう外そうとか、2、3曲返事がこなかったんだよね、何ヶ月待っても。
日本にサブ・パブリッシャーがあるところは、こっちでOKになるところもあるし、向こうまでいってOKになることもあるし、その先の本人までいってOKになることもあるし、ケース・バイ・ケースだから、それがドキドキしちゃってね。それを待っててレコーディングしてたら、1年2年すぐにたっちゃうのよ。だから見切りで作ってね・・・、これはほんと、心臓に悪かったね(笑)。普通の英語カバーだったら申請すればそれでやれるんだけどね。

■Mods関連アルバム(ブリティシュ・ビート〜モッズ/スウィンギング・ロンドン)*コメントは加藤ひさし氏(ザ・コレクターズ) アルバムとおすすめトラックは編集部で選んだものです

 

 [ジャケット画像]

Small Faces
『Colour Collection』
2007

モッズの中から生まれたモッズ・バンドといわれ、メンバー全員がモッズ。ソウルフルな歌声を聴かせた、僕が一番好きなバンドかな。スティーヴ・マリオットの白人離れしたソウルフルな歌声は、自分にはできないから、憧れて憧れて・・・、今でも憧れてますね。彼のソロ来日公演が予定されてたんですけど、その数週間前に火事で亡くなってしまって、それが悔しくてならないです。

おすすめトラック

Sha La La La Lee試聴
My Mind's Eye試聴

アーティスト詳細

僕にモッズを教えてくれたお父さんであり、神様であり、いまだに僕の中でのNo.1バンド。モッズの域をこえて、ロック・バンドの中のロック・バンド。フーのライブはロンドンで何回も見ましたし、ジョン・エントウィッスルが生きている頃のライブも見れて、ほんとに良かったなと思いますね。フー以上にロックするバンドはいないと思いますね。これから先も出てこないと思うし・・・。

おすすめトラック

I Can't Explain 試聴
Pictures Of Lily 試聴

アーティスト詳細

 
 

もう大好き。マンフレッド・マンはポール・ジョーンズの歌もいいし、次に入ったマイク・ダボのボーカル・スタイルも好きだったんだけど、インストでやってる『ソウル・オブ・ア・マン』というアルバムがあって、これが最高にジャジーで、ロックとジャズのちょうど真ん中をいく感じで、もの凄くモッズ・フィーリング溢れるアルバムで、よく聴きました。

おすすめトラック

5-4-3-2-1試聴
Sha La La 試聴

アーティスト詳細

 [ジャケット画像]

Georgie Fame
『20 Beat Classics』
1980

ジョージー・フェイムはロンドンで見たことがあるんですよ。90年代頭くらいの話なんですけど、一番前の席で眠っちゃって・・・、ビール飲んでたんですけど、グラス落として割っちゃって(笑)。「ロニー・スコッツ」っていうジャズ・バーで。こういう、ジャズ・モッドって好きなんだけど自分でやる感じじゃないって気はするね、単純に憧れるし、カッコいいとは思うけど・・・。

おすすめトラック

Yeh Yeh 試聴
Green Onions試聴

アーティスト詳細

 
 

スティーヴ・ウィンウッドの声がすごい好きでね。彼がスペンサー・デイヴィス・グループを抜けて作るトラフィックはもっと好きだったんですよね。サイケなのにソウルフルな歌声っていうのが、妙にミスマッチで良かったんだよね。

おすすめトラック

I'm A Man 試聴
Gimme Some Lovin’試聴

アーティスト詳細

 [ジャケット画像]

Rolling Stones
『Got Live If You Want It!』
1966

これは微妙だね(笑)。ストーンズはモッズじゃないしね。でも、ストーンズのライブ見に行った時に、誰もかなわないと思ったね。「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」のイントロが始まった瞬間に、もうダメだと思って・・・。俺が語るような人じゃないよね(笑)。

おすすめトラック

Get Off Of My Cloud試聴
(I Can't Get No) Satisfaction 試聴

アーティスト詳細

 
 

 [ジャケット画像]

The Hollies
『Butterfly』
1967

ホリーズはすごく好きです。『エヴォルーション』も好きですけど、サイケデリックの時期の『バタフライ』っていうアルバムが大好きで、ホリーズは元々演奏もうまいし、ソングライティングもビートルズと並ぶくらいいいなと思ってて。僕の中では、ホリーズとゾンビーズとキンクスと・・・、その辺がほんとにいい曲を書くバンドですね。ただ、ビートルズみたいなスター性に欠けるので、あそこまではいかなかったのかなと。

おすすめトラック

Dear Eloise 試聴
Maker試聴

アーティスト詳細

 [ジャケット画像]

The Idle Race
『Back To The Story』 2007

これはちょっとマニアックだな(笑)。60年代の重箱の隅を突っつく感じだよね。後にELOになっていくことを踏まえて聴いていくと、この頃からジェフ・リン・ワールドが出来上がっていたというのがよくわかって、ポール・マッカートニーに憧れていたんだということも、ものすごく感じられる。メロディ・メイカーであるのは確かなんだけど、ビートルズに代表される“ガッツ”がないっていうか、その辺にもの足りなさを感じる。

おすすめトラック

The Birthday 試聴
End Of The Road 試聴

アーティスト詳細

 
 

ピンク・フロイドは最高だね、特にファースト。シド・バレットのいる頃のピンク・フロイドは別格に好きだね。本人もドラッグ体験を通していろんな曲を書いたっていってるけど、自分では見れない世界を見せてくれるような、そこの橋渡しをしてくれるような、売人のようなバンドだね(笑)。ちょっと夢中になりすぎて、ヤバい時もあったくらい好き。

おすすめトラック

Astronomy Domine 試聴
Bike試聴

アーティスト詳細

 [ジャケット画像]

Tomorrow
『Tomorrow』
1968

こんなのもあるの!トゥモローは実は好きなんですよ。イエスのスティーヴ・ハウが在籍していたバンドで。僕は、ボーカルのキース・ウェストの甘い歌声とスティーヴ・ハウのギターが大好きでね。ピンク・フロイドと並ぶくらい、ブリティッシュ・サイケの中では最高に好きなバンドの一つですね。これは誰にも教えたくないバンドだったな(笑)。

おすすめトラック

My White Bicycle 試聴
Hallucinations 試聴

アーティスト詳細

 
 

アニマルズは田舎モンの集団だよね(笑)。実は、あんまり好きじゃないんだよね、野暮ったい、スタイリッシュじゃないんだよね、自分の中で。泥臭さもなんかソウルフルじゃなくて、イモっぽいんだよ、あの感じは・・・。

おすすめトラック

The House Of The Rising Sun試聴
It's My Life 試聴

アーティスト詳細

 [ジャケット画像]

Them(Van Morrison)
『At The Movies - Soundtrack Hits』
2007

同じく田舎っぽいバンドでゼム。ヴァン・モリソンの声はすごい好きで、「グロリア」とかよく聴いたけど。そんなにのめり込む感じじゃなかったな。ミック・ジャガーに似てると思ったね、最初に聴いたときは。渋いバンドだよね。

おすすめトラック

Gloria 試聴
Baby Please Don't Go 試聴

アーティスト詳細

 
 

これは笑えるよね(笑)。これは、ロック界の青空球児・好児だよね。「ワイルド・シング」とか、全然ワイルドじゃないんだけどね・・・。ビートルズが出てきて4人組のロック・バンドだったら何でも売れるんだろうって、無理やりデビューさせられたような・・・、その辺がなんとも憎めないんだよ(笑)。歌詞もかなりエゲつなくて、放送禁止になった曲もたくさんあるんだけど、永遠のC級バンドだね(笑)。

おすすめトラック

Wild Thing 試聴
I Can't Control Myself試聴

アーティスト詳細

苦手なんです。嫉妬入ってるんですけど(笑)。デヴィッド・ボウイが好きだっていう女性が嫌いでね・・・、自分を棚に上げてボウイはボウイは、って必ず言うんですよ(笑)。そういう連中が、俺の時代は多かった。ボウイに罪はないんだけどね。モッズだった時期のボウイは面白い部分もあるんだけど、ボウイが本当の意味でのボウイになるのは『スペイス・オディティ』からだからね。

おすすめトラック

The London Boys 試聴
Love You Till Tuesday試聴

アーティスト詳細

 
 

モッズのアイドルですね。裸足で歌って、可愛いスレンダーな女の子。またね、適度にブスだって感じがイギリス人っぽくていいんだよね。ヘアースタイルもボブ・カットですごく可愛い。ネオ・モッズが流行った時に、女の子はみんなサンディ・ショーの髪型を真似してましたから。

おすすめトラック

Always Something There To Remind Me試聴
Long Live Love 試聴

アーティスト詳細

ルルは歌声が最高だね、パンチが効いてる。現代でいえば、ルックスまあまあ、歌声最高っていうことで宇多田ヒカルみたいなもんですかね。現代でいえばね・・・。ルルの歌声は、最高にパンチが効いてて大好きです。

おすすめトラック

The Boat That I Row試聴
Boy 試聴

アーティスト詳細

 

コンピレーション盤

 

 [ジャケット画像]

Various Artist
『The Mod Scene』
1998

英デッカ音源によるモッズ・コンピ。日本では「Make Her Mine」がリーバイスCMに使われ、国内盤も出た。エーメン・コーナーやグレアム・グールドマンなどの有名どころから、後にプログレ・バンドのビッグ・スリープに発展するアイズ・オブ・ブルーや、マイク・パトゥがいたタイムボックスなどのレアものまでぎっしり。(編)

おすすめトラック

Make Her Mine/ Hipster Image 試聴
Expressway To Your Heart/ Amen Corner 試聴
Supermarket Full Of Cans/ Eyes Of Blue 試聴

 [ジャケット画像]

Various Artist
『The R&B Scene』
1998

“R&B”となっているが、ロン・ウッドがいたバーズから、ボウイに改名前のデイヴィ・ジョーンズの「Louie Louie Go Home」、トゥインク在籍のフェアリーズ、モッズだった頃のロッド・スチュワートの「Good Morning Little Schoolgirl」まで幅広い。グレアム・ボンド、ズート・マネーあたりも必聴のテイク。(編)

おすすめトラック

Anytime At All/ Fairies試聴
Long Tall Shorty/ Graham Bond Organisation 試聴
Oh Mom (Teach Me How To Uncle Willie) / Zoot Money試聴
 
 

 [ジャケット画像]

Various Artist
『The Freakbeat Scene』
1998

ガレージっぽいワイルドなサウンドを中心にしたナイス・コンピ。モンキーズのヒット曲をファズギターでサイケに決めるフライズ、クリエイションの前身でもあるマーク・フォー、デイヴ・デイヴィスが曲を書いたシェル・ネイラーの「One Fine Day」の他、マーク・ボランの「The Third Degree」などなど、聴き所満載。(編)

おすすめトラック

No Good Without You Baby/ The Birds 試聴
I'm Leaving/ Mark Four 試聴
I'm Not Your Stepping Stone/ Flies 試聴

 [ジャケット画像]

Various Artist
『The Psychedelic Scene』
1998

『The Freakbeat Scene』にもチョイスされていたシン(イエスのクリス・スクワイア在籍)やアタック(アンドロメダの前身)といったバンドが強烈。本場アメリカのフラワー・ムーブメントの影響もあるんでしょうが、どこかイギリスっぽい。スコットランド出身のポエッツのストレンジ感覚など、フリーキーだけどポップ。(編)

おすすめトラック

14 Hour Technicolour Dream/ Syn試聴