74年にギル・エヴァンス・オーケストラに加入して注目を浴び、75年にソロ・デビューしたデヴィッド・サンボーン。そのアルト・サックスはファンキーでエモーショナル、かつソウルフルな“泣き”のフレーズが特徴。79年の『ハイダウェイ』でマーカス・ミラー(b)と共演して以来、二人のコラボレーションは数々の名作を生んだ。通算18作目となる『インサイド』にはスティングがボーカルをとる「Ain't No Sunshine」(ビル・ウィザースのカバー)や3度目の吹き込みになる名バラード「Lisa」を収録。
“クロスオーヴァー”のレーベルだったCTIで『ミスター・マジック』をヒットさせていたグローヴァー・ワシントンJr.。80年のフュージョン・ボーカルの決定的名曲「Just The Two Of Us」でグラミー賞最優秀R&Bソングを受賞し、「クリスタルの恋人達」という邦題共々、懐かしさがこみ上げる定番アイテムである。ジャケットのように、アダルトなBGMとしてワインを傾けるには最高だ。バックはスタッフのR・ティー、S・ガッド、E・ゲイルに若き日のマーカス・ミラー。演奏だけでも十分に歌っている。
Mr.335ことラリー・カールトン。ロック・ファンを一気にフュージョンへと向かわせたのがカールトンのギターだった。クルセイダーズやスティーリー・ダン(ゲスト参加)を経て発表した『夜の彷徨』(78年)こそ必殺の名盤であるが、約20年を経た本作でも、そのベルベットのようになめらかなロングトーンのギター・フレーズは変わらず。イーグルスのヒット「I Can't Tell You Why」や自作「Closer To Home」でのメロウな余韻に浸っていただきたい。フォープレイのギタリストとしても活躍中。
ウェス・モンゴメリーの後継者でもあったジャズ・ギタリスト、ジョージ・ベンソンがトミー・リピューマのプロデュースによるソフト&メロウの大傑作『ブリージン』を発表したのが76年。このアルバムがフュージョン・ブームを作ったといっても過言ではない。カーペンターズのヒット曲としても知られる「This Masqerade」でのボーカルの味わいや、ギターとのユニゾン・スキャットが武器。ディスコを意識した「Give Me The Night」もヒットさせスター街道を歩む。「Greatest Love Of All」のオリジナルもこの人!
ジャズ・ギタリストとして天才的なテクニックと、独創的な作曲能力でジャンルの壁を越えて1つの宇宙を形作っている。パット・メセニー・グループを結成以来、『オフ・ランプ』『アメリカン・ガレージ』をはじめ、ブラジル音楽の要素も取り込んだ『スティル・ライフ』『レター・フロム・ホーム』など数知れない名作を残す。本作はトリオによる、スリリングかつアヴァンギャルドな展開に圧倒される2枚組ライブ。コルトレーンの「Giant Steps」や「All The Things You Are」がメセニーの手にかかるとこうなります。
90年代のスタッフともいうべきスーパー・グループが、ボブ・ジェームス(key)、ハーヴィ・メイソン(ds)、ネーザン・イースト(b)、リー・リトナー(g)の超多忙なミュージシャンによるフォープレイだ。NHKラジオ番組のテーマ曲「101 Eastbound」やマービン・ゲイのカバー「Aftre The Dance」(エル・デバージがボーカル)など、シルキー・タッチの親しみやすい曲が並ぶ。個のぶつかり合いではないアンサンブル重視のスムース・ジャズであり、フュージョンの1級品。本作は初期3作からのベスト盤。