夏の風物詩ともなった野外フェスティバル。フジロックのフィールド・オブ・ヘヴンや朝霧高原ジャムなどで、どんどん若いファン層を掴みながら大きなシーンを作りあげているのがジャム・バンドである。
ジャム・バンドとは、文字通り解釈すると、ジャム(ジャムとは即興的な演奏)をするバンドのことで、ライブにおいて即興演奏を主体にするロック・バンドから、イメージが広がっていった音楽ジャンル(バンド)と捉えることができる。今や、ジャム・バンド・シーンは、ロックだけでなく、ブルーグラスやジャズ/ファンク、ワールド・ミュージック、エレクトロニカなど、その音楽性はもはや一つのジャンルでは括れないほど多岐に渡っている。
ジャム・バンドという呼び方自体は、90年代初め頃から使われ出したものだが、その原型となるバンドには、60年代のヒッピー・ムーヴメントから出現したグレイトフル・デッドが、まず挙げられる。ジャズ的なイディオムも取り入れた長〜いインプロヴィゼーションを展開するサザン・ロックのオールマン・ブラザース・バンドも原型といえるだろう。スピリチュアルな部分も含め、デッドの後継バンドといえるのがフィッシュであったが、すでに解散。現在、その流れはストリング・チーズ・インシデントやmoe.、そしてオールマン一派であるデレク・トラックス・バンドやガヴァメント・ミュールなどが引き継いでいる。
一方、ジャズ系となるとクラブ・ミュージックの流れを汲んだUS3というバンドがブルーノートから出現。その後、ジャム・バンドの代表的な存在となるメデスキ・マーティン&ウッド、後を追ってソウライヴが出てきてジャズ系ジャム・バンドの王道となる。ファンク色が強いギャラクティカ、ニュー・マスターサウンズあたりにも注目。メイン・ストリームのジャズからジャム・バンド風展開を見せるのが、マイルスのバンドにいたジョン・スコフィールドや、パット・メセニーなど。
最近では、テクノ/トランス系のジャム・バンドも一大勢力を形作っており、さらにオーガニックな味わいを持つサーフ系ともいえるシム・レッドモンド・バンド、大御所ジャック・ジョンソンなども幅広いファン層を掴んでいる。
(Text/遠藤哲夫)