2006年公開の映画『フラガール』のヒットでにわかに注目を浴びた感もあるが、“フラダンス”は、いつの時代も定番的な人気を誇っていた。特におばさんたちの健康維持に一役買っている面もあり、“フラダンス教室”はますます盛況だという。
“フラダンス”がハワイの歴史や文化に深く結びついているように、ハワイの音楽そのものも、伝統的な部分に深く根ざしている。ハワイアンとは、ハワイの民謡のことだが、ハワイに住み着いたポリネシアの人々が故郷や神様のことを思って歌ったのが始まりとされる。ウクレレやスティール・ギターなどを取り入れた現代のスタイルへと変化しながら、トラディショナルの香りを残したアコースティックなものから、流行のビートを取り入れたポップなハワイアン・ミュージックまで幅広く親しまれている。
70年代にアメリカ西海岸系の音楽が好きだった方には、セシリオ&カポノやカラパナなどがお馴染みだと思うが、コンテンポラリーなハワイ音楽としては、ケアリイ・レイシェルやナレオ、テレサ・ブライト、イズラエル・カマカヴィヴォオレ(IZ)、HAPAをはじめたくさん日本でも紹介されている。特に、毎年来日もしているケアリイ・レイシェルは、トラディショナルなものからAOR風の曲までをブレンドした、ハワイを代表するアーティストといっていいだろう。
一方で、ハワイアンといえばウクレレ。“ウクレレの神様”オータサンをはじめ、その息子であるハーブ・オオタJr.やジェイク・シマブクロ、ピーター・ムーンなどが馴染み深い。スウィング・ジャズをウクレレで演奏するキヨシ小林などもウクレレの可能性を広げた一人といえる。ウクレレと共に、ハワイ音楽の醍醐味が味わえるのが、スラック・キー・ギター(チューニングをゆるめるギター奏法)だ。ちょっとした音楽通だったら、ギャビー・パヒヌイの名前はご存知だろう。ライ・クーダーのアルバムに参加したこともありロック・ファンにも知られる彼のプレイは、息子であるシリル・パヒヌイにしっかりと受け継がれている。
さらにハワイアンの特徴としては、そのリラクゼーション効果がある。大自然の中で、波の音や太陽の光を感じているようなゆったりとしたサウンドスケープ。オーガニックなヒーリング・ミュージックとしても一級品である。お好みのハワイアンを見つけて、つかの間の“人生の楽園”にひたるのも、忙しい毎日のなかで必要ですよね!?
(Text/遠藤哲夫)