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Vol.5 ブリティッシュ・ビート特集  ビートルズを生んだ、イギリスのリヴァプール。  ブリティッシュ・ビートはここから、世界を征服した!!
ビートルズのデビュー・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』(63年リリース)が全英No.1を30週間も独走し、64年4月にはアメリカで、ビートルズのシングル5曲がチャートの1位から5位までを独占する事態を引き起こした。これをきっかけに、当時はリヴァプール・サウンドと呼ばれた、マージー・ビート・ブームが巻き起こり、“ブリティッシュ・インヴェイジョン”(英国の侵略)という名のもとに、イギリスのグループがアメリカのヒット・チャートを征服する現象が起きた。この“ブリティッシュ・インヴェイジョン”は、遅ればせながらも、日本にも上陸し“グループ・サウンズ・ブーム”を生む。

“マージー・ビート”の由来は、リヴァプールの街を流れるマージー河からきているので、本来はリヴァプール出身のビート・グループを指すが、現在ではリヴァプール以外のグル−プも含め、広義でブリティッシュ・ビートの流れとして捉えることが多い。“ブリティッシュ・ビート”というと、キンクスやザ・フー、スモール・フェイセズなどを思い起こす人も多いだろうが、彼等はポスト・マージー・ビート的な役割を担ったモッズ系のバンドである。ここではビートルズの出身地、リヴァプールから生まれた、マージー・ビート系のブリティッシュ・ビート・グループにスポットを当てて紹介しよう。

マージー・ビートの音楽的な基盤は、リトル・リチャードやチャック・ベリー、エディ・コクランなどのアメリカのR&Bやロックンロールだが、50年代後半のスキッフル・ブームも若者を音楽に向かわせるきっかけとなった。生ギターやバンジョー、ウォッシュタブ・ベース、ウォッシュボードといったジャグ・バンドの編成で黒人音楽を主に演奏していたのがスキッフルで、ロニー・ドネガンの「ロック・アイランド・ライン」の大ヒットでブームとなった。ビートルズの前身、クォリーメンもスキッフル・バンドだったし、彼等がエレキ・ギターに持ち替えて、ビートの強い音楽をやり始めたのが、マージー・ビートの原型といえる。

当時、リヴァプール周辺には、セミプロも含め300以上のグループが活動していたらしいが、ビートルズがEMI/パーロフォンからデビューしてヒット曲を連発した64年頃になると、その数は1000を越していたというから、もの凄いブームだったことがわかる。その中から、ジェリー&ザ・ペイスメイカーズビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタスが、それぞれビートルズ所縁の曲でデビューする。どれもビートルズを世に送り出したブライアン・エプスタインがマネージメントしていたグループだった。

この後は、同じリヴァプールからは、サーチャーズやスウィンギング・ブルージーンズ、マージービーツ、フォーモスト、リンゴ・スターがいたロリ・ストーム&ザ・ハリケーンズなどが次々とデビュー。リヴァプールからマージー河を遡った上流にあるマンチェスターには、ホリーズフレディ&ザ・ドリーマーズハーマンズ・ハーミッツ、ウェイン・フォンタナ&ザ・マインドベンダーズ(10c.c.の前身)がいたし、都会のロンドンになると、よりブルース/R&Bの影響が強い、ローリング・ストーンズヤードバーズ、プリティ・シンングス、キンクス、マンフレッド・マン、ジョージー・フェイム、ゾンビーズ、そして日本でも爆発的に売れたデイヴ・クラーク・ファイブなどが活躍していた。他にも、ニューキャスルのアニマルズ、バーミンガムのスペンサー・デイヴィス・グループなども忘れられない人気グループだ。

マージー・ビート自体は、モッズの登場やサイケデリック・ロックの隆盛で“スウィンギング・ロンドン”の時代に突入し、65年頃にはブームの終焉を迎えるが、ビートルズと同時代を生きたマージー・ビート〜ブリティッシュ・ビートのインパクトは今でも色褪せることはない。
(Text/遠藤哲夫)
マージー・ビート〜ブリティッシュ・ビートおすすめ
The Hollies   『The Very Best Of The Hollies』 1999
ブリティッシュ・ビート系でも際立ってハーモニーが美しい。64年に「I'm Alive」が初の全英1位となり、「Bus Stop」は日本でもお馴染みのヒットに。初期の3枚はブリティッシュ・ビートを代表するアルバムで、サイケデリック色を強めた『エヴォルーション』も名盤。メンバーのグレアム・ナッシュは68年に脱退して、クロスビー、スティルス&ナッシュを結成する。その後のホリーズも「兄弟の誓い」や「安らぎの世界」等のヒットを放つ。
Bus Stop  >>試聴
  I Can't Let Go  >>試聴  
  Carrie Anne  >>試聴  
  Stop Stop Stop  >>試聴  
  I’M Alive  >>試聴  
Manfred Mann   『The Best Of The EMI Years』1993
グルーヴィーなオルガンの響きのヒップなサウンドで、最近のクラブ世代の若者にも人気が高いマンフレッド・マン。このモッド・ジャズ・スタイルは67年の『Soul Of Mann』で十分味わえるが、その前の「Do Wah Diddy Diddy」「5-4-3-2-1」「Pretty Flamingo」といったポップなヒット曲も最高。「If You Gotta Go, Go Now」はボブ・ディラン・ナンバーで、フォンタナ移籍後には同じくディラン・ナンバーの「Mighty Quinn」が大ヒットした。
Do Wah Diddy Diddy  >>試聴
  Pretty Flamingo  >>試聴  
  Sha La La  >>試聴  
  5-4-3-2-1  >>試聴  
  If You Gotta Go, Go Now  >>試聴  
Gerry & The Pacemakers   『THE EMI YEARS - THE BEST OF GERRY AND THE PACEMAKERS』2005
ビートルズも成し遂げられなかった、デビュー曲から3曲連続で全英1位獲得という記録を持つ。そのデビュー曲「How Do You Do It?(恋のテクニック)」はビートルズが録音までしながら発売を取りやめたものだった。自作の「Ferry Cross The Mersey(マージー河のフェリー・ボート)」はマージー・ビートの屈指の名曲とされる。でも、今やサッカー・チーム、リヴァプールFCのテーマ曲のような「You'll Never Walk Alone」が一番有名かも。
How Do You Do It?  >>試聴
  Ferry Cross The Mersey  >>試聴  
  You’ll Never Walk Alone  >>試聴  
  I Like It  >>試聴  
  Hello Little Girl  >>試聴  
The Animals   『The Best Of The Animals』2002
エリック・バードンの迫力あるソウルフルなボーカルで、日本でも圧倒的な人気を誇るアニマルズ。何といっても「The House Of The Rising Sun(朝日のあたる家)」だが、元々はアメリカの伝承歌でボブ・ディランがデビュー作で歌っていたもの。このアレンジが逆にディランに影響を与えたとも言われる。「Baby Let Me Take You Home」もディラン作。日本では尾藤イサオの熱唱で知られる「Don't Let Me Be Misunderstood(悲しき願い)」 もワイルド!
The House Of The Rising....  >>試聴
  Don’T Let Me Be Misun....  >>試聴  
  Baby Let Me Take You Home  >>試聴  
  It's My Life  >>試聴  
  I Believe To My Soul  >>試聴  
Spencer Davis Group   『he Best Of Spencer Davis Group Featuring Steve Winwood』1985
スティーヴ・ウィンウッドが、兄のマフと共に在籍していたことで有名な、このスペンサー・デイヴィス・グループ。結成当時、ウィンウッドはまだ16才だった。「Keep On Running」「Somebody Help Me」(共にジャマイカ人のジャッキー・エドワーズ作)が全英No.1に。「Gimme Some Lovin'」 はサム&デイヴやブルース・ブラザースもカヴァーしている超名曲で、アメリカでも第7位(67年)まで上昇。
おすすめトラック
Gimme Some Lovin’  >>試聴
  Keep On Running  >>試聴  
  I'm A Man  >>試聴  
Freddie & The Dreamers   『The Very Best Of Freddie & The Dreamers』 1992
ルックスがバディ・ホリーに似ているフレディ・ギャリティがボーカルの、コミカルな持ち味が特徴のグループ。「Do The Freddie」はフリ付きだった。「I'm Telling You Now(好きなんだ)」が65年に全米3位のヒットになった。「If You Gotta Make〜」「Money」などのR&Bカヴァーも独特の軽めアレンジで、ちょっと拍子抜けするぐらいのところが彼等らしい。
おすすめトラック
Do The Freddie  >>試聴
  I'm Telling You Now  >>試聴  
  If You Gotta Make A Fool Of....  >>試聴  
Billy J Kramer & The Dakotas  『The Very Best Of Billy J Kramer』2005
ブライアン・エプスタインにスカウトされて、レノン=マッカートニーの曲「Do You Want To Know A Secret?」で63年5月にデビュー。他にもレノン=マッカートニー作の「I'll Keep You Satisfied」「From A Window」「Bad To Me」などが連続ヒット。プロデュースはジョージ・マーティンで、キメの細かい録音作業が聞き取れる。ボーカルはきれい過ぎるが、バックのダコタスがいい。
おすすめトラック
Do You Want To Know A Sec....  >>試聴
  From A Window  >>試聴  
  I Call Your Name  >>試聴  
Herman's Hermits  『The Very Best Of Herman's Hermits』2005
ブリティッシュ・ビートと呼ぶには、かなりポップ色が強く、ボーカルのピーター・ヌーンのアイドル的な人気も手伝い、アメリカでは一時期、ビートルズを凌ぐほどの人気だった。「Mrs Brown〜(ミセス・ブラウンのお嬢さん)」や「I'm Henery〜(ヘンリー8世君)」「Listen People」などヒット曲は数えきれない。ビートルズを真似たモンキーズのようなテイスト?
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Mrs Brown You've Got A Lov....  >>試聴
  Can't You Hear My Heartbeat  >>試聴  
  I'm Henery The Eighth I Am  >>試聴  
The Yardbirds  『Little Games』1967
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジというロック3大ギタリストが在籍していたことで有名だが、ペイジによるレッド・ツェッペリンへの橋渡し的なラスト・アルバムが『リトル・ゲームス』だ。既にツェッペリンのレパートリーも収められているが、スモール・フェイセズやザ・フーとの共通点も見出せそうな「Tinker Tailor」が面白い。
おすすめトラック
Little Games
  Tinker Tailor  
  No Excess Baggage  
Peter & Gordon   『The Ultimate Peter And Gordon』2002
ロンドン出身のフォーク・ポップ・デュオ。エヴァリー・ブラザースのイギリス版という捉え方も出来るが、メンバーのピーター・アッシャーの妹がポール・マッカートニーのガールフレンドだったことから、レノン=マッカートニー作の曲を3曲歌っている。デビュー曲の「A World Without Love(愛なき世界)」は世界的な大ヒット。イギリス的な哀愁味も漂うナイス・デュオ!
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A World Without Love  >>試聴
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  Lucille  >>試聴  
Cliff Richard & The Shadows   『Me And My Shadows/ Listen To Cliff! 』1960/1959
イギリスのギタリストは殆どシャドウズのハンク・マーヴィンからの影響を受けている、と言われる程の名バンドと組んだクリフ・リチャード初期の作品。プレスリーに対抗してのイギリスのロックンロール・アイドル的な位置付けだったが、甘いバラードとシャドウズの演奏力を生かしたロックな曲が入り混じる。「Choppin’N' Changin’」や「What'd I Say」はクリフの若さが爆発!
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  Choppin’N' Changin’  >>試聴  
  What'd I Say  >>試聴  
Lulu   『The Gold Collection』1996
グラスゴー出身の女性アイドル。ビートの効いたR&Bやロックンロールをカヴァーしていたデッカ時代では、アイズレー・ブラザーズの「Shout」がヒット。ブレンダ・リーを思わせる、そのダイナマイトな歌唱力は迫力満点だった。その後は映画主題歌でもあった「To Sir With Love(いつも心に太陽を)」が日本でも大ヒットした。67年の『Lulu's Album』も秀逸なカヴァーが並ぶ傑作!
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To Sir With Love  >>試聴
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