2006年の7月に「ボサノヴァ特集」をやっているので、今回は「ボサノヴァ特集Vol.2」である。今年2008年は、1958年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロの中流階級のサロンで「Chega
de Saudade(想いあふれて)」という、最初のボサノヴァ楽曲が生まれてから50周年にあたる。その“ボサノヴァ生誕50周年”を記念して、ブラジル音楽やボサノヴァにもっと親しんでもらいたいということもあり、期間限定のプライスダウンのキャンペーンも行っているのでよろしく。
ブラジル音楽は、ヨーロッパとアフリカの文化の混合から生まれているが、バトゥーキやショーロといった音楽からサンバが生まれ、カーニバル以外にも歌われる歌謡曲であるサンバ・カンソーンが生まれた。そして、新感覚のサンバ・カンソーン作曲家だったアントニオ・カルロス・ジョビンと詩人ヴィニシウス・ジ・モラエスが作った曲を、クールな感覚のギター伴奏で歌いあげたのがジョアン・ジルベルトだった。都会的なセンスをもったボサノヴァは、あっという間に世界へと広がっていった。
その世界的ブームの一翼を担ったのがセルジオ・メンデスやスタン・ゲッツである。最初のボサノヴァ・ブームは60年代後半になると下火になってしまうが、ポスト・ボサノヴァとして生まれたのが、ビートルズからのロックの洗礼を受けたトロピカリズモ運動であり、カエターノ・ヴェローゾをはじめとする若き才能が世に出て、後にMPB(ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)の推進役となっていく。このボサノヴァ〜MPBの時代に、シルヴィア・テリスをはじめ、エリス・レジーナ、ガル・コスタ、ナラ・レオンなどの今も絶大な人気を誇る女性シンガーたちがデビューし、一層ブラジル音楽を華やかにした。
現在においても、カエターノ人気は相変わらずだが、ミルトン・ナシメントやマルコス・ヴァーリなども幅広い人気を集めているし、アフロ・ブラジリアン・ミュージックを世界の音楽とミクスチャーさせていくカルリーニョス・ブラウン等の動向にも注目が集まる。
日本でもカフェ・ミュージックとして定番化された感のあるボサノヴァだが、ひとりひとりのアーティストを掘り下げて聴いてみると、また新たな発見もあるはず。この機会にボサノヴァの歴史的名盤にじっくり付き合ってみるのも、素敵な時間の過ごしかただと思いませんか?
(Text/遠藤哲夫)