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Vol.12 ボサノヴァ特集
New Album  「町を見下ろす丘」
2006/4/5 Release
ダウンロード価格
アルバム \2,400-(税込)
全30曲収録!
ボサノヴァは、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロの高級住宅街であるゾナ・スールという地区で生まれた。サンバが貧民地区で生まれたのと対照的で、アメリカの音楽の流入で刺激を受けたブラジルの若手ミュージシャンが、元来のサンバやサンバ・カンサゥンに、新たな感性を付け加えて生まれた音楽がボサノヴァだった。

ボサノヴァの起源は、1958年にアントニオ・カルロス・ジョビンが作曲し、ヴィニシウス・ジ・モライスが作詞した「Chega de Saudade(想いあふれて)」という曲である。ギター伴奏をつけたジョアン・ジルベルトが自ら歌ってレコードとなった。打楽器による強烈なシンコペーションするリズムが特徴だったサンバの様式ではなく、ギター、ピアノなどのシンプルな演奏だけで、つぶやくように歌うボサノヴァは、その斬新さとモダンな感覚で、従来のブラジル音楽に改革をもたらした。

ボサノヴァが世界的にブームになっていったのは、1963年の白人ジャズメンのスタン・ゲッツが、ジョアン・ジルベルトやアントニオ・カルロス・ジョビンを招いて制作した『ゲッツ/ジルベルト』からのシングル・カット、「イパネマの娘」の爆発的なヒットによる。その曲にボーカルで参加していたアストラッド・ジルベルトはボサノヴァを代表する人気歌手となる。

アメリカでは、ボサノヴァが従来のポピュラー音楽と融合して、セルジオ・メンデス&ブラジル'66が人気を博し、ジャズのCTIレーベルのように、アントニオ・カルロス・ジョビンのイージーリスニング・ジャズや、ボサノヴァの楽曲をジャズ風にアレンジしたジャズ・ボッサのアルバムも数多く作られた。このブームにより本来のボサノヴァ(新しい感覚)が、サロン風な音楽になり下がってしまったような部分もあり、ボサノヴァに変わるMPB(Musica Popular Brasileira)の潮流が生まれ、現代へと繋がっていく。

そのMPBを牽引したのが、バイーア出身のカエターノ・ヴェローゾやその妹のマリア・ベターニア、ジルベルト・ジル、ガル・コスタ、そしてエリス・レジーナといった自作自演の歌手だった。ボサノヴァは、MPBムーブメント(トロピカリズモとも呼ばれた)の母体となったことで、80年代に再評価され、日本でも根強い人気を誇っている。ボサノヴァのミューズともいわれたナラ・レオンや、小野リサなどはリラックス/癒しの音楽としてボサノヴァを聴き始めるには最適かもしれない。有名なヒット曲をまとめた『ウィ・ラヴ・ボサ・ノヴァ』は入門用として重宝な1枚。このお洒落でもあり、クールな感覚が現代の生活空間に見事にマッチする。
(Text/遠藤哲夫)
ボサノヴァの巨人
ジョアン・ジルベルト  Joao Gilberto   『三月の水』1973
ジョアン・ジルベルトを聴かずしてボサノヴァは語れない。最も有名なボサノヴァ「イパネマの娘」を初収録した『ゲッツ/ジルベルト』は勿論、必聴であるが、ジョアンの声そのものを聴くのなら、78年の『AMOROSO』か、『三月の水』をおすすめする。特に本作はジョアンのギターと歌、ハイハット(パーカッション)だけで奏でられる至上のアルバム。「Izaura」では、当時の奥さんミウシャとのデュエットが聴ける。
Aguas De Marco(三月の水)  >>試聴
  Eu Quero Um Samba(喜びのサンバ)  >>試聴  
  Izaura  >>試聴  
『Getz/Gilberto』 1963『Joao』1991
アントニオ・カルロス・ジョビン  Antonio Carlos Jobim   『The Composer Of“Desafinado”, Plays』 1963
『ゲッツ/ジルベルト』に参加し、ボサノヴァ・ブームの創始者であると同時に、クリード・テイラーのCTIジャズの看板となり、究極のイージーリスニング・ジャズ『Wave(波)』や『Tide (潮流) 』といった名盤を発表した。『The Composer Of“Desafinado”, Plays』は作曲者、演奏者としてのジョビンを知るには必聴のアルバムで、有名曲はほとんど入っている。歌を聴くなら『Finest Hour』が便利。
The Girl From Ipanema  >>試聴
  Chega De Saudade  >>試聴  
  Desafinado  >>試聴  
『Wave』1967『Antonio Carlos Jobim: Finest Hour』2000
アストラッド・ジルベルト  Astrud Gilberto   『The Silver Collection』1990
ボサノヴァの女王、アストラッド・ジルベルト。ジョアン・ジルベルトの妻であり、ささやくように歌う元祖ウィスパー・ボイス!その軽快さと、不思議な気だるさは、多くのフォロワーを生みつつもワン・アンド・オンリーの気高さ(と美貌)。「おいしい水」「ジンジ」「サマーサンバ」等はいつ聴いても心が癒される。本作は65年のデビュー作(当時24歳)と2作目『いそしぎ』のカップリング+3曲のお徳用盤。
Agua De Beber(おいしい水)  >>試聴
  So Nice (Summer Samba)   >>試聴  
  The Shadow Of Your Smile(いそしぎ)  >>試聴  
『Look To The Rainbow』1965『Beach Samba』1967
スタン・ゲッツ  Stan Getz   『Getz Plays Jobim: The Girl From Ipanema』2002
白人テナー・サックスの巨人であるが、クール・ジャズで一斉を風靡した後、50年代半ばに一時期低迷するが、62年のチャーリー・バードとの共演盤で初めてボサノヴァを取り入れ、63年の『ゲッツ/ジルベルト』でボサノヴァ・ブームを巻き起こす。本作はジョビンの曲を集めた編集盤で、一連のボサノヴァ作5作からの名曲をまとめて聴くことができる。アストラッドが6曲でボーカルをとる『Getz Au Go Go』も必聴!
The Girl From Ipanema  >>試聴
  Corcovado  >>試聴  
  Samba De Uma Nota So(ワン・ノート・サンバ)  >>試聴  
スタン・ゲッツ&チャーリー・バード  『Jazz Samba』1962『Getz Au Go Go』1964
セルジオ・メンデス&ブラジル'66   Sergio Mendes & Brasil '66    『A&M Gold Series - Sergio Mendez』1991
ブラジル音楽をよりポピュラーにしたのは、やはりセルジオ・メンデスの功績が大きい。ボサノヴァを取り入れたソフト・ロック/ポップス路線は、ビートルズやバート・バカラックのカバー曲の親しみやすさも手伝い、60年代後半に爆発的な人気を誇った。今年に入り、ブラック・アイド・ピーズとのコラボで人気再燃中なのはご存知のとおり。時代を超越したお洒落な名曲「Mais Que Nada」の聴き比べを是非!
Mais Que Nada  >>試聴
  The Fool On The Hill  >>試聴  
  The Look Of Love  >>試聴  
『Fool On The Hill』『Look Around』
ボサノヴァおすすめ
ナラ・レオン  Nara Leao   『Nara』1964 ロザリア・デ・ソーザ   『ブラジル・プレシーザ・バランサール』2005 マルセラ   Marcela  『シンプレス』
ボサノヴァ定番曲を収めた『美しきボサノヴァのミューズ』もいいが、この、ナラのデビュー盤も忘れ難い。流行りのボサノヴァとは距離を置いた、どこか悲しげで切ないナラがここにいる。「Berimbau」が美しく響く。 惜しくも89年に他界。
イタリアからリースされた、ロベルト・メネスカル・プロデュースの名品。最新ヨーロピアン・ジャズとボサ・ノヴァが見事に融合。ジョビンの「Vivo sonhando」や、マルコス・ヴァーリが参加した「Que Bandeira」では、独特の気品が漂う。
ロベルト・メネスカルの娘であり、ブラジル音楽の大型新人として注目の的。艶があって滑らかなボーカルはちょっとシャ−デーを思い出す。「Voo sobre o horizonte」は“クロスオーバー・イレブン”のテーマ曲をカバーしたもの。
マリーザ・モンチ  Marisa Monte   『Universo Ao Meu Redor』 マルコス・ヴァーリ   Marcos Valle   『Samba Demais』 ルイス・ボンファ  Luiz Bonfa   『Bossa Nova』
現在、ブラジルを代表する歌姫といえば、まずマリーザ・モンチ!アート・リンゼイ絡みの斬新さも注目された。今年2枚同時に新作をリリースした内のサンバ盤が本作。マリーザの宇宙が広がり、極上のサウダージに浸れる。「O Bonde Do Dom」がヒット。
代表曲「サマー・サンバ」を収録した『サンバ'68』が名盤とされるが、ボサノヴァ第2世代の王道を行く、このデビュー作も素晴らしい。「Tudo De Voce」をはじめクールな感触が魅力。 80年代のアーナン・メロウ路線もクラブ・シーンで人気が高い。
『黒いオルフェ』のテーマソング「Manha de Carnaval(カーニバルの朝)」の作者として有名なギタリスト。素朴な味わいのボーカルも独特の雰囲気で、多くの歌手が取り上げている「Tristeza」は必聴。ギターの腕前は「Quebra Mar」で。
ワルター・ワンダレイ・トリオ  Walter Wanderley Trio   『シェガンサ』 タンバ4  Tamba 4   『二人と海』1967 バーデン・パウエル  Baden Powell   『Estudos』1974
何といってもジャズ・サンバ(ボッサ・オルガン)の人気アルバム『Rain Forest』が有名。アストラッド・ジルベルトとの共演盤にも収録されている「サマー・サンバ」が代表的ヒットだが、この2作目ではピアノも弾き変化に富んだ軽やかさが魅力。
CTIレコードからの第1弾となるこのアルバムで、タンバ・トリオからタンバ4へと名前を改めた、ボサノヴァ史上最高のコンボ。ピアノとフルートが織り成す、ソフィスティケイトされた極上のサウンド。まずは、ゆったりと漂う「We And Sea」を。
ブラジルが世界に誇る天才ギタリスト。ボサノヴァ創世記から作曲家としても活躍し、独自のスタイルによる超絶技巧のギター・プレイは多くのミュージシャンに影響を与えた。本作はBGMとしても洗練された1枚だが、「E Isso Ai」などのテクにも酔える。
ジャズ・ボッサおすすめ
コールマン・ホーキンス  『デサフィナード』 オスカー・ピーターソン  Oscar Peterson   『Soul Espanol』 ローリンド・アルメイダ&バド・シャンク  Laurindo Almeida&Bud Shank  『BRAZILLIANCE VOL.1』
ビロードのような音色のサキソフォン。ジャズ・テナーの父と呼ばれるホーキンスが、60才を迎えようとする晩年に録音したボサノヴァ・アルバム。ボサノヴァのリズムを刻むギターに絡んでくる、低音の柔らかいテナーには、さすが風格が漂う。
世界的巨匠ピアニストであり、高度なテクニックと格調の高さで幅広い人気を誇るオスカー・ピ−ターソン。ボサノヴァ・ナンバーへ挑戦した異色作ともいえる本作だが、「Manha De Carnaval」「Meditation」あたりはやはり独自の格調がある。
独自のラテン風味を持ったローリンド・アルメイダのギターと、ウェストコーストらしい爽やかなサックス/フルートのバド・シャンク。ボサノヴァ以前にサンバを取り入れた初めてのジャズ・アルバムであり、若き日のジョビンに影響を与えた。
ゲイリー・マクファーランド   Gary Mcfarland   『Soft Samba』 ミルト・ジャクソン  Milt Jackson   『ジャズ・ン・サンバ』 ポール・デスモンド  Paul Desmond   『From the Hot Afternoon』1969
ヴァイブ奏者/ジャズ・アレンジャーとして、そのラウンジ感覚が若者に受けているゲイリー・マクファーランド。本作はビートルズ・ナンバーを中心にポップスをボサノヴァ風にアレンジした、脱力系ボッサ・ジャズの傑作。
MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)の顔、“ヴァイブの神様”ミルト・ジャクソン。ブルース・フィーリング溢れるプレイには定評があるが、本作の「Jazz 'n' Samba」「The Oo-Oo Bossa Nova」等ではリラックスしたボッサ・スイングを聴かせる。
誰もが知ってるジャズ名曲「テイク・ファイブ」の作者であり、デイヴ・ブルーベック・カルテットのアルト・サックス奏者。独特のリリカルな音色は一度聴くと忘れられない。CTI移籍後の本作は、ミルトン・ナシメントとエドゥ・ロボの作品集。
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