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総合TOP > 連載 > ジャンル虎の穴 > Vo11 ブルース・ギター特集


ジャンル虎の穴/さまざまなジャンルがはびこる洋楽の世界。このジャンルってどんな音楽?「ジャンル虎の穴」は、毎回ひとつのジャンルをセレクトして、そのジャンルの成り立や、代表アーティストからマニアックな裏名盤までを紹介するコーナー。これであなたも音楽通に!
Vol.11 ブルース・ギター特集
60年代後半のブルース・ロック全盛の時代に、3大キングとして、ロック・ギタリストから神のように崇められていたのが、B.B.キングアルバート・キングフレディ・キングだった。エリック・クラプトンは黒人のブルースを自分のものにするために、ドラッグで廃人同様になりながらも、長い道のりの末に自分なりの“ブルース”に辿り着いた。すべての大衆音楽の基本形とも言えるブルース。やはり、その魅力は泣き叫ぶようなギターにある。

ブルースの起源は、アフリカから奴隷として連れてこられた黒人たちのワーク・ソングが、ヨーロッパから入ってきたバラッド等と結びついて歌の形式となったものとされる。アメリカ南部(ミシシッピ・デルタ周辺やテキサス)でカントリー・ブルースが生まれ、1920年代には録音も始まった。ボトルネック・ギター奏法で有名な、ブラインド・レモン・ジェファースンやチャーリー・パットン、サン・ハウスなどによるデルタ・ブルースが、30年代に入りロバート・ジョンソンによって完成される。
ブルースは南部から北部へと移っていき、ピアノ奏者のリロイ・カーがシティ・ブルースの先駆となる。戦後の40年代に入ると、ジャズと結びついてジャンプやジャイヴが人気となり、エレクトリック・ギターによるモダンなサウンドがTボーン・ウォーカーによって生み出された。そして、いよいよシカゴ・ブルースの誕生とB.B.キングの登場となる。

マディ・ウォータースが切り開いた、南部感覚を取り入れてエレキ・バンド化されたシカゴ・ブルースは、ハウリン・ウルフやリトル・ウォルター、サニー・ボーイ・ウィリアムスンU、エルモア・ジェイムスといったブルース界のスターを生む。
一方、メンフィスのブルース・シーンからモダン・ブルースの革命児とし登場し、ボトルネック奏法の代わりにチョーキングを使った“スクィーズ・ギター”のスタイルを完成させ、ブルースの王者となったのがB.B.キングだ。ホーンを入れたバンド・スタイルやゴスペルっぽいボーカルなど、50年代以降のモダン・ブルースはB.B.のスタイルが規範となった。

ロックンロールの誕生や、R&Bやソウル・ミュージックが黒人音楽の人気の中心となっていく中、ブルースもソウルやファンクなどを取り込んでいくが、ブルース自体に大きな変化はなく、地道に音楽シーンに根付いている。逆に、エリック・クラプトンやスティーヴィー・レイ・ヴォーンなどの白人のブルース・ロック・ミュージシャンに影響を受けた若者が増えているのも事実だ。やはり、あの呻くような、情念の塊のようなギターには、音楽の本質に迫る“悪魔”が宿っているのか? みんな、ブルースを聴こう!
(Text/遠藤哲夫)
ブルースの巨人
B.B. King  『Live At The Regal』
3大キングのうち、アルバートとフレディがすでに亡くなってしまった今、文字通り唯一のキングとしてブルース界に君臨するのがB.B.キング。近年では、エリック・クラプトンとのデュオ・アルバムも話題になった。ケント時代からABC時代にかけて何枚もの名作を残しているが、スクィーズ・ギターの泣きと骨太なボーカルを満喫するなら、このライブ盤の「Sweet Little Angel」〜「How Blue Can You Get? 」へのスロー3連発が最高ではないでしょうか? 71年の日本公演を収録した『Live In Japan』も凄い。
Every Day I Have The Blues  >>試聴
  Sweet Little Angel  >>試聴  
  How Blue Can You Get?  >>試聴  
  Worry, Worry  >>試聴  
  The Thrill Is Gone  >>試聴  
『Live In Cook County Jail』1971 『Live In Japan』1999
Muddy Waters  『Rollin' Stone - A Golden Anniversary』
ローリング・ストーンズがマディの曲からグループ名を付けたのは有名な話。ミシシッピ・デルタ・ブルースをエレクトリック化して、シカゴ・ブルースを確立した偉大な功績は歴史に残る。名前のように泥臭いエレキ・ボトルネック(スライド奏法)とボーカルは、ある意味ブルースの象徴でもある。チェス時代がやはり油が乗り切っており、「Rollin' And Tumblin'」や「Hoochie Coochie Man」はロック・ミュージシャンにも数多くカバーされている。ザ・バンドをバックにした『Woodstock Album』も名盤。
I Feel Like Going Home  >>試聴
  Rollin' And Tumblin'  >>試聴  
  Rollin' Stone  >>試聴  
  Little Geneva  >>試聴  
  (I'm Your) Hoochie Coochie Man  >>試聴  
『The Muddy Waters Woodstock Album』1975『Martin Scorsese Presents The Blues: Muddy Waters』2003
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Freddie King  『KING OF THE BLUES』1995
テキサス出身の3大キングの一人。UKブルース・ロックに大きな影響を与え、「Hide Away」や「Have You Ever Loved A Woman」はクラプトンがカバーして、ロック・ファンにも良く知られる。後にシェルターに移籍し、スワンプ・ロックに接近したアルバムを残している。
おすすめトラック
Hide Away  >>試聴
  Tore Down  >>試聴  
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Albert King 『King Of The Blues Guitar』1969
「悪い星の下に」がクリームやポール・バターフィールド・ブルース・バンドにカバーされ、3大キングの中では特にロック・カバー率が高いか?レッド・ツッペリンも他の曲を引用していた。フライングVを愛用して、強烈なチョーキングをかます豪快さが身上。
おすすめトラック
Overall Junction  >>試聴
  As The Years Go Passing By  >>試聴  
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Otis Rush 『Door To Door』1970
レッド・ツェッペリンが「I Can't Quit You Baby」をファーストでカバーしていたが、他にも「So Many Roads」や「Double Troble」などがよくロック系ミュージシャンに取り上げられるシカゴ・ブルースの巨人。フレーズの切り込みやビブラートに天才的なひらめきを感じる。
おすすめトラック
So Many Roads, So Many Trains  >>試聴
  All Your Love  >>試聴  
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Buddy Guy  『Buddy's Blues』1997
映画『フェスティバル・エクスプレス』にライブの模様が収録されていたが、まさしく制御不能でやりたい放題のギタリスト。ジミ・ヘンドリックスやスティーヴィー・レイ・ヴォーンにバディからの影響が見える。チェス時代の「Stone Crazy」等でのテンションの高さは凄い。
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Stone Crazy  >>試聴
  First Time I Met The Blues  >>試聴  
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Luther Allison  『The Motown Years 1972-1976』
バディ・ガイにちょっとタイプは似ているかも。そにせいか「ブルース界のジミ・ヘンドリックス」とも呼ばれる。幻だったモータウン・セッションがCD化されたのが本作で、ソウルやファンクの要素も強いルーサーが、かなりまともにブルース・ギターを弾いているのが逆に新鮮。
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Luther's Blues  >>試聴
  Part Time Love  >>試聴  
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Robert Cray 『Heavy Picks-The Robert Cray Band Collection』1999
クラプトンとの共演などで、ロック・ファンの間でも抜群の知名度を誇るロバート・クレイ。現役バリバリであり、ブルース・シーンの活性化には欠かせない売れっ子でもある。どこか優等生的なイメージがあるのだが、ハイトーンからの1作目『Bad Influence』の強烈な印象は忘れ難い。
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Phone Booth  >>試聴
  Bad Influence  >>試聴  
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T-Bone Walker  『T-Bone Blues』1959
モダン・ブルース・ギターの父と呼ばれ、単弦奏法を生み出しギターをソロ楽器の主役に押し上げた。B.B.キングも最初はTボーンの影響下にあった。テキサス出身で主に西海岸で活躍。オールマン・ブラザース・バンドもカバーしている「Stormy Monday」は名曲中の名曲だ。
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Call It Stormy Monday  >>試聴
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John Lee Hooker  『The Complete '50s Chess Recordings』1998
ミシシッピ出身で、デトロイトで活躍した大物。デビュー・ヒットの「ブギ・チレン」で有名だが、2001年に亡くなるまで膨大なレコーディングを残している。誰も真似が出来ない強烈な個性で、ブギからスロー・ナンバーまで唸り声で圧倒する。「ブーン・ブーン」をアニマルズがカバー。
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Sugar Mama  >>試聴
  Walkin' The Boogie  >>試聴  
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Albert Collins  『COLLINS MIX (THE BEST OF)』1993
テレキャスターの鬼とも呼ばれ、“アイス・ピッキン”の異名のとおり、鋭角的な突っ込みフレーズは、ホットなんだけどクール!78年にアリゲーターと契約してリリースした一連の作品で、ロック・ファンにも人気が出る。82年の初来日での凶暴なステージは語り草に。『COLLINS MIX』が遺作となる。
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Don't Lose Your Cool  >>試聴
  Frosty  >>試聴  
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Clarence Gatemouth Brown  『Back To Bogalusa』2001
スタッフのコーネル・デュプリーが、一家に一枚の名盤『ティージン』で「Okie Dokie Stomp」を取り上げていたので興味を持った人も多いかと…。ブルース界では常識に収まらない変人的な扱いも受けるが、その奏法のトリッキーさは特筆もの。本作はまるでザ・バンドのような渋いスワンプ。
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Going Back To Louisiana  >>試聴
  Breaux Bridge Rag  >>試聴  
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白人ブルース・ロック
Eric Clapton  Cream 『Wheels Of Fire』
今でこそアダルトな雰囲気で渋くギターを決めるクラプトンだが、ブルースブレイカーズやクリーム時代は“ブルースの鬼”として、ギターを弾きまくっていた。“スローハンド”の異名のとおり、華麗な指さばきから繰り出される“泣き”のフレーズで、ギター小僧にとって神様のような存在だった。独特のウェット感のあるトーンは、ブルースから離れても魅力あるものだ。ロック・クラシックとして必聴の1枚が『Wheels Of Fire』で、ここで聴ける「Crossroads」には鬼気迫るものがある。
Crossroads  >>試聴
  Spoonful  >>試聴  
  Born Under A Bad Sign  >>試聴  
  Rollin' And Tumblin'  >>試聴  
  Steppin' Out  >>試聴  
Derek & The Dominos  『Layla』1970Eric Clapton  『Eric Clapton Blues』1999
Duane Allman The Allman Brothers Band  『At Fillmore East』1971
サザン・ロックの代表格、オールマン・ブラザース・バンドで泥臭いスライド・ギターを弾きまくっていたデュアン・オールマン。時に、空翔るようなスケール感の大きいフレーズは天性の才能を物語る。これには、さすがのクラプトンもかなわず、デレク&ドミノズの『レイラ』ではデュアンの影に隠れるような印象も…。その豪快さが売りだったが、惜しくもオートバイ事故で25歳の誕生日直前に亡くなってしまう。『At Fillmore East』が必聴であるが、セッションを集めた『An Anthology』も面白い。
Statesboro Blues  >>試聴
  Stormy Monday  >>試聴  
  In Memory Of Elizabeth Reed  >>試聴  
  Whipping Post  >>試聴  
  Hoochie Coochie Man  >>試聴  
『Eat A Peach』1972Duane Allman  『An Anthology』1972
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Johnny Winter  『Progressive Blues Experiment』 1969
“100万ドルのブルース・ギタリスト”というキャッチ・フレーズで登場した、テキサスが誇る白人ブルース・ギタリスト。弟のエドガー・ウィンターやリック・デリンジャーとも組んでいるので、ハード・ロック・ファンにも人気がある。マディ・ウォーターズの「Rollin' And Tumblin'」は熱い。
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Rollin' And Tumblin’  >>試聴
  Tribute To Muddy  >>試聴  
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Canned Heat(Al Willson) 『Very Best Of Canned Heat』
巨漢ボブ・ハイトをボーカルに、飄々としたブルース・ナンバー「On The Road Again」や「Goin' Up The Country」をヒットさせたキャンド・ヒート。そのギタリストがアル・ウィルソンで、地味ではあるが、ジョン・リー・フッカーに心酔して共演アルバムも出した程のブルース通だった。
おすすめトラック
On The Road Again  >>試聴
  Dust My Broom  >>試聴  
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Jeff Beck  『Truth/Beckola』1968
クラプトンやジミー・ペイジと比べ、ギター職人的なイメージが強いが、ロッド・スチュワートをボーカルに迎えた第1期ジェフ・ベック・グループでは、多くのブルース・カバーを収録。B.B.キングの曲を元ネタにした「Blues Deluxe」やマディの「You Shook Me」など聴きどころ多し。
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Blues Deluxe  >>試聴