英国を代表する老舗インディー・レーベル、ベガーズ・バンケット。現在ではベガーズ・グループとして、BEGGARS BANQUET、4ADをはじめ、XL RECORDINGS、TOO PURE、MATADORなどを傘下に世界最大のインディー・レーベルのネットワークを形成している。パンク/ニュー・ウェイヴに始まり、アシッド・ハウスやマッドチェスター、グランジ/オルタナティヴといった新しいムーブメントにおいても常に時代の先端を走ったレーベル。今回は、“ベガーズ名盤コレクション”としても続々とリイシューが進んでいる、ベガーズ・バンケットと4ADを中心に「ベガーズ特集」です。
レコード店からスタートして、パンク・ムーブメントをきっかけに1977年設立されたのがベガーズ・バンケットだ。ラーカーズのシングル「Shadow/Love Story」が第1弾のリリースとなり、79年に、ゲイリー・ニューマン率いるチューブウェイ・アーミーの大ヒットでレーベル自体も飛躍、強烈な個性を持つ4ADやシチュエーション・トゥーの系列レーベルもスタートさせた。
ゴシック・ロックの元祖バウハウスや、ポジティヴ・パンク〜ハードなサウンドでアメリカでも高い人気を誇るザ・カルト、静謐な音空間とエリザベス・フレイザーの神秘的なボーカルが独自の世界を作り上げるコクトー・ツインズ、マンチェスター・ブームから飛び出したシャーラタンズ、米オルタナ・シーンに多大な影響を与えたピクシーズなどの個性的なバンドが大きな注目を集めていく。
さらに、シューゲイザーの名バンドであったスローダイヴから発展したモハベ・スリーや、スローイング・ミュージズのボーカル、クリスティン・ハーシュなどのフォーク色が強いアーティストから、宗教的な崇高さを漂わすデッド・カン・ダンスまで、その多彩なラインナップ。これは現在のベガーズ・グループを見ても一貫している。次代の音楽シーンの鍵を握るベガーズ。30年に渡るベガーズの歴史を、今だからこそ再検証しておきたい。
(Text/遠藤哲夫)