スティーリー・ダンを抜けたマイケル・マクドナルドがドゥービー・ブラザーズに加入して、「What A Fool Believes」が世界的な大ヒットとなったのが79年。ランディ・ヴァンウォーマー、J.D.サウザーなど日本で馴染み深いアーティストが揃ってヒットを放つのも同じ79年だ。翌80年には、彗星のごとくクリストファー・クロスが現れ、AORを陰で支えたといっても過言ではない、デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンによるユニット“エアプレイ”がデビューする。
73年にマイナー・レーベルからデビュー作をリリースしているが、トミー・リピューマのプロデュースによる『Art Of Tea』(75年)で一気に注目された。その洗練されたサウンドとつぶやくようなボーカルは、メジャー2作目『Sleeping Gypsy』に収録された「Antonio's Song」で、マイケルのイメージを決定付けた。ブラジリアン・テイストを散りばめたAORの傑作を次々に発表した彼は、実は自然派でもあり、今のジャック・ジョンソンなどにつながるものも感じる。
豪放なギター・サウンドと男臭いトム・ジョンストンのボーカルで人気バンドだったドゥービー・ブラザースが劇的に変化するのは、マイケル・マクドナルドが主導権を握った『Takin’It To The Streets』から。そして、時代に呼応したAORバンドとして頂点を極めたのが『Minute By Minute』である。マクドナルドのソウルフルなボーカルが冴える「What a Fool Believes」は時代を代表する曲となった。都会的センスは次作『One Steop Closer』でも満喫できる。