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2006/11/20 Release ダウンロード価格 アルバム \2,000(税込) トラック 各\150(税込)
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ダウンロード価格 アルバム \2,500(税込) トラック 各\150(税込)
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本編全18曲に加えて、2005年ミラノ公演のライヴ・トラックが9曲が追加されます
アイルランドの凍てつく空気を切り裂くように響くギター、そして何かに挑みかかるように怒りをこめたボーカル。初めて「サンデイ・ブラッディ・サンデイ」を聴いたとき、その鋭さに自分の身体が切り刻まれるような気がしたのを思いだす。しばらくは気持ちの昂ぶりを止めることができなかった。U2は、そんな体験を聴き手に強いるバンドだった。
その熱い血潮というか、U2の音楽的エネルギーは彼等の3作目『WAR(闘)』でピークに達したかに思えた。デビュー作『ボーイ』のジャケットに写っていた少年の成長した姿を再びジャケットにした『WAR(闘)』は、U2の音楽的成長を示すものでもあったからだ。しかし、彼等の音楽巡礼の旅は始まったばかりだった。
U2の4人、ボノ(ボーカル)、ラリー・ミューレンJr(ドラムス)、アダム・クレイトン(ベース)、エッジ(ギター)は、76年にダブリンのハイ・スクールで出会った。タレント・コンテストで優勝した彼等は、79年にアイルランドCBSで3曲入りのEP盤(「U2:3」)を制作し、地元ではすでに人気グループとなっていた。80年にアイランド・レーベルと契約、同年11月にファースト・アルバム『ボーイ』が世界に向けてリリースされた。初期の3作を経て、彼等はアメリカのルーツ・ミュージックへと向かう。ブルースやゴスペル、カントリーなどを血肉化し、より成熟したロックを聴かせる。特に『ヨシュア・トゥリー』は、崇高で、どこか求道的な重さも感じられるアルバムとなった。英米のチャートで1位を記録し、全世界で1500万枚を超えるセールスとなった『ヨシュア・トゥリー』と、そのツアーを撮影した映画のサントラ盤でもある『魂の叫び』によって、U2は世界のトップ・グループとして君臨することになる。
ロックンロールの聖地を巡る旅を終えた彼等が、次に目指した場所はベルリン。“サイバー3部作”の第1弾である『アクトン・ベイビー』では、アメリカからヨーロッパへと視点を移し、ハウス以降のコンテンポラリーなダンス・ビートを取り入れて鮮やかな転身を図った。スタジアム・ロッカーとしての立場を逆説的に利用して、“ZOO-TV”ツアーや“POPMART”ツアーを成功させた。自らを戯画化しながらも、しっかりと同時代性を追及していくU2の視線は、テクノやデジタル・ビートを呑み込み、自らのアイデンティティを追い求めていた。そして、2000年の『オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド』で、再びロックの原点に立つのである。
今回の『ザ・ベスト・オブU2 18シングルズ』は、デビューから最新作『原子爆弾解体新書〜ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム』までの、25年に及ぶ全キャリアから選ばれたベスト盤である。ただし、全てのアルバムからまんべんなく曲が選ばれているわけではなく、以前に出ている『ザ・ベスト・オブU2 1980-1990』『ザ・ベスト・オブU2 1990-2000』のコンピレーションとはまた性格が違う、現在から未来へのベクトルが見えてくるベスト盤なのだ。単に年代順に曲を並べるのではなく、意味を持たせた選曲と曲の並び、始まりと終わり(新曲を除く)を、2000年以降に発表した2枚のアルバムからの曲で固めている(日本盤の1曲目「アイ・ウィル・フォロー」はボーナス・トラック)点に、U2なりのこだわりを感じるのである。
新曲として収録されている2曲は、初顔合わせとなるリック・ルービンのプロデュースによるもの。ニューオーリンズを襲った“ハリケン・カトリーナ”で被害を受けたミュージシャン支援を目的としたチャリティ・シングル「セインツ・アー・カミング」は、グリーン・デイとのコラボレーションだ。曲の頭に「朝日のあたる家」(ニューオーリンズの娼家を歌ったもの)の一節を盛り込んだ憎い演出が効いている。「ウィンドウ・イン・ザ・スカイズ」は、これからの方向性を示すポジティヴなロックだ。U2はさらに進化していく。
(Text/遠藤哲夫)