このリトル・ウィリーズは、決してノラ・ジョーンズがメインのバンドではなく、あくまでメンバーの一員というスタンスを守っている。リード・ボーカルを、既にソロで活躍していたシンガー・ソングライターのリチャードと分け合っており、更に二人のハーモニーは、カントリー・ロックの未来を提示したグラム・パーソンズとエミルー・ハリスの歌声を彷彿させる。志半ばで73年にこの世を去ってしまったグラム・パーソンズであるが、ジャズ・フィールを持った世界的な人気の女性シンガーが、ルーツ音楽のカントリーに接近して、自分のレパートリーだった曲を歌うとは思ってもみなかったろう。ここには、時代を超越して後世に歌い継がれるべき歌が、同好の士によって最良の形で収められている。ある意味、ナンシー・グリフィスのグラミー受賞アルバム『遠い声(Other Voices , Other Rooms)』と似たようなテイストを感じられるのも嬉しい。
どうしても「Don't Know Why」や「Come Away With Me」などの“スモーキー・ボイス”によるジャジーなイメージが先行してしまうが、1作目からハンク・ウィリアムスの曲「Cold Cold Heart」をカバーして、リトル・ウィリーズの伏線はしっかり張っていた。というか、カントリーや南部R&Bっぽさを隠し味にしている曲は「Lonestar」「Shoot The Moon」「One Flight Down」など、結構入ってたりする。文句なしの名盤。
デビュー・アルバムのジャジャーな雰囲気は残しながらも、ノラにとってのルーツ・ミュージックといえるカントリーなどの南部音楽のテイストを取り込み、よりしなやかなサウンドを聴かせる2作目。ドリー・パートンをゲスト・ボーカルに迎えた「Creepin' In」は、リトル・ウィリーズの前哨戦みたいな感じだ。日本では「 What Am I To You?」がTVドラマ『離婚弁護士』の挿入歌に使われていた。
ノラの2作目にすでに共作ナンバーを提供しており、ライブDVD『Live In 2004』にもゲスト参加していたリチャード・ジュリアン。リトル・ウィリーズではノラとボーカル・パートを分け合っての大活躍だが、ソロとしては97年にデビュー、本作が4枚目となる。ノラとリー・アレキサンダーが4曲をプロデュースしており、ハートフルな歌声が心に響く「Slow New York」「On Your Own」など必聴!
レベッカ・マーティンという、これまたノラ・ジョーンズ級の女性ボーカリストとワンス・ブルーというバンドを結成していたジェシー・ハリス。ノラの「Don't Know Why」の作者として有名になりすぎたが、本来のペースに戻ったような形でソロ活動を続けている。独特のナイーブさを秘めた「Wish I Was A Bird」や「Don't Need That」といった曲がいい。更にギターのTony Scheer(元ラウンジ・リザース)もいい感じ!
アメリカン・ミュージック界の大御所、ウィリー・ネルソンはナッシュビル・カントリーに反旗を翻した、アウトロー・カントリーの代表的存在でもあった。その生き方と楽曲は厚い信頼を生み、このライブ・アルバムのようにジャンルを越えて豪華ミュージシャンが賛同して集まってくる。「Wurlitzer Prize」はノラと、「Crazy」はコステロ夫妻が、「A Song For You」はレオン・ラッセルとレイ・チャールズが一緒に歌う。
2002年のアルバム『The Great Divide』で曲を提供したロブ・トーマス(マッチボックス20)をはじめ、若手からベテランまで、豪華ゲストを迎えてのライブ盤。ノラ・ジョーンズとは「Lonestar」(ノラの1stアルバムに入っていた曲)をデュエット。リトル・ウィリーズでカバーした「Night Life」はレイ・プライスとの巨匠コンビで。代表曲「Always On My Mind」は、何とボン・ジョヴィと歌っている。凄い!
ノラが1stアルバムで「Cold, Cold Heart」を、リトル・ウィリーズでは「I'll Never Get Out〜」をカバーしている。カントリー・ミュージックの伝説のスターであり、天才的なシンガー&ソングライターでもあったハンク・ウィリアムス。29歳で亡くなるまで、6年間のレコーディング期間に残した名曲は数知れず。「Lovesick Blues」や「Hey,Good Lookin」「Your Cheatin' Heart」など全部収録のベスト盤。
元バーズだった二人、グラム・パーソンズとクリス・ヒルマンを中心に結成された、歴史的カントリー・ロック・バンドがフライング・ブリトー・ブラザース。近年の再評価には著しいものがあるが、エルヴィス・コステロなどは、かなり昔からグラムに注目していた。カントリー・ロックで1枚選べと言われたら、迷わず推薦するデビュー作『The Guilded Palace Of Sin』と2作目『Burrito Deluxe』のカップリング盤!
フォーク・ロックにカントリーやブルー・グラスの手法を取り込んだ最初のグループでもあり、元バーズのジーン・クラークと元ディラーズのダグ・ディラードで結成された。1作目の『The Fantastic Expedition〜』は、ジーンのメランコリックな歌声がカントリー・フィールと絶妙に絡み合う「Why Not Your Baby」や「Something's Wrong」が琴線に触れる。 カップリングの2作目ではブルーグラス炸裂!
日本でも根強い人気を誇るポコ。元バッファロー・スプリングフィールドの…と言うより、イーグルスのランディ・マイズナー、ティモシー・シュミットを輩出したグループと言った方がわかりやすい?ハイトーンのハーモニーを生かしたリズミックなカントリーから、メンバーを一新しての大ヒット「Crazy Love」や「Heart Of The Night」でのメロウさが今でも新鮮だ。現在も、オリジナルにかなり近いメンバーで活躍中!
70年代後半のはちきれんばかりのセクシーなお姿は、まさしく“ミス・アメリカ”!音楽性もノリノリのモータウン・カバーから、涙のカーラ・ボノフ・ナンバーまで、ウェスト・コースト・ロックの王道を飾った。本作は、デビュー前のイーグルスをバックにしたカントリー・ロック寄りの名作。ジャクソン・ブラウンのカバー「Rock Me On The Water」が素晴らしい。パッツィ・クラインの「I Fall To Pieces」も情感たっぷり。