2004年の1月からフジテレビ系で放映された月9ドラマ『プライド』。このドラマ主題歌としてお茶の間に届いたのがクイーンの「I Was Born To Love You(ボーン・トゥ・ラヴ・ユー)」だった。主演の木村拓哉人気もあり、1月28日に発売された日本オリジナル企画のクイーンのベスト盤『ジュエルズ』は何と150万枚を突破するメガ・ヒットを記録した。「ボーン・トュ・ラヴ・ユー」だけでなく、ドラマ挿入歌として使われた「ボヘミアン・ラプソディ」や「伝説のチャンピオン」をはじめ、特に日本で人気高いナンバーを中心に収録(微妙にこれまでのベスト盤と選曲が違う)されたこの『ジュエルズ』は、オリコン・チャート初登場1位となり、クイーン再評価が日本中を席巻した。
2005年には、クイーンのミュージカル『We Will Rock You』(2002年にロンドンで初演)が日本上陸!全世界で400万人が熱狂したという、超大型のロック・ミュージカルであり、これまでクイーンを知らなかった世代にも『ジュエルズ』効果が波及したと考えるべきか、日本でも幅広い層にクイーン熱を浸透させ、大成功を収めた。そして、極め付けはクイーンの再結成ツアーだ。 1991年にフレディが、エイズが原因で亡くなってしまったため、実質的なクイーンの活動は休止されていたわけだが、ブライアン・メイとロジャー・テイラーに、元フリー〜バッド・カンパニーのポール・ロジャースをボーカルに加えて、クイーンとしては19年振りになる“クイーン+ポール・ロジャース”のワールド・ツアーが今年の3月に開始された。既に英シェフィールドのハラム・アリーナにて行われたライブ映像が『リターン・オブ・ザ・チャンピオンズ』としてDVD発売されており、来日まで待ちきれないファンは、これを見て期待を膨らませよう。 クイーンは、1970年にブライアン・メイ(ギター、47年生まれ)、ロジャー・テイラー(ドラムス、51年生まれ)が結成していたスマイルというグループに、フレディ・マーキュリー(ボーカル&ピアノ、46年生まれ)が加入して誕生した。71年にはベースのジョン・ディーコン(ベース、51年生まれ)がオーディションで選ばれ、4人のメンバーが揃う。73年7月にデビュー・シングル「炎のロックン・ロール」とアルバム『戦慄の王女』がリリースされ、メディアからはレッド・ツェッペリンの後継者として話題を集める。クイーンはデビュー当時は、ブリティッシュ・ハード・ロックのバンドだったのだ。このクイーンに、世界に先駆けて注目したのが、日本のハード・ロック少女達だった。少女マンガに出てきそうな、“美形ハード・ロック・バンド”は、当時はイギリスよりも日本で熱狂的に迎えられた。 そのクイーンが世界的にブレイクしていくのが、74年10月にリリースされた「キラー・クイーン」の大ヒットだ。フレディの演劇的ともいえるボーカル、ブライアンの独創的なギター・サウンドと万華鏡のようなコーラス・ワークによって、単なるハード・ロックを超えていたクイーンに、ポップな要素が加わったことで、彼らの快進撃が始まった。
クイーンは、時代によって音楽性を変化させながらも、エンターテイメントに徹しショウ・ビジネスの世界に君臨してきた唯一のバンドと言えるだろう。4人のメンバーがそれぞれ個性のある曲を書けた強みもあったろうが、フレディの持つ強烈なキャラクターがクイーン栄光の軌跡を支えてきたと言っていい。そのフレディが亡くなった今でも、彼らの人気は衰えるどころか、第2の黄金期を迎えている。「僕は君を愛するために生まれてきた」と歌う、フレディの声は永遠の輝きを放ち続ける。 (Text/遠藤哲夫) |















