幼稚園の子供たちが、「パフ・ザ・マジック・ドラゴン」という曲を歌っている。‘♪パフ、魔法の竜が〜、暮らしてた〜’という唄いだしのあの歌。今ではドラゴンが怪獣になってたりするが、幼児英語教育の定番ソングでもあり、NHKの「おかあさんといっしょ」とかでもお馴染みの曲である。この「パフ・ザ・マジック・ドラゴン」は元々は、アメリカのモダン・フォークのグループである、ピーター、ポール&マリーによる大ヒット曲として有名だったものだ。
50年代から60年代にかけてのフォーク・リバイバルというブームによって、昔のアメリカ民謡(元はアイルランドやヨーロッパ移民の音楽と南部の黒人奴隷の音楽が交じり合ったもの)や世界各国の民謡を、歌詞を時事的なものに変えたり、メロディをいじったりして、一般大衆に広めたのが、ウディ・ガスリーやピート・シーガー、レッドベリーといったフォーク歌手だった。ウィーヴァーズの50年のヒット「グッドナイト・アイリーン」がきっかけとなり、キングストン・トリオやブラザース・フォー、ピーター・ポール&マリー等の数多くのモダン・フォーク・グループが生まれた。これらのグループの影響を受け、日本でもカレッジ・フォーク(マイク真木の「バラが咲いた」を原点とする)の一大ブームが巻き起こったのを記憶している方も多いと思う。 ピーター、ポール&マリー(以下、PP&M)は、ニューヨークのグリニッチ・ビレッジ出身のインテリっぽいアダルトな雰囲気で、ジョーン・バエズと並んで社会派フォーク(プロテスト・フォーク)の代表として一世を風靡した3人組。ピーター・ヤーロー、ポール・ストゥーキー、そして紅一点のマリー・トラヴァースによって61年に結成され、62年に「レモン・トゥリー」(原曲はブラジル起源の民謡)でデビュー。このシングル曲はチャート40位に止まったが、デビュー・アルバム『ピーター、ポール&マリー』は7週にわたって第1位をキープする快挙を成し遂げた。このアルバムからは、ピート・シーガー作の「天使のハンマー」のベスト10ヒットをはじめ、「500マイルも離れて」「花はどこへいった」などの今やスタンダードとなった名曲も収録されている。 PP&Mの功績は、まず60年代の社会・政治的な動き、公民権運動やベトナム反戦運動において、実際に大衆を先導するような役割を果たした行動主義者だったことと、その運動を象徴する曲、
PP&Mは、69年の『ピーター、ポール&マミー』を最後に10枚のアルバムを残して、70年10月に一旦は解散する。以後、それぞれがソロ・アーティストとしての道を歩むが、78年に再結成された。再結成後の第1作目『夢みる再会』をリリースしてからは、2004年の『イン・ディーズ・タイムズ』に至るまで、11枚に及ぶアルバムを発表し、現役の活動を続けている。その40年以上に及ぶ活動の歴史は、『コンプリートBOX〜キャリー・イット・オン』(2004年)にまとめられた。 もの心ついた頃に、なんとなく聞いた覚えがある、外国語の歌・・・。それは多分、PP&Mが歌っていた曲じゃないでしょうか? (Text/遠藤哲夫) |












