そして、創造性と攻撃性がごちゃまぜになった “音楽的発明”が頂点に達したといえるのが2003年の5作目『Speakerboxxx/The Love Below』。最大のヒット作であり、2004年グラミー賞で“最優秀アルバム”など3部門を受賞した最高傑作だ。ビッグ・ボーイによる『Speakerboxxx』と、アンドレによる『The Love Below』の2枚組という構成になっている。
先行シングルの「Ghettomuzik」はビッグ・ボーイ・サイドからの楽曲で、テクノの領域にまで踏み込んだ、しかしテクノともいい切れない変態的なつくりが新鮮。続いてアンドレ・サイドからカットされた「Hey Ya!」とビッグ・ボーイの「The Way You Move」が、8週連続でシングル・チャート1、2位を独占するという快挙を成し遂げた。これは、かのビートルズを上回る記録なのだとか。
自ら主役を演じた、30年代の南部が舞台の同名映画サントラ。モチーフの特徴を意識しているぶん過去の諸作とは趣が異なっており、ラグタイムやデキシーランド・ジャズ、ブルース、ラテンに至るさまざまな音楽を持ち前の感性によって見事に咀嚼している。キャブ・キャロウェイの名曲「Minnie the Moocher」をサンプルしたシングル「Mighty O」が超強力。