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洋楽TOP > アーティストインデックス > アーティスト特集 > ニルヴァーナ
Nirvana  ニルヴァーナ 『ネヴァーマインド』の衝撃とカート・コバーンの孤独な死 グランジ/オルタナティヴ・シーンの象徴、ニルヴァーナの軌跡!
映画『ラストデイズ』―カート・コバーンに捧ぐ 『グッド・ウィル・ハンティング』『エレファント』等の巨匠ガス・ヴァン・サント監督が、カート・コバーンの最期の2日間を描く。 渋谷シネマライズ 3月18日より絶賛上映中(全国順次)『ラストデイズ』公式HP
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「俺たちのサウンドはブラック・フラッグとブラック・サバスにかきまわされたナックとベイ・シティ・ローラーズみたいなもの」。

メジャー・デビュー作『Nevermind』がアメリカで猛威をふるい、日本上陸を果たした1991年ごろ。冒頭に挙げたカート・コバーンのコメントは、しばし引用された(「かきまわされた」が4文字言葉になっていたり、言い回しは複数ある。余談だが)。引用されたバンドが絶妙、という点もあるが、それよりも「どう説明していいのやら」と、日本のメディアがお手上げだった故だろう。'92年の来日時も「インタビューの際はパジャマ姿でクッキーをかじり続けていた」なんてエピソードが強調され「奇人バンド」扱いの色が濃く、ハッキリ言って「なんだか分からないがアメリカじゃ売れてるから取り上げとこう」という雰囲気であった。ちなみに『Nevermind』の日本盤解説が某有名HR/HM誌の方なのも、その表れと思う(書き出しが「メタリカ・カークが最近お気に入り」である)。彼らの出自はマッドハニー、L7、TADらを輩出したインディ・レーベル「SUB POP」であり、熱心なリスナー以外に日本で知る人は少なかった。また、先輩格(と、しておこう)のソニック・ユースのアート性、ダイナソーJr.の轟音美メロといった、明確なフックが無かった点もあろう。しかし、そんな事はどうでもいいとばかりに、アメリカとおなじく日本でもティーンネイジャーたちは即座に飛びついた。当時は民放でも、とくにUHF局で、洋楽のビデオクリップを見られる機会も多く、チアガールとモッシング、クラウド・サーフがバスケットコートで繰り広げられる「Smells Like Teen Spirit」のクリップを前に、総毛立つものを覚えた記憶がある。遅れてきたパンク・ロック−やっと、自分たちから始まる音楽が誕生した。その興奮が広がっていった。

彼らの成功によって「グランジ」という、実態不明なムーブメントが起きてゆく。ヘヴィ・ロック勢がインディー・シーンより引き上げられ、ボロボロのフランネル・シャツとジーンズはファッショナブルになり、グランジ・カップル(??)を描いた『シングルズ』なんて映画まで制作された。また、カートがフェイバリットに上げたことでメルヴィンズ、ダニエル・ジョンストンなど、メジャー・リリースなど想像不可能だったラインナップが次々スポットライトを浴び、オルタナティブとメインストリームの逆転までも起こりだす。これらのアンダーグラウンドの住人たちは一時のブームに踊らず、今も勝手に音を鳴らし続け、作られた「グランジ・バンド」たちは早々に消えていったことを、念のため記しておこう。結局、個々のアクの強さ、いわばアンダーグラウンドの毒素はマネすることができない。ヘヴィ・リフをなぞった所で、スポーティなメタルにしか成りえなかった。しかし、この「アンダーグラウンド」という事が、徐々にニルヴァーナに影を落としてゆく。

ヒストリーへ戻ろう。カートは'92年初頭、悪評高いホールのボーカリスト、コートニー・ラヴと結婚。案の定、プライベートのゴタゴタがバンド活動に影響し、ほぼ停止状態に。その間にも、バンドへの熱狂的支持、さらにはカートへカリスマ性を求める声は高まってゆく。が、もれ聞こえる新作の情報では、原点回帰、つまりヘヴィかつインディー性の高いものになり、タイトルも“アイ・ヘイト・マイセルフ、アイ・ウォント・トゥ・ダイ”になるらしいなど、物議が醸された。'93年に発表された『In Utero』は、タイトルは違ったが前評判どおりにヘヴィな一作に。硬質サウンドの名工・スティーヴ・アルビニをプロデューサーに迎え、「Rape Me」などヘヴィさが際立つ曲たちが並んだ。英米で初登場1位を記録し、理想のサウンドでもポピュラリティを獲得できた…と、いま振り返れば言えるかもしれない。しかし「Smells〜」のような爆発するポップ性の不足はやはり賛否分かれていた。今となれば「伝説」なのかもしれないが。ただ、ラストを飾る「All Apologies」の静謐とした美しさは新境地であり、ドラッグ渦を危惧されていたカートも未来を見ているのだ…と、感じさせていたのだが。

明けて'94年の4月。本人の意思と無関係に渦巻く名声と期待、それに反する自らの居たい場所=アンダーグラウンドとの間で混迷を極めた末、カート・コバーンは自ら猟銃で頭を撃ち抜いた。享年27歳。望まざると、伝説のロッカーとなってしまった。死後、 『MTV Unplugged In New York』『From The Muddy Banks Of The Wishkah』という、対照的だが内容の素晴らしさでは比肩する2枚のライブ・アルバムが発表された。前者にはデヴィッド・ボウイの「世界を売った男」のカヴァーが収録され、推測好きな人たちにはカートの心理・心境を思う格好の的になった。ともあれ、B.C.Rとまで言わずとも、爆音を脱いだことでメロディのキャッチーさが際立つ。後者は、ひたすらパワーの塊。今からニルヴァーナを聴くならば、まずこの作品をおすすめしたい。どの曲も聴いてほしいが、「Intro」に入ったスクリームが凄まじい。恐らくリハーサルの模様だろうが、この声を出せた人間が死んでいるとは思えない。ロウ・パワーという言葉がよぎる。彼らの軌跡を美化して眺めているくらいなら、まずは何回でも音に触れるべきだ。

昨年の話だが、デイヴ・グロール(dr・現 フー・ファイターズ)が、モーター・ヘッドのレミーを始め憧れのメタル・プレイヤーを集結させ、無邪気に轟音だらけのアルバムを作っていた。非常に大人げなくハシャぐさまは、素直にロックが好きでしょうがないのだなと、痛快に思った。ニルヴァーナの本質も、結局はそうなんだろう。その突き詰め方が、ストイックに、ネガティブに作用してしまった事だけが、くやしい。伝説の、なんてことはどうでもいい。素直に、もう一枚、もう一曲でも多く、ニルヴァーナが存在していてほしかった。(Text/原田竜太)
Selected Discography
『Nevermind』1991
“オルタナティブ”の奔流を促し、アメリカのロックシーンの位相を完全に逆転させた一作。プロデュースは後にガービッジを結成するブッチ・ウィッグ、ミックスにアンディ・ウォレスを起用し、クリアなのにヘヴィという全く新しい音が生まれた。改めて聴くと「Come As You Are」「Territorial Pissings」あたりの直線的なリフがニルヴァーナの基本であり、「Smells Like Teen Spirit」は異質ともいえるポップ性の高いナンバーなのだと思った。しかし、この破壊力はやはり凄まじい。他にも、ドアーズの匂いを感じさせる「Lounge Act」、次作へ繋がるダークネスを持つ「Polly」など、曲のバリエーションも広い。誤解を恐れもせず、90年代最強のポップ・アルバムのひとつと呼びたい。
おすすめトラック
Smells Like Teen Spirit   >>試聴
Come As You Are   >>試聴
In Bloom   >>試聴
Breed   >>試聴
Territorial Pissings   >>試聴
『In Utero』1993
バック・トゥ・シアトル…?スケールの大きさは一介のバンドでは出せぬものだが、音の硬さ、ズブズブと足がのめり込んでいくようにダークな楽曲群は、アンダーグラウンド・ヘヴィ・ロックの香りがする。ソリッドな音作りならNo.1であるスティーブ・アルビニをプロデュースに迎え、轟音の渦が生まれた。悲痛さを音に変えたような「Rape Me」、ジキー期のデヴィッド・ボウイを思わせるスリリングな「Very Ape」、あえて爆発させることなく感情を滲み出させる「All Apologies」など、アルビニ・ワークも奏功し、ひたすら生々しい音が突き刺さってくる。一部のファンには、デイブのプレイが彼らへの影響度・大な“世界で最も遅いバンド”メルヴィンズの雰囲気があったことが地味に評判となった。
おすすめトラック
Rape Me   >>試聴
Very Ape   >>試聴
Frances Farmer Will Have Her Revenge On Seattle   >>試聴
Pennyroyal Tea   >>試聴
All Apologies   >>試聴
『MTV Unplugged In New York』1994
音楽専門チャンネル『MTV』の企画に出演した際のライブ録音。アンプラグド、つまり、ほぼアコースティックという、ニルヴァーナのイメージとは離れたスタイルであり、出演自体に驚きの声が上がった。当日は3人に加え、USオルタナの良心(そんなものあるのか?)ミート・パペッツのメンバーや、のちにデイブとフー・ファイターズを結成するパット・スメア(現在は脱退)などのラインナップ。「Come As You Are」「All Apologies」といった自曲はもちろんだが、時に影響を感じてならないデヴィッド・ボウイ、カートの愛するグラスゴーのバンド・ヴァセリンズ、ミート・パペッツといったカヴァーも織り交ぜてプレイ。カートのリラックスした様が伝わってくる、貴重な作品である。
おすすめトラック
Come As You Are   >>試聴
Jesus Doesn't Want Me For A Sunbeam   >>試聴
The Man Who Sold The World   >>試聴
Oh Me   >>試聴
All Apologies   >>試聴
『From The Muddy Banks Of The Wishkah』1996
通称「ライヴ・ベスト・アルバム」。クリス・ノヴォセリック(ba)自ら、膨大なライブテープより17曲を厳選した一枚。録音場所、状態などまったく異なるらしいが、まるで一晩のステージを聴いてるように思える愛情と手間をかけた編集が素晴らしい。普通は目玉だろう「Smells Like Teen Spirit」が、やや勢いとパワーに欠けるのが笑える。しかし、カートのノドはどんな作りなんだ?と、心底驚かされるボーカルである。枯れる寸前で伸びる所が、特に凄い。また、スタジオ盤よりも米オルタナティブの「2大ブラック」=ブラック・サバス、ブラック・フラッグの影響を特にギター・プレイ(リフ)から感じる。しかし、デイブのドラムを聴くと現在フロントマンなのが惜しくなる。
おすすめトラック
Drain You   >>試聴
Smells Like Teen Spirit   >>試聴
Lithium   >>試聴
Sliver   >>試聴
Breed   >>試聴
グランジ/オルタナおすすめ
Sonic Youth   『Daydream Nation』 Jane's Addiction  『Nothing’s Shocking』
 
USオルタナの名門レーベル・SSTの出身にして、メジャー展開の先駆者でもある。本作の冒頭「Teen Age Riot」は、タイトルどおり、この時代、世代のアンセムと言えよう。
 
ライブ・サーキット『Lollapalooza』の創始者、ペリー・ファレル率いるジェーンズ。ツェッペリンの影響を色濃く見せ、とかく完成度が高い。グランジとは極北の存在か。
 
Smashing Pumpkins  『Siamese Dream』 Mudhoney   『Tomorrow Hit Today』
 
後期は(ビリーのルックス含め)メカニカルに、カオティックになっていったスマパン。しかし“粉砕かぼちゃ”というバンド名が表すファニーさも感じるなら、やはり初期作。
 
ニルヴァーナとは「SUB POP」レーベル・メイトであり、グランジを語る際には必ず3番目くらいに登場。こちらは'98年作で、ブルー・チアーにモーター付けた如き爆音サイケ。
 
Soundgarden   『Superunknown』 Butthole Surfers   『PIOUGHED』
 
いまはオーディオ・スレイブのフロントマンであるクリス・コーネルが在籍。メジャー感もあるハードロックだが、彼らも名門・SSTの出身。よって、音の芯は極太、濃厚風味。
 
こちらも名門レーベル・Alternative Tentacles出身。本作はドのつくアングラ状態からジョン・ポール・ジョーンズのプロデュース作への橋渡し的一枚。崩壊寸前のポップ!
 
Daniel Johnston  『Fun』 Hole   『Live Through This』
 
カートは、このアーティストの純粋さを愛した。今も両親と暮らす45歳の天然児シンガーのグランジ・バブルが生んだ唯一のメジャー作。自然と泣けるメロディ満載。
 
最後の1点に悩んだが、カートの奥方・コートニーのバンドを。没後すぐの発売で話題が先行したが、単純に曲がよい。デボラ・ハリーの系譜にあるボーカルもクール。
 




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  吉井さんのHPのINFOが更新されていました。 ニルヴァーナ トリビュートの参加曲決定! アルバム'''Nevermind'''に収録されている''…
  トラックバック時刻:2006年03月31日 15時50分



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