バッファロー・スプリングフィールド解散後にリリースしたソロ1作目は、そのバッファローの『アゲイン』で披露していたフィル・スペクター的パラノイアックな世界がまだ垣間見える。一方で、「I've Been Waiting For You」や「If I Could Have Her Tonight」での砂糖菓子のような純真さは、内省的な重さとの微妙なバランスを表している。外側に向かうパワーがまだ不足している感じか。
旧友ダニー・ウィッテンのロケッツというバンドを自らのバック・バンドに引き抜いて、前作から4ヶ月あまりで発表された生気溢れるアルバム。今でもライブでの重要なレパートリーとなっている「Down By The River」「Cowgirl In The Sand」といった名曲を収録。クレイジー・ホース(元ロケッツ)の荒々しい演奏を切り裂いて、ニールのグランジ・ギターの原点といえるソロがすでに聴ける。
ドラッグのオーバードーズで亡くなったバンド仲間ダニー・ウィッテンと、ローディーのブルース・ペリーへの追悼作として企画されたアルバムだったが、あまりに暗いということで発売延期に。へべれけに酔った状態で一夜のうちに録音されたトラックが中心となり、「Mellow My Mind」「Albuquerque」でのあまりにリアル過ぎる感情の吐露に、こちらも胸が張り裂けそうになる。心の底からの慈しみを感じる。
爆発的に売れた『ハーヴェスト』以降、『今宵その夜』は勿論だが、『渚にて』も引き摺るような暗さが見え隠れしたアルバムだったから、久々に開放的なアルバムとなった『ズマ』はニールの新たな出発点として歓迎された。「Don't Cry No Tears」や「Lookin' For A Love」のポジティブな響きはその代表的なものだろう。「Danger Bird」や「Cortez The Killer」でのハードな音も緊張感に溢れるもの。
ニールのパンク・ロックへの返答としてあまりに有名な1曲「Hey Hey, My My」を収録した名盤。“錆びるより燃え尽きたい”というフレーズは、カート・コバーンの遺書でも引用されたが、 ニールの新たなロック宣言でもあった。比較的アコースティックな前半には「Thrasher」「Pocahontas」という名曲を配し、後半で一気に爆発する構成も見事。このノイジーさが後の“グランジ大王”の布石となる。
90年代に向けてのアンセムでもある「Rockin’In The Free World」は、今でも世界に向けたメッセージとして重要な意味を持ち、ライブでも中核をなすナンバーとして、その存在は大きい。ゲフィン時代の迷走から脱け出し、ニールの本領発揮と受け止められたアルバムだが、結構バラエティに富んだ内容で、リンダ・ロンシュタットとのデュエットや、フォーク・タッチの「Too Far Gone」も聴き逃せない。
70年代の米ウェスト・コーストのサウンドを決定付けた、クロスビー、ステイルス&ナッシュの登場。バッファロー・スプリングフィールド、バーズ、ホリーズのメンバーが集まったスーパー・グループでもあったが、後にヤングが加わり発表した『デジャ・ヴ』はロックの金字塔となった。その『デジャ・ヴ』に入っていた、スティルス作の「Carry On」のダイナミズム、ナッシュ作で映画「いちご白書」や「小さな恋のメロディ」などにも使われ、大ヒットとなった「Teach Your Children」や「Our House」といった繊細な優しさなど、時代を象徴する名曲が並ぶ。ヤングが提供した「Helpless」は、その絶望感から旅立つ「孤独の旅路」へとつながっていく。