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2006/10/25 Release ダウンロード価格 アルバム \1,500(税込) トラック 各\150(税込)
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2006/10/25 Release ダウンロード価格 トラック 各\150(税込)
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秋も深まってくると、女性ボーカルが恋しくなる。ジャジーなダイアナ・クラールやホリー・コール、カサンドラ・ウィルソンあたりもいいのだが、和み系のボーカルを求めるならノラ・ジョーンズやマデリン・ペルーがぴったりだ。日本では、ノラ・ジョーンズほどの知名度はまだないマデリン・ペルーであるが、10月にリリースした通算3作目となる『ハーフ・ザ・パーフェクト〜幸せになる12の方法』が、多方面で絶賛されている。
マデリン・ペルーは、1973年、アメリカのジョージア州生まれ。マデリンという名前は、フランス語の教師をしていたという母親が、フランス文化への憧れをこめて付けたものだという。13歳の時に母親と一緒にフランスのパリに移住し、15歳からパリのストリートで歌い始めた。父親がニューオーリンズ生まれだったこともあり、小さい頃からジャズに親しんでいたマデリンは、エディット・ピアフなどのフランスの歌手もよく聴いていたそうだ。やがて、ロスト・ワンダリング・ブルース&ジャズ・バンドという、古いジャズやシャンソンをレパートリーとしていたバンドに加わり、ヨーロッパ中を旅して回った。その頃にデビュー・アルバムのプロデューサーとなるイヴ・ボーヴェスに出会っている。
22歳でアメリカに帰国し、デビュー作『ドリーム・ランド』を96年にリリースした。サウンド面で大きな役割を担っているのは、トム・ウェイツのパートナーとしても有名なベーシスト/プロデューサーのグレッグ・コーエン。マデリンのストリートで培われた持ち味を損なわずに、ジャジーでありながら、どこかノスタルジックな響きを持ったサウンドは、確かにトム・ウェイツの大道芸のような世界にも通じるものがある。ベッシー・スミスやビリー・ホリデイのブルージーなジャズから、カントリーのパッツィ・クライン、エディット・ピアフまで、個性的なカバー曲を独自のスタイルで歌い上げている。
マデリンはこの後、何故か音楽シーンから姿を消して空白の8年間を送るが、2004年のカムバック作となる『ケアレス・ラヴ』が世界的に大ヒット。ジョニ・ミッチェルの元旦那でベーシスト、ラリー・クラインのプロデュースで、“古き良き時代”の匂いはそのままに、パリのカフェにも似合いそうなアンニュイさを付け加えている。この2作目の延長線上に、新作『ハーフ・ザ・パーフェクト〜』はあると言える。
本作は、前作に引き続きラリー・クラインがプロデュース。タイトル曲となっているレナード・コーエンの曲が重要な位置を占め、ジョニ・ミッチェルの「リヴァー」、フレッド・ニールの「うわさの男」(ニルソンのヒットで有名)、トム・ウェイツの「土曜日の夜」、セルジュ・ゲンスブールの「ラ・ジャヴァネーズ」といった多彩なカバー曲を収録。さらに、チャップリン作のスタンダード「スマイル」も大きな話題となるだろう。オリジナルでは、スティーリー・ダンのウォルター・ベッカーとの共作となる「悲しみにさよなら」のほか、前作で「ドント・ウェイト・トゥー・ロング」を共作していたジェシー・ハリス(ノラ・ジョーンズの「Don't Know Why」の作者)との曲も3曲入っている。歌の上手さや迫力で聴かせるのではなく、柔らかな感性とひたむきさ、どこか懐かしくて新しい感じが、軽やかに聴き手の心に入り込んでくる。カバー曲によせる絶対的な信頼という意味では、k.d.ラングの『ヒムズ・オブ・ザ・フォーティーナインス・パラレル』と並んで、一生ものの一枚である。
(Text/遠藤哲夫)