“ゲロッパ!”とは何か?
勿論、ゲロを吐くことではない。 井筒和幸監督がジェームス・ブラウンに捧げた痛快コメディー映画『ゲロッパ!』('03年)でもお馴染みのように、ジェームス・ブラウンのヒット曲「セックス・マシーン」の歌詞“Get Up!”が“ゲロッパ”と聞こえることから、“ファンクの帝王”ジェームス・ブラウンをリスペクトする意味で使っているのだ。 ジェームス・ブラウン(以下、JB)は1933年5月3日の生まれなので、今年で73歳になる。'56年に「プリーズ・プリーズ・プリーズ」でレコード・デビューして以来、今年がデビュー50周年となる。その記念すべき50周年のライブが日本で開催されることが決定し、話題となっている。ラスベガスでも実現しない50周年ライブ。JBは'03年にも来日し、「これが最後の来日公演!」と騒がれたが、あっさりと裏切ってくれるあたり、いかにもJBらしい。最近の話題としては、妻への虐待や薬物使用で逮捕されたり、'88年のレイプ事件で告訴されたり(結局、棄却となる)、前立腺ガンの手術で入院したりと、相変らずの“お騒がせオヤジ”ぶりを発揮しているが、70歳を超えて今なお、ここまで現役バリバリ感が漲っているアーティストが他にいるだろうか? JBは音楽的に見れば、R&Bが“リズム&ブルース”と呼ばれていた時代から、黒人音楽のイノベイターとして、数々の偉業を成し遂げてきたスーパースターである。売春宿で芸を身に付け、ゴスペル・コーラス・グループを作り、リトル・リチャードの真似をし、ソウル・シンガーとしてヒットを連発し、そしてファンクの創始者となったJB。初期の代表的なバラード、「プリーズ・プリーズ・プリーズ」や「トライ・ミー」「ロスト・サムワン」「プリズナー・オブ・ラヴ」、そして大ヒットの「イッツ・ア・マンズ・マンズ・マンズ・ワールド」などは、確かにJBの切れそうな程テンションが高いボーカルの魅力を味わうことができる。しかし、JBの偉大さは、ファンク・ミュージックを生み出した、そのリズムの革新者としての影響力の大きさにある。
ディスコ・ブームの影で、これまでのステイタスを維持するだけになっていたJBだが、80年代に入りヒップホップ世代の登場と共に、見事復活を遂げる。JBへのリスペクトを惜しまないアーティスト達がJBを担ぎ出し、今やクラブ・ミュージックの中でも欠かすことの出来ない音楽となっている。今回の来日公演、“ファンク”の生きる伝説を、目に焼き付ける最後のチャンスとなるかも!? (Text/遠藤哲夫) *この特集は2006年2月にアップしたものです(追悼の部分は後で追加)。 |









