前作『ア・デイ・ウィズアウト・レイン』が出たのが、2000年の10月。5年ぶりとなる待望の新作『アマランタイン』が遂に11月23日にリリースとなる。前々作の『メモリー・オブ・トゥリーズ』が出たのが1995年だったので、5年ごとにオリジナル・アルバムを発表していることになる。
全世界で5000万枚以上のセールスを記録している『ア・デイ・ウィズアウト・レイン』からは、「オンリー・タイム」や「ワイルド・チャイルド」といった曲が、日本でもTV-CMや映画のテーマ曲として使われ、誰もが耳にしたことのある曲となっている。 今回、先行シングルとしてリリースされる、アルバム・タイトルにもなっている「アマランタイン」は、「ワイルド・チャイルド」の柔らかでリズミックな感じと、「オンリー・タイム」の時空を超えていくような崇高さのどちらも併せ持つ、幻想的なナンバー。‘アマランタイン’のリフレインが深い催眠効果をともなって、天空を漂っているような気持ちになる。 ‘アマランタイン’とは、一般には植物のアマランサスのことで、仙人穀とか紐鶏頭と呼ばれる、南米産のヒユ科の穀物である。歴史的には、紀元前5千年〜3千年にアンデスのアステカ族が栽培し,トウモロコシ・豆類に匹敵する重要作物であったという。観賞用(赤い花が咲く)にも栽培されているが、栄養成分が豊富なので、その穀実は健康食として最近注目されている。 エンヤがここで使っている意味は、詩人が"永遠の花"を語る時に使う言葉としてだ。エンヤ曰く、「‘アマランタイン'と呼んだのは永遠性を込めてのことなの。私はずっとこのイメージが大好きだったのよ。私たちは2年間かけて新作を作ったのだけど、やっと全てが実りを迎え、皆さんに私たちがやってきたことを聴いて頂くこの時は、私にとってとても心踊る瞬間なの!」 植物といえば、1年程前にエンヤの歌声がパナソニックの薄型テレビ“VIERA”のCMで流れた。それはエンヤが日本語で歌っている、松尾芭蕉の「野ざらし紀行」をモチーフにした「菫草〜SUMIREGUSA〜」という曲。エンヤは以前から日本語で歌いたいという願望があり、今回の新作にはその曲も収録されている。“VIERA”の新CMには、今度はこの「アマランタイン」が使われる。前作では、エンヤの心の内面、人生や愛についても明かしていることが驚きでもあり、エンヤを身近に感じられた部分だった。この『アマランタイン』でも、また新たなエンヤを発見できるはずだ。 (Text/遠藤哲夫) |






