“世界初のボーイ・ソプラノ・バンド”ということで話題となっているクワイヤーボーイズ。“ボーイズ・クワイアー”は、英国のリベラやボーイズ・エア・クワイアなど、幾つか活躍しているが、彼等は3人組のボーイ・ソプラノ・バンドなのだ。現在、平均年齢11.3歳の彼等は、変声期を迎えると引退しなくてはならないため、このアルバムが最初で最後になるという。これも、凄い話だ。
日本では一足先に注目を浴びている、同じ英国の男性ボーカル・グループ、イル・ディーヴォは、ポップス・ナンバーをオペラ風にアレンジして、クラシカル・クロスオーバー界の男性版ディーヴァとしての地位を築いているが、このクワイヤーボーイズは、その少年版と捕らえることもできる。つい先日、プロモーション来日し、「めざましどようび」や「題名のない音楽会」、その他ラジオ番組多数に出演し“天使の歌声”を披露したので、耳にされた方も多いはず。
クワイヤーボーイズの3人は、何百人もの男の子たちの中からオーディションされ、サウスウェル大聖堂聖歌隊からベン・インマン(12歳)、有名なイーリー大聖堂聖歌隊からパトリック・アスベリー(12歳)とCJ.ポーター=ソウ(10歳)が選ばれた。元祖ボーイ・ソプラノとして知られるアレッド・ジョーンズと、“世界でひとつのピュア・ヴォイス”ヘイリーを手がけるスティーヴ・アボットが共同でマネージメントを担当している。
ブランド・スーツを着たカッコいいボーイズ・バンド。そんなイメージのクワイヤーボーイズだが、彼らはこのジャンルの音楽に、まったく新しいオーディエンスを引き込んで、アレッド・ジョーンズが20年前に「ウォーキング・イン・ジ・エア」で国民の心をつかんで以来、初めてトップ20に食い込もうとしている。
このデビュー・アルバムは昨年の夏、ウェストミンスター大聖堂音楽監督のマーティン・ニアリー率いるイギリス室内管弦楽団と共に、レコーディングされた。アレグリの「ミゼレーレ」をはじめとするヒーリング系クラシック楽曲から、現代のセイクレッド・ソング・ライター、ジョン・ラターの作品、そしてあのエリック・クラプトンの「ティアーズ・イン・ヘヴン」、ホリーズでヒットした「兄弟の誓い」などのポップ・ソングまで収録された多彩な内容となっている。究極のヒーリング・ボイスが堪能できる極上のボーカル・アルバムであり、ヘイリーが参加した「ドゥ・ユー・ヒア・ホワット・アイ・ヒア?」や、人気TV番組『Mr.ビーン』の主題歌「この人を見よ」、アイルランド民謡である「ダニー・ボーイ/カーリック・ファーガス」にも注目だ。
変声期前の、一生に一度の声が瞬間パックされた、このアルバム。心に爽やかな風を運んでくれる。
(Text/遠藤哲夫) |








