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洋楽TOP > アーティストインデックス > アーティスト特集 > Bjork
featured artist Bjork ビヨーク
狂暴で妖艶、そして神聖 変幻自在のアーティスト、ビョーク! エレクトロニック・ビートの彼方に見つけたビョークの宇宙!
「すべては愛で満ちている
ただ、あなたがそれを受け取っていないだけ」
と歌われる「All Is Full Of Love」は、ビョークの3作目『ホモジェニック』(97年)の最後に収められていたナンバーだ。この、まるで天使が舞い降りてくるような聖なる美しさに満ちた曲は、ビョークが語るに、4年後に世に出る『ヴェスパタイン』(01年)の1曲目、という位置づけにある。『ホモジェニック』と『ヴェスパタイン』という、“夏”と“冬”くらいに対極的なアルバムは、最後の1曲でつながっていた。

ご存知のようにビョークは、『ホモジェニック』をリリースした後、ラース・ファン・トリアー監督の映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に主演し、3年近くの時間を映画に費やすことになるので、『ヴェスパタイン』の新たな音楽性は、『ホモジェニック』の時点で、すでに進むべき方向性が見えていたことになる。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は生きることの希望と絶望を描いた映画だったが、ビョーク自身、精神的に過酷な状況に陥ったようだ。その体験を経たうえでの『ヴェスパタイン』は、他者とのコミュニケーションに挑戦することを止めて、自分自身の内面に戻っていくために作られたアルバムだ。

ビョークの音楽的な変遷は、外の世界といかにコミュニケートしていくかという、これまでの自分にはなかった外向的な挑戦の歴史でもある。アイスランドからロンドンに出てきて、自分を押し出していくことで原石の輝きのような『デビュー』が生まれ、多くのクリエイター達とのコミュニケーションの中から、エレクトロの要素を大幅に取り入れてポップな煌きを持つ『ポスト』が生まれた。その集大成が、アグレッシブで強さを感じる、何かに立ち向かっていくような『ホモジェニック』であった。

その『ホモジェニック』と背中合わせのアルバムが、内向的で自分ひとりの生活の中に幸せを見出していこうとする『ヴェスパタイン』であって、それは自分自身とコミュニケートしていくためのアルバムのようでもある。子供の頃も、10代になってからもほとんど誰とも口をきかないで育ってきたというビョークの、自分だけのパラダイスがこのアルバムの中にはある。ビョーク自身の中で鳴っている音が、マジカルな響きとしてリスナーに届いた時、このアルバムは、その人にとって必要な音となり、今ある自分が好きになれるような、そんな気持ちにさせてくれるアルバム。ビョークの最高傑作であり、誰もこんなアルバムは作れないだろう。

ビョークはこの後、ほぼ全編、人間の声だけで作り上げた『メダラ』(04年)をリリースするわけだが、これまでの音楽の基盤であったエレクトロニック・ビート+ストリングスという組み合わせから、楽器を外してしまうという大胆な方法論。エレクトロを駆使して、内なる小宇宙を表現し尽くしたビョークが向かった新たな場所は、究極のオーガニック楽器ともいえる“声”そのものだった。声のシンフォニーである『メダラ』には、荘厳さや官能などあらゆる感情が、根源的な表現として無秩序に並んでいる印象を受ける。本能のアルバムなのである。

Greatest Hits 最後に、ビョークを知るためにこれだけは外せない5曲を。
Human Behaviour
Hyperballad
Bachelorette
All Is Full Of Love
Pagan Poetry
(Text/遠藤哲夫)
Discography
シュガーキューブス  詳細はこちら
Sugarcubes   『Life's Too Good』1988 Sugarcubes   『The Great Crossover Potential』1998
87年にUKのインディペンデント・レーベル“One Little Indian”と契約し、シングル「Birthday」(英語ヴァージョン)を発表。88年にこのデビュー・アルバム『Life's Too Good』をリリースして、人気沸騰。パンク/ニューウェイヴを元にした独特のポップ・センスと、ビョークとアイナーによる男女ボーカル(メインはビョークだが)で、かなり個性的なグループだった。アイスランドのトーキング・ヘッズのような雰囲気も・・・。 彼等が残した3枚のオリジナル・アルバム『Life's Too Good』『Here Today,Tomorrow Next Week!』『Stick Around For Joy』からセレクトされたベスト盤。ネオアコっぽい「Hit」や「Vitamin」のキラキラ感も微笑ましい。ビョークはバンド後期になると、ジャズ・アルバム『Gling Glo』の制作や、808ステイトへのゲスト参加などが目立ってきて、92年にリミックス・アルバム『It's It』を最後にバンドは解散する。
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ビョーク・オリジナル・アルバム
『Debut』1993 『Post』1995
シュガーキューブス解散後、ロンドンに出てきて、ソウルUソウルのプロデューサーであったネリー・フーパーを迎えて制作されたソロ1作目。ネリーならではの手法で、ビョークのエキセントリックなボーカルと、テクノ/ハウス・サウンドを融合させているが、不思議な手作り感が残る。ブラス・アレンジで海の底をイメージさせる「The Anchor Song」や、ジャズ・スタンダード「Like Someone In Love」でのハープ使いも見事。 デビュー作のモノトーンの世界から、一気に極彩色になったジャケットのように、様々なゲスト(ハウィーBや808ステイトのグラハム・マッセイ、トリッキー等)を迎えバラエティー豊かで、弾けたダンス・ポップを聴かせる。荒々しい「Army Of Me」から、初期の名曲「Hyperballad」、ストリングスが美しい「Isobel」、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のミュージカル風でもある「It's Oh So Quiet」の溢れ出る歓喜も印象的。
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『Homogenic』1997 『Vespertine』2001
音楽的なプロダクション面から見れば1番完成度が高いアルバムであろう。1曲目の「Hunter」からボレロをドラムンベースで処理するという奇想天外さ。続く「Joga」や「Unravel」「Bachelorette」でのビュークのボーカルは、エモーショナルで最高の力強さを持っている。全体を通じて灼熱の砂漠を思わせるような熱さが漲るアルバムであり、テクノロジーと人間の究極の融合がここにある。装飾を排した躍動する一つ一つの音が凄い。 ビョークのアルバムの中では最も静かな1枚であり、『ホモジェニック』とは対照的に、冬の世界をイメージした凍てつくように透き通ったアルバム。アグレッシヴに外へと向かっていたエネルギーは、自分自身へと深く降りていき、「このアルバムに鳴る音はわたしの細胞の音」と語るように、ビョークの内面が結晶化されている。神聖でもある「Pagan Poetry」や「Aurora」をはじめ、すべてが祈りにも似た優しさと慈しみに溢れる。
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『Medulla』2004
『デビュー・ベスト・ミクシーズ』1994
デビュー・アルバムからの4曲のリミックスを6バージョン収録。何といってもアンダーワールドによる「Human Behaviour」は必聴!ブラック・ドッグも2曲手掛けている。
『Telegram』 1996
セカンド・アルバム『ポスト』のリミックス盤。本体よりもこちらの方がカッコいい、という曲が確実にあるので聞き逃せない。「Hyperballad」「Isobel」はかなり面白い。

ソロ5作目にあたる本作は、人間の声だけで作られた究極のオーガニック作品(一部の曲でエレクトロニック・ビート、ピアノを使用)。タイトルは“脊髄(髄質)”を意味し、根幹的なものを表す。アテネ・オリンピックの開会式で歌われた「Oceania」には、政治的な主張も込められた。イヌイット族のタニア・タガックから、日本人のドカカ(ビートボクサー)、ロバート・ワイアットなど国境を越えた総勢50名に及ぶ声から成る。


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サウンドトラック・アルバム
『Selmasongs』2000  (『ダンサー・イン・ザ・ダーク』サウンドトラック盤) 『Drawing Restraint 9』2005  (『拘束のドローイング 9』サウンドトラック盤)
2000年のカンヌ映画祭パルムドール(金賞)受賞作品であり、ビョーク自身も主演女優賞に輝いた『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。ラース・フォン・トリアー監督による、ここまでビョークを追い込むか、というくらい人体実験のような凄まじいストーリーが展開する。ミュージカル映画の側面もあるだけに、歌っている時の幸せそうなビョークの表情は天使のようだ。「I've Seen It All」はレディオヘッドのトム・ヨークとのデュエット。 ニューヨーク在住の前衛芸術家マシュー・バーニー(ビョークの夫でもあり、二人の間には子供もいる)による、日本文化を題材にした映画が『拘束のドローイング 9』で、ビョークが音楽を担当し、出演もしている。「茶道」と「捕鯨」にインスピレーションを受けた幻想的な物語。“注連縄”という曲もあり、日本伝統音楽やミニマル音楽、そして『メダラ』のようなシャーマニックな音楽が詰まっているが、歌入りは3曲のみ。
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ライブアルバム *2003年のフジ・ロック出演時の来日記念『ザ・ライヴ・ボックス』(4CD+Bonus DVDの5枚組BOX)の4CDを単品化したもの。
関連おすすめアルバム
Sigur Ros シガー・ロス  『Hoppipolla』2005 Radiohead レディオヘッド  『Kid A』2003
アイスランド出身の、アンビエント的で、音が時間を止めるような美しい響きを奏でるポスト・ロック・バンド。スローコア的な部分もあり、ノイズ・ギターに異星からの呪文のようなボーカルが絡む不思議な世界。前作『( )』は、曲にタイトルさえ付いていないトータル・アルバムだったが、4作目にあたる『Takk...』からのリード・トラック「Glosoli」と「Hoppipolla」は親しみやすく圧倒的な美しさを持つ。 97年にリリースした『OKコンピューター』で、ビートルズ以降の最も重要かつ才能あるバンドとして認知されたレディオヘッド。煩悩渦巻く世界から、感情の昂ぶりを抑えきれずに爆発した『ベンズ』を経て発表された、世紀の傑作『OKコンピューター』の後で、彼らは又しても奇跡を見せてくれた。ハードディスク・レコーディングの手法を用い、音を切り刻むようにして作り上げた分裂症的なアルバムでありながら、ロックの未来をエレクトロニカ的側面から提示した。自分達の内臓を曝け出すような冷徹な生々しさに満ち、次作『アムニージアック』と対を成すアルバムでもある。
*アルバム単位でのみご購入できます(単曲売りはありません)
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イギリスはブリストル出身の、クラブ・シーンに絶大な影響を及ぼしたバンドであり、R&B、レゲエ、ダブ、テクノなどを融合させたトリップ・ホップというジャンルのパイオニア。4作目となる本作では、重低音を響かせる狂気の世界がよりシュールな美しさを伴って展開する。3Dのワンマン・バンドのような感じになってしまったが、エリザベス・フレイザーとシニード・オコナーのボーカルが幽玄に響く。 ブリストル・サウンドをマッシヴ・アタックと共に代表するのがポーティスヘッド。ジェフ・バロウと女性シンガーのベス・ギボンズのユニットであるが、ベスの隠花のように切なく暗い色気にメロメロなファンは多い。「Sour Times」でのヨーロッパ的な退廃美や、リブ・タイラー主演の映画『魅せられて』にも使われた「Glory Box」の憂鬱さに、中毒になってしまいそう。
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ユニバーサルインターナショナル(ビョーク)  http://www.universal-music.co.jp/u-pop/artist/bjork/index.html
Bjork Official Site  http://www.bjork.com/
アーティスト詳細ページ  /search_detail_artist/artist_id/at0000008550/




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