近未来、地球上の全ての楽器は葬り去られ、音楽を作ることが禁止された。
コンピューターによる画一的な音楽で人々をコントロールし、世界を握ろうとするキラークイーンと、それに立ち向かう若者たち。
楽器がなくてもロックはできると刻みだしたリズム「WE WILL ROCK YOU」が、ロックを、自由な世界を呼び戻す―。
Photograph of original London production
by Catherine Ashmore and Dave Bennet.
Photograph of original Australian
touring cast by Serge Thomann.
ベスト盤『JEWELS』『JEWELSU』がロングヒットを記録、“クイーン熱”が日本を包む中で『WE WLL ROCK YOU』が遂に上陸!2002年5月の初演から公演回数は1000回を突破、300万人を動員したイギリスを始め世界中を熱狂させている破格のロック・ミュージカルである。
「破格」の理由のひとつは、豪華クリエイター陣。クイーンのブライアン・メイ(g)、ロジャー・テイラー(dr)が全面監修、ロバート・デ・ニーロの会社トライベッカが出資、人気俳優にしてベストセラー放送作家のベン・エルトンが脚本を担当…と、枚挙に暇がない。
また、演奏はすべて生バンドによるもの、ハイテクを駆使した舞台効果なども、まさに破格。
ミュージカルの枠を超えた一大エンターテインメント・ショウなのである。
(左から)ベン・エルトン、ロバート・デ・ニーロ、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー
Photograph of original Australian
touring cast by Serge Thomann.
この夏、何をしようかとお迷いのあなた。まずは、新宿に行ってみよう。歌舞伎町のあちこちに、ミュージカル『WE WILL ROCK YOU』(以下、WWRY)の宣伝が出されていることに気がつくだろう。そう、5月〜8月の間、新宿コマ劇場を中心に、ここ歌舞伎町はWWRY一色に染まっているのだ。
ロックファンでなくても、偉大なるロックバンド・クイーンの名前ぐらいは聞いたことがあるという人は多いと思う。タイトルを知らなくても「あっ、この曲なら知ってる」という若い世代も多くいるだろう。ここ数年、というよりこの20年間、クイーンがライブ活動から遠のいた後も、彼らの曲はドラマやCMで繰り返し使われてきているからだ。クイーンといえば、ビートルズやツェッペリン、ストーンズなどと並び称されるイギリスロック界の雄。そして、そのクイーンの協力のもと、イギリスを代表する脚本家兼コメディアンのベン・エルトンが、クイーンの偉大なる楽曲の数々を全面的に使って制作したミュージカル。それがWWRYなのである。ストーリーは比較的シンプルでわかりやすい(英語がわからなくても、字幕もあるので大丈夫)。近未来社会。思想も、音楽も、その全てがグローバルソフト社に支配された社会の中、その社会に溶け込めない「おちこぼれ者」であるボヘミアンズが、数百年前に存在したといわれるロック音楽を探して、支配社会に反逆するというものだ。