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19世紀末、急速な近代化と西欧化の波に飲まれ、極めて不安定な時代の帝政ロシア。上流階級の人々は、虚偽と偽善の仮面に包まれた社交界という世界に生き、そこのルールから脱落することは破滅を意味した。
青年将校であるアレクセイ・ヴィロンスキーは、輝かしい未来を約束されたエリート軍人で、貴族の令嬢たちの羨望の的であった。ある日、母を出迎えるため、モスクワの駅にやって来た彼は、列車から降り立ったひとりの女性に心を奪われる。その美貌の貴婦人の名はアンナ・カレーニナ。この出会いが2人の運命の歯車を大きく狂わせていく。
アンナは高級官僚カレーニンの妻で、貞淑で賢明な女性。だが、あまりに激しく真剣なヴィロンスキーの求愛に、アンナは自分の中にいた、もうひとりの自分が目覚めていくのを感じる。2人の醜聞は世間に知れ渡り、厳格なアンナの夫カレーニンは妻の行動を責める。しかし、アンナにとって、ヴィロンスキーにとって、この恋はもはや生きる灯であった。
一方、ヴィロンスキーに恋心を抱いていたシチェルバツキー家の末娘キティは、この成り行きに深く傷つき、自分は彼のことを何も分かっていなかったと悟る。そんなキティに彼女を慕い続けたコンスタンチンは再びプロポーズし、キティは初めて本当の愛情に気付く。
背徳の愛に生きるヴィロンスキーとアンナ、穏やかな平和の中で慎ましやかな幸福を手にするコンスタンチンとキティ、そして貴族社会という体裁の中でしか生きられないアンナの夫カレーニン、それぞれが辿ることになる運命は…。
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