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日本が近代国家建設に向け、西洋の大国に懸命に追いつこうとしていた明治。武家の長男として生まれ、幼い頃から厳しく育てられてきた太田豊太郎は、周りの期待を一身に浴びエリート官僚としてベルリンに留学することに。初めて触れるヨーロッパの空気。それは豊太郎に“自由と美”の精神を目覚めさせ、彼の中の“眠れる獅子”を呼び起こすが、そんな彼の言動は、狭い日本人社会の反発を買い、豊太郎は次第に孤独感を募らせていく。
ある日、私費留学生としてベルリンに滞在していた原芳次郎という画家に出会った豊太郎は、日本という狭い世界にとらわれず、己の芸術を追う芳次郎の生き方に憧憬を覚える。そんな時、豊太郎は街角で泣きじゃくる金髪の美しい少女エリスと出会う。彼女はヴィクトリア座の踊り子で、父を亡くし金銭的に困っていたが、豊太郎によって窮地を救われる。豊太郎の優しさに心動かされ、次第に彼を慕うようになるエリス。そして、豊太郎も今まで知らなかった熱い激しい想いが、自分を変えていくのを感じる。
しかし、そんな二人の交際の噂が人々の中傷の的となり、豊太郎は免職処分となって国からの援助を断ち切られる。そして、日本にいる母の死の知らせが…。全てを失った豊太郎。しかし、様々な人々の援助により、不安定ながら新しい生活を始める。数ヶ月が過ぎ、エリスが妊娠したことが分かるが、将来の見えない不安から、二人は一抹の不安を隠しきれなかった。豊太郎の身を案じた友人の相沢は、彼に大臣の天方伯爵を引き合わせる。豊太郎の才能を高く買った天方伯爵は、彼を日本に連れて帰ることを提案する。日本への郷愁と祖国への使命感に、心が揺れ動く豊太郎。それでも豊太郎がエリスと別れることはできないと考えた相沢は、エリスに全ての事情を話し、手切れ金を渡そうとする。そして、相沢のこの友情が、二人を取り返しのつかない悲劇の淵へと追い詰めることとなるのであった。
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