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YOSHIKA
に「突き抜けたな」という印象を抱いたのは、2003年のインディーズ作品『StraightAhead』からちょうど1年後。
m-flo
loves YOSHIKA名義のシングル「Let Go」を聴いたときだった。なぜならこの切ないバラードで彼女は、まったく無理のない自己表現を実践していたからだ。
そしてそこから半年後に出たソロ・デビュー・シングルの「
Call Me
」、続くセカンド・カットの「
Just Us
」。
ゆるやかなこの2曲は新人とは思えないスムースな余裕を感じさせてくれたので、僕はまたもや彼女への期待感を大きくした。
だからきっとアルバムもクオリティが高いのだろうと予想はしていたのだが、正直ここまで完成されたものが出てくるとは思っていなかった。囁くようなボーカルを、緻密で上品なサウンド・プロダクションが理想的にサポートしている。自分の声質やそれに見合った歌い方など、従来の国産R&Bにはなかった可能性を
YOSHIKA
は持っている。
過剰に分厚い音と無闇にがなりたてるような歌で埋め尽くされた一般的なR&Bが何重にも絵の具を塗り重ねた「濃すぎる」油絵だとしたら、この作品は余白を活かしたセンスのよいリトグラフだ。そしてカテゴリー的にはR&Bなのだが、その枠に捕われていないところがいい。
朝に似合いそうな「
hapiness
」は、ゆったりとしたミディアム・グルーブ。こういう落ちついた曲を冒頭に持ってくるところにも揺らぎのない自信を感じる。タイトル曲「
Just Us
」や「
human
」「
Come back to you
」もまた、朝に聴くとことさら響いてきそうだ。
そうかと思えば、「
Call Me
」に続いて登場するライト・ファンクの「
nothing
」はまた異なった印象。10代からのアメリカ生活で培われた英語の発音も自然で、ドライブにぴったりの心地よさがある。ドライブといえば、「
STAY」
もクルマで聴きたくなる曲かもしれない。いや、こちらは部屋のなかかな? ……と、人それぞれ感じ方は違うだろうが、ひとつひとつの曲がさまざまなシチュエーションにぴったりとはまることだけは間違いないだろう。
01.
intro
>>
試聴
02.
happiness
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試聴
03.
Call Me
>>
試聴
04.
nothing
>>
試聴
05.
Sunshine(feat.VERBAL)
>>
試聴
06.
STAY
>>
試聴
07.
you&me
>>
試聴
08.
Just Us
>>
試聴
09.
one day(feat.B-BANDJ)
>>
試聴
10.
human
>>
試聴
11.
Ooh Child
>>
試聴
12.
Come back to you
>>
試聴
13.
alive(feat. WISE)
>>
試聴
14.
can’t control
>>
試聴
軽やかな楽曲が多いなか、「
Sunshine
」のトラックは際立ってファットだ。とはいっても決して「過剰」なわけではなく、ビートの狭間を
YOSHIKA
がさらりとすり抜けていくのだ。ゲスト参加するVERBALのラップもすばらしく、すべてががっちり絡みあっている。
それから、特筆すべきが「
you & me
」のクオリティだ。太いベース・ラインと硬いビートからなるトラックは鋭角的なのに、抑えめに歌う
YOSHIKA
のボーカルがはっきりと立っているところがすばらしい。
ソウル・ファンにもぜひ聴いてほしいのが、ファイヴ・ステアステップスのソウル・クラシックをリメイクした「
Ooh Child
」。切ないメロディが、原曲に忠実でありながら現代感覚が過不足なく注入されたサウンドメイキングによって際立っている。
……と、細かいことを書きはじめたらいくらでも書けてしまいそうなのだが、B-BANDJは相変わらずの渋いラップを聴かせる「
one day
」、TERIYAKIBOYZのWISEがフィーチャーされた「
alive
」など、他の楽曲もすべてが完璧だ。そう、このアルバムには無駄な曲がひとつもない。それぞれが個性的で、それぞれが輝いていて、それらがひとつのグルーブを生み出しているといったらいいだろうか。
休日に部屋で読書でもしながら聴くのに最適な、そしてここ数年のR&Bアルバムで最も高品質な、いま聴くべき作品だ。 (text:Steve Johnston a.k.a.Propmaster Sweet)
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トラックバック時刻:2006年01月29日 08時50分