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その歌声は、2006年の現在も偉大な包容力と誰しもの胸を焦がすような艶やかさに彩られている。幼い頃、母の胸に抱かれながら眠りについた記憶のように心地よく、初めて恋心を覚えた瞬間のように瑞々しい。そう、僕らにとって彼女の歌声はいつの時代もスタンダードな音色として存在する。

2001年にリリースしたオリジナル・アルバム『Bon Appetit!』から5年。ついに竹内まりやがニューシングル「返信/シンクロニシティ(素敵な偶然)」をリリースする。プロデュースを手掛けているのは両曲ともに夫である山下達郎だ。さて、どんな世界がこの2曲で繰り広げられているのだろうか。

まず「返信」は、9月16日から公開される映画『出口のない海』の主題歌となっている。横山秀夫の同名小説を原作にしている本作。『半落ち』の佐々部清がメガホンを執り、脚本に御大・山田洋次と『うなぎ』の冨川元文を迎え、キャストには市川海老蔵、伊勢谷友介、上野樹里、塩谷瞬という豪華な布陣で、戦渦の若者たちの夢と失意、愛と別れに揺れる生き様を丹念に描く。

そのシリアスなストーリーに呼応するように、愛おしい人を失った女性の深い哀感と、それでも止むことのない切なる願いを丁寧に歌うボーカルとメロディが胸を強く締めつけるように響く。そして、クラシック・ギターを基調としたミニマムなサウンドがこの曲の余韻を助長する。人間のデリケートな心の動きを細やかにデッサンするこのバラードは、まさに竹内まりやの真骨頂と言えるだろう。

続く「シンクロニシティ(素敵な偶然)」は一転、軽やかなバンド・サウンドと爽やかなコーラス・ワークが印象的なポップかつキュートなラヴソングだ。ドラマティックな男女の出会いが“必然の運命”としてリスナーの心 |
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を弾ませるように紡がれている。そう、「返信」が竹内まりやの“陰”の魅力をフィーチャーした曲ならば、この曲は彼女の“陽”の輝きが全開になっているのだ。これもまた、紛れもない彼女の真骨頂である。

竹内まりやの楽曲史上初のデジタル配信となるこのふたつの新曲で、日本が誇る女性シンガー・ソングライターの真髄に改めて浸ってみてはいかがだろうか。(text/峯岸亜希夫) |
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映画『出口のない海』のために書き下ろされた主題歌「返信」の発売から10日後の9月16日に公開される本作品。果たして『出口のない海』とは?胸をしめつける感動作を紹介します。
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この作品は太平洋戦争末期、人間魚雷「回天」の特攻隊員に選ばれた若者たちの青春を描いた戦争大作。甲子園の優勝投手となり、大学進学後も野球の夢を追いかける並木浩二(市川海老蔵)に忍び寄る戦いの時代。ついに日米開戦、太平洋戦争は日ごとに激しさを増していく。愛する家族や友、そして恋人のと別れて海軍に志願する並木に課せられたのは、脱出装置のない定員1名の「回天」に乗って敵艦に激突するという究極の任務だった。並木を始め多くの若者たちがこの任務に自ら望むのだったが、彼らの胸に迷いや怒り、悲しみが微塵もないわけではなかった。若者たちを乗せた潜水艦は海へと潜り、そして遂に出撃の時が訪れる…。
日本のエンタテインメントを担う佐々部清監督、市川海老蔵、上野樹里などの豪華スタッフ・キャストが結集して、戦争によって、希望に満ちあふれた未来を断ち切られた青年たちの姿を、そして今を生きる私たちに、平和とは何かを映し出し、問いかける。神風特攻隊や戦艦大和に比べて、ほとんど知られていなかった回天の真実…それは一人一人が全ての瞬間を悔いなく生きることなくして、世界の平和などあり得ないことを教えてくれる名作である。

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| (C)2006「出口のない海」フィルムパートナーズ |
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【公開】9月16日(土)全国ロードショー
【監督】佐々部清(『半落ち』『四日間の奇蹟』など)
【原作】横山秀夫『出口のない海』(講談社刊)
【脚本】山田洋次、冨川元文
【音楽】加羽沢美濃
【出演】市川海老蔵、伊勢谷友介、上野樹里、塩谷瞬など
【配給】松竹
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