シングル5作と8thアルバム『DIABOLOS』のリリース、大規模な全国ツアー、そして総制作費5億円という初の東京ドーム・ライブ…Gacktの2005年は、驚異的といえるものであった。しかし、とどまる事など彼には似合わない。昨年末の記者発表からリリースが渇望されていたPS2専用ゲームソフト『ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジー VII-』(スクウェア・エニックス/発売中)テーマソング「
REDEMPTION」が、本年第一弾シングルとして、さっそく登場した。
ハードなタッチのサウンド、それに呼応するようにヒートするGacktのボーカル…ゲームのCMでもオンエアされ、多くの人の印象に残るところであろう。また、ライブでもクライマックスになりそうな、激しくもキャッチーなナンバーである。しかし、タイトルの意味、歌詞を確かめれば、この曲の深層まで達することができるのだ。
「
REDEMPTION」とは“救出、救い”、そして“キリストによる罪のあながい”を意味する。そして、「宙に還る貴方」を、涙枯らしながら見つめる― 深い哀しみのシーンから、この歌の世界は広がってゆく。悲劇に暮れてしまうことなく、“僕”は戦い続けようとする。優しい言葉や別れの言葉も不要だと、ただ、ひたすらに。そうしなければ、自分でいられることも不可能な果てしなく続く戦いの中で…今までにないほど走り、昂ぶりを見せるボーカルには、心身とも傷つきながらサバイブする“僕”が憑依しているようだ。ちなみに、ゲームにはGacktをモデルにしたキャラが登場するという。ただ、慰めあうことよりも徹底した厳しさこそ本当の力、救いになるというストイックかつ力強い姿勢は彼自身であり、今回のテーマソングも、そのパワーが引き寄せた“運命の出会い”ではないだろうか。挿入歌であるカップリングの「
LONGING」とあわせてゲームと共に聴き込めば、新たな感慨もあることだろう。
カリスマという言葉もすっかり身近な今だからこそ、この男の存在、オーラ、表現は、さらに強く大きなものになってゆく。圧倒される喜び― Gacktなら、そんな倒錯さえも当たり前にしてしまうのだ。(Text/hr)