「トリビュート」も今やジャンルの一つ。
当初は追悼盤やルーツの発掘がメインだったが、近年では現役ミュージシャンも対象になるなど、少々乱発ぎみ。本来の「賛辞」や「捧げる」という感覚が薄れ”企画モノ”となりつつある。
そんな中で登場した『BEACH BOYS BEST OF TRIBUTE』だが、この様な懸念とは無関係、敬意と愛情がたっぷりと詰まった作品となった。
プロデューサーの門倉聡(槇原敬之らのプロデューサー、アレンジャーなどとして活躍)は、ビーチ・ボーイズを全曲聴き直して制作に挑んだ。不朽の名作かつ永遠の問題作『ペット・サウンズ』はもちろんだが、「それ以前の楽曲も非常に完成度が高く、非常に驚きました。普通のロックでは思いつかないような事を多くやっていて、ビートルズよりも進んでいた部分もありますね」という。
だが、「マニアックにビーチ・ボーイズを追求している方は大勢いるけれど、今回は”意外性”を大事にしたかった」との言葉どおり、槇原敬之が初のアカペラに挑戦した「Wouldn't It Be Nice」や、17歳の天才女性シンガーAi Miyagawaが驚きの歌を聴かせる「Sufer Girl」など、その言葉通りの仕上がり。トリビュートの意味、実感できるはずだ。(Text/hr)