2006年11月から12月にかけて行われたツアー『What’s goin’ on A.I. Japan Tour』。インターネットテレビGyaOでも放映された、12月13日のAI初となる日本武道館でのツアー・ファイナルのライブ映像及びドキュメンタリー映像を収録。シングル・ベスト・アルバム的な収録楽曲で、ファンにはたまらない内容となっている。
個人的な話からはじめて申し訳ないが、AIの歌声をすぐ近くて、それこそ3メートルぐらいの至近距離で聴かせてもらう機会があった。歌声と言っても本格的なボーカルではなく、AIにとってみれば、イベント前の楽屋で、悪ふざけで歌を軽く何小節か口ずさむ、ぐらいのことだったのかもしれない。歌っていたのは確か「We Are The World」。“We are the world, we are the children. We are the ones who make a brighter day〜”、AIが、いつもの楽しげな笑顔を見せながら、そう歌った途端、賑やかだった楽屋は一瞬だけ水を打ったように静まり返り、そこにいた誰もが彼女の口ずさむ短い何小節に思わず聴き入った。ほんの僅かの出来事だったが、AIの歌声の圧倒的な求心力に、本当に驚かされた瞬間だった。大袈裟かもしれないが、リンゴが地面に落ちるのと同じように、AIの歌は聴き手の心を自然と引き寄せてしまうのだ。重力を帯びた歌声――そんな無謀な形容だって、彼女のライブを目の当たりにした人ならば、少しは共感してくれるんじゃないだろうか。
2006年11月から、全国11都市、12公演を行った全国ホールツアー『What's goin' on A.I. Japan Tour』は、満員の日本武道館にてツアーファイナルを飾った。その模様が、AI初のライブ盤『LIVE A.I.』としてリリース/配信される。観客の割れるような大歓声、それに応えるAIの気さくなMCなど、ライブアルバムならではの楽しさが詰まった作品であり、そして何と言ってもAIの濃密で重厚な歌声の存在感が堪能できる作品だ。ライブが進むにしたがって、観客を手繰り寄せる歌の力はどんどんと増すばかり。アップ・ナンバー「I Wanna know」で聴かせるグイグイとした力強さ、武道館の天井に突き刺さるような「No Way」のコーラス、「Story」の温かくも雄大な高揚感、「Beautiful」でのTrey Songzとの迫力ある掛け合いなど、ダイナミックな臨場感に溢れた本作は、ライブパフォーマンスに定評のあるAIの魅力を存分に味わうことができるだろう。また、彼女の代表曲ばかりがずらりと並んだ全13曲は、シングル・ベスト・アルバム的な内容になっている。