のっけからOnGenの話で甚だ恐縮だが、毎週1回更新している本サイトでは、先月から今月にかけて2つのコーナーがスタートした。1つは、極上の癒しミュージックを提供する「ヒーリング」特集。そしてもう1つは、伝統的音楽を紹介するといったものだ。
何で、そんなことをわざわざここで書く必要があるのかというと、今、ユーザーは音楽に対して“癒しと民族性”を求めているのだという事を言いたかったからだ。(事実、これらの特集は非常にアクセスがよい)
さて、ここからが本題だ。女子十二楽坊とは、そんな“癒しと民族性”の2つを兼ねそろえた、いわば時代にベストマッチしたユニットである。
幼少の頃より音楽の英才教育を受け、各種コンクールで上位入賞歴のあるトップレベルのスキルを持つ彼女たちの経歴や、普段耳にする機会の少ない楽器をみれば、思わす構えてしまいがちだが、まずは何も考えず、聴いてみるのがいい。と言うより、思う、思わざるに関わらずこの耳馴染みのあるラインナップは、そうすべきだということを物語っている。
今や国民的ソングになりつつある「世界に一つだけの花」で幕は開く。幾多のも楽器の音飾が至るところに散りばめられ、楽曲を派手に演出している。続いて、一つ一つの音色が次から次へと流れては消えていく、波のように緩やかな「涙そうそう」。そして、美空ひばりの名曲「川の流れのように」、ケルトの静寂が満ち溢れたエンヤの「オンリー・タイム」と珠玉のメロディ群は「海」、「川」、「森」へと我々を誘う。
さらに、『東京ラブストーリー』の主題歌としてもお馴染みの、「ラブストーリーは突然に」や、オレンジレンジの「花」では一転して、各楽器それぞれの力強さ、アンサンブルによって引き起こされる迫力というものが存分に発揮されている。
この、ニ胡、琵琶といった楽器から放たれる柔らかなメロディは、我々が想像しえないような壮大な大地を連想させ、そして、竹笛の震えるような響きは、そこはかとなく優雅で、あまねく俗事から逸脱した気分を与えてくれる。
次に、“民族性”についてだ。民族という意味で言えば、日本と中国とには違いはあるのだろうけれど、この中国情緒溢れるサウンド、いやもっと単純にこれらの楽器が生み落とす音は、我々日本人にとって、妙に合う。
スーっと耳に入ってくるというのではなく、もっと別次元で、血が反応するのだ。何と言うか、少し大げさかも知れないが、1200年ほど前に、大陸の文化を進んで受け入れた我々の祖先の記憶がどこかに残っていて、それが作用しているといったところだろうか。初めて聴いたという人であっても懐かしさを感じる方も多いのではないか。
彼女たちが奏でるサウンドには、そういった神秘的な何かを引き出す引力みたいなものを感じる。このアルバムを聴けばあなたもきっと、そのチカラに出会えるはずだ。(Text/藤村実)







