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総合TOP > リコメンドインデックス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2008/01/30 加藤和彦

  vol.77   富澤一誠のフォークが好き!  
加藤和彦 「家をつくるなら」
企業の斬新なイメージ作りにマッチした“名CM曲”「家をつくるなら」

 1973年のCM界はフォーク・ソングの花盛りだった。  吉田拓郎が富士フイルム、松下電器産業。鈴木ヒロミツがモービル・ガソリン。遠藤賢司が日立製作所。シモンズがフェミニン株式会社。本田路津子がハウス食品工業、マルシン商事、保谷硝子。赤い鳥がヤマハ音楽振興会。上條恒彦がグンゼの肌着、サントリー「純生」、トヨタ自動車、資生堂MG5。加藤和彦がナショナル住宅、モービル・オイル。ガロがパイロット万年筆。松井悦子(チェリッシュ)が三ツ矢サイダー。三上寛が柳屋。小坂忠がトヨタ自販。

 こう並べて書くと実に壮観である。では、なぜこれほどまでにフォークがCMへ進出したかというと、やはり既成のCM作曲家にはない新鮮さがあり、それが若者たちの心をとらえ、ひいては企業の斬新なイメージ作りにぴったりマッチしていたからだろう。

 そんな中でも拓郎の「ハブ・ア・ナイス・デイ」と人気を二分したCMは加藤和彦の「家をつくるなら」(73年3月20日発売)だった。これはナショナル住宅のCMとして作られたが、あまりの評判の良さに加藤のソロ・シングルとして発売されたほどだ。しかも、当時、彼はサディスティック・ミカ・バンドをデビューさせたばかりだった。ふつうなら、バンドを第一に考え、ソロは出さないものだが、それでもあえて出したほどこの曲は評判が良かったということだ。新田和長ディレクターは証言する。 「加藤君は作曲家として既に高い評価を得ていたけど、メロディーの良さもさることながら、独特のボーカル、これも良かった。ドノバンというかキャット・スティーブンスというか、彼独自のビブラートと、なんともいえないソフトで優しいうたい方。『家をつくるなら』には、そんな彼の良さが凝縮されていた。だから、あえてソロ・シングルとして出したんです」

 機能だけを追求するのではなく、そこに住む人の住み心地の良さを追求したナショナル住宅のイメージにぴったりとマッチした「家をつくるなら」は“名CM曲”だったといっていい。その証拠にこのCMは今も使われている。

 
加藤和彦  「家をつくるなら」
TRACK LIST

加藤和彦
『スーパー・ガス』
1971 Release
ダウンロード価格
アルバム \1,500(税込)
トラック \150(税込)

アーティスト詳細へ


   
   1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東京大学文科V類に入学。その後、現状にあきたらず、大学を中退。71年、音楽誌への投稿を機に音楽評論活動に専念。現在、ジャパニーズ・ポップス専門の音楽評論家として、独自の人間生きざま論を投影させ、広く評論活動を展開。
 著書は、ベストセラーになった『松山千春──さすらいの青春』『さだまさし──終りなき夢』『俺の井上陽水』をはじめとして、『新宿ルイード物語』『俺が言う@』『俺が言うA』『フォークが聴きたい』『Mの黙示録 ミリオンセラーは教えてくれる』『フォーク名曲事典300曲』『フォーク検定』など全56冊。
 【WEEK-END PARTY〜forever young〜】(FM NACK5/毎週土曜深夜0時〜3時)【SPIRAL OF MUSIC】(TOKYO FM/毎週金曜夕方5時〜5時30分)【ミュージック・ゼミナール】(STAR digio/毎週土曜夜11時半〜0時)【DAY BREAK FRIDAY富澤一誠 青春のバイブル】(JFN系列27局ネット/第一金曜日深夜3時〜5時)などのプロデューサー&パーソナリティーとしても熱いメッセージを送り続けている。全国的ヒットとなった『MOTER MAN』のSUPER BELL"Zを始めとして、骨骨先生、K-SAMA☆ロマンフィルム、yumirose、ミス・ゴブリン、さくまひでき、熊猫xiongmaoなどのプロデューサーとして、新しい才能を発掘・育成もしている。と同時に、評論家生活を通じて収集した膨大な量のプレスシート、パンフレット、アナログレコードなどを展示した<MUSIC & ARTIST DATA BANK フォーク&ニューミュージック資料館>を2005年春より公開、エルダー・マーケットの開拓にも力を注いでいる。
ブログ公開中(http://tomisawaissei.blog72.fc2.com/)。




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